【邦画】「伊豆の踊り子」(1974)【洋画】「マネーモンスター/Money Monster」(2016)

2020年07月21日

【ドラマ】「天城越え」(1978)

[ひと言感想]
土工が少年の殺傷を受容したのは、少年が自分を「手合」視せず、「個人」視したからだろう。
同様に、少年が後年事業で成功したのも、巡り合った縁者の殆どを「手合」視せず、「個人」視したからだろう。
無垢な個人は存在しない。
縁者を訳ありの個人として視、「本気で思ってくれた」と感慨させる人の罪は、一縁者の胸中に秘められて然るべきである。


松本清張原作 天城越え【NHKスクエア限定商品】
大谷直子、佐藤慶、鶴見辰吾、宇野重吉、中村翫右衛門
NHKエンタープライズ
2017T




【ハナ(演:大谷直子さん)】
兄さんのうち、下田で鍛冶屋だって言ったろう。
船が出るまでに時間があったからさあ、ちょっと探してみたんだよ。

【少年(演:鶴見辰吾さん)】
大島へ行くの?

【ハナ】
(頷く)
借金があるからさあ。
今度はちょいと足抜けのできない所に売られちまった。
なあに、そのうちまた、逃げ出してやるけどさ。
ふふふ。

【少年】
・・・

【ハナ】
兄さん、天城で一緒だった土工さんが殺されちまったの知ってるかい?

【少年】
(頷く)

【ハナ】
酷い目にあったよ。
警察じゃさ、私がやったなんて責められてさ、話のわかる裁判官に出会わなかったら、今頃刑務所暮らしだ。

【少年】
ねえちゃんがやったんじゃないよ。
ねえちゃんじゃないよ。

【ハナ】
誰がやったんだろうねえ。
考えてみりゃ、可愛そうな男だった。

【少年】
可愛そうなんかじゃないや。
あいつ、ねえちゃんを・・・

【ハナ】
お別れだよ。
兄さんとはもう、会うこともないだろうけど私みたいな女のことを本気で思ってくれたのは、兄さんだけだったかもしれない。
ありがとうよ。




【お遍路(演:松本清張さん)】
(御詠歌)
坊やが、いつかは迎えにゃならん、長い苦しみの日の為に、祈ってあげたよ。


kimio_memo at 07:19│Comments(0) DVD 

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