【洋画】「ヒトラー暗殺、13分の誤算/Elser」(2015)【洋画】「帰ってきたヒトラー/Er ist wieder da」(2015)

2018年11月02日

【営業/経営】「チャレンジャー・セールス・モデル/成約に直結させる『指導』『適応』『支配』」 マシュー・ディクソンさん

P255
経営幹部に贈る教訓
実験をしたうえで全面導入せよ

第5章で紹介した(イリノイ州レイクフォレストに本社を置く、企業向け資材[保守・修理・運用/MRO]の大手企業)W・W・グレインジャーは注意深く実験を重ねながら新しい営業モデルや指導ツールを広く採り入れていった。たいていの企業は、新しいツールの全社的導入の前に、どんな修正が必要かを知るための実験をするが、グレインジャーは一歩先をいく。いつ、なぜ導入がストップするかを知るための実験をするのだ。具体的には、四つの問いを立てている。

[1]このツールをいち早く導入する人たちはどの程度いるか(導入がストップし、導入曲線が横ばいになりそうなのはいつか)?

[2]いち早く導入するのはどんな人で、導入しない人と何が違うか?

[3]このツールの効果をもっと正確に予測するには、どんな指標をチェックすればよいか?

[4]この経験を活かして、どうすればツールの効果を高め、導入率を上げることができるか?

これらの問いに答えることで、グレインジャーの営業オペレーションチームは、導入が止まったときにそれを打ち破る方法を、あらかじめ計画できるのだ。

同社によれば、販売員はツールを採用するかどうかを決めるとき、時間軸に沿って(「アーリーアダプター(早期導入)」「マジョリティ(多数)」「ラガード(出遅れ)」「ネイセイヤー(拒絶)」の四つのタイプに分けられるという。前のタイプを説得しないうちに次のタイプに導入を迫っても、労力に無駄になりかねない。たとえば、「マジョリティ」は「アーリーアダプター」がうまくいくかどうかを見守っており、「ラガード」は「マジョリティ」が成功したのを見てからツールを受け入れる。正しいタイプに、正しいタイミングで、正しいルートを通じて働きかけるのが、「アーリーアダプター」と「マジョリティ」のあいだにある「キャズム(溝)」を超えて導入を拡大させるカギである。新製品を市場に浸透させていくのと同じ要領だ。

グレインジャーの導入戦略でもうひとつポイントになるのは、「近さ」が大切だということだ。営業マネジャーは平均的な販売員に、ハイパフォーマーがすることをまねろと言いたがる。だが、ハイパフォーマーの行動を手本にさせるのは、変革を社内で「売り込む」手段としては失敗しやすい。たしかに、あるべき行動を規定するという意味では、ハイパフォーマーの行動をまねるのは正しい。本書でも、あなたが再現すべきハイパフォーマーの行動について具体的に紹介している。しかし、この変革を本格的に展開する段階で、「ハイパフォーマーがすることをまねろ」というのは、むしろ逆効果である。

なぜか?人は花形パフォーマーが成功したからツールを使いはじめたり特定の行動をとりはじめたりするのではない。自分と同じような人が成功しているから使うのである。だから、新しいアプローチを販売員全体に広げようとするなら、非「チャレンジャー」から「チャレンジャー」への変身に成功した平均的パフォーマーの事例を、さまざまな市場、さまざまな製品ポートフォリオから探してこなければならない。そうした事例は、正しい実験をすることで初めて手にできる。

なぜ人は、もとい、大多数の「平均的な人」は、大成功した「遠い」花形ではなく、成功した(よう伺える)「近い」隣人をまねるのか。
著者、および、グレインジャーの経営者と同様、新しい営業モデルや指導ツールを過去様々導入してきた経験から先ず着想するのは、彼らの本望が「成功&成長の達成」でなく、「失敗&(被否定評価→)自己否定の回避」だからである。

たしかに、営業マン研修を実施するなら、実績や入社年次による「層別」、「クラス別」が有効ではある。
実績、実力、年齢の「近い」人間を同室に押し込むことで、参加者個人に、「アイツはこんなことをしているのか!」、「アイツができるなら!」、「アイツには負けたくない!」と触発を与え易いからである。
これはこれで一理あるが、参加者個人の本望が先述ゆえ、現実、低次かつ不毛の「ドングリの背比べ」に成り易いのである。

なぜ彼らは、「成功&成長の達成」より、「失敗&自己否定の回避」を望むのか。
改めて着想するのは、彼らの「成功&成長体験」が圧倒的に乏しく、かつ、「失敗&被排除の恐怖」が甚大だからである。
営業に限らず、社内に新しいプロセスやツールを導入する者は、先ず、彼らの「失敗&被排除の恐怖」を除去すべく思考&試行錯誤する必要がある。
そう、今忽ちには彼らの「成功&成長体験」を増やせないからである。

「オレはこれまでお前に『(お前の)店長と決めたやるべきプロセスをやれ』とは言っているが、『クルマを売れ』と言ったことはないし、今後も言うつもりはない。お前は『受注がまだありません』と今オレに詫びたが、お前は決めたプロセスをやり切っているのだから、そんな必要は全く無い。かえって、お前にまだ注文書を書かせてやれていない店長とオレの方が詫びなくてはいけないくらいだ。お前は間違っていない。近々必ず売れる。自信をもて」。
この旨営業マンを説教する社長と、私はかつて一緒に働いた。
彼の会社が後に伝説化したのは、冒頭の「平均的な人」の本望に正しく応え、営業マンのポテンシャルを全社的に底上げしたからである。







kimio_memo at 07:03│Comments(0) 書籍 

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