【洋画】「フライト・ゲーム/Non-Stop」(2014)【邦画】「64 ロクヨン」(2016)

2018年03月29日

【経営】「なぜアマゾンは『今日中』にモノが届くのか」林部健二さん

P149
第3章 アマゾンの物流を支えるロジカル経営
アマゾンのKPI
KPIを本気でレビューする週次経営会議

アマゾンでは、様々なKPIを週次でレビューする会議があります。この週次の会議をWBR(Weekly Business Review 週次経営会議)と言い、ここでは、全てのKPIについて同じフォーマットで資料を作り、年対比や目標対比、直近の推移などの数値を見ていきます。

KPIとしては、たとえば、システムの稼働状況や、どのくらい正しく表示できていたか、ショッピングのセッション数がどのくらいあったか、注文数、CVR(コンバージョンレート、サイトを訪れた人のうち購入に至った割合)、新規顧客の比率、価格、サードパーティ比率、コスト、不良資産率、在庫欠品率、配送ミスや不良品率などが設定されており、上流から下流まで全体のビジネスの状況を見えるようにしています。

ほかにも、たとえば、倉庫では一出荷にかかった時間や、どれだけ納期通りに出荷できたのか。カスタマーサービスでは、出荷に対してどのくらい問い合わせがあったのか、電話の問い合わせを一定の時間内に何%取れたか、メールの問い合わせに対して一定時間内にどれだけ返せたか、一回で簡潔に答えられたか、また、回答に関するアンケート結果をもとにした顧客満足度なども見ています。そして、各KPIの数字は非常に細かい単位で見られ、0.0X%というレベルで目標が立てられます。

各KPIにはオーナー(主担当者)が決められており、それぞれのオーナーが、先週の状況、今週の進捗、その理由、このままいくと目標に達成するかしないかの見込みといったことを説明します。それに対して、他のKPIのオーナーたちから厳しい質問が飛び、数値の理由だけでなく、今後の方策についても説明する必要があります。目標を達成できなかったとしたら、今後どう改善していくのか、目標を達成できたとしたら、目標数値をさらに上げるのか、などを説明していきます。また、前年との比較も行うため、前年はなぜこの数値だったのか、ということも覚えておく必要があります。

日本のWBRは1~2時間でしたが、グローバルのWBRは長いと3~4時間にもなることがありました。これを毎週行って、ビジネスに反映させているのです。

このWBRについて、非常に印象的だったことがあります。自分がオーナーのKPIについて目標数値を達成して、自信満々に「目標を達成しました」と話したところ、「どうして目標が達成できたんだ?」という質問を受けたことがあったのです。

そのままスムーズに次に行くだろうと思っていたので、一瞬パニックになりましたが、電話会議でパニックになった時には、まず電話のミュートボタンを押すようにしていました。焦って日本語で話してしまったり、他の人に相談している声を聞かれてしまったり、わけのわからない英語を口走ってしまう、といった他の人の失敗を、いろいろ見てきたからです。

その時には、一旦ミュートにして、どう答えるかを考えました。そして、「それについては、こうなんじゃないかという仮説を持っていますが、疑わしいので来週までに調べさせてください」と言いました。すると、「ケンジ、数字というのはコントロールするものだから、目標を達成しようがしまいが、理由を全て理解しておかないと何の意味もないんだよ」と言われたのです。その言葉は衝撃的でした。

それ以降、その考え方は自分の中に叩き込まれて、数値に関してはなぜそうなるのかを徹底的に考え、データと共に用意しておくようになりました。

アマゾンでは、目標を達成したからいい、とは考えないのです。理由がわからなければ再現性がない、ということになります。
それほどまでに徹底してWhyを突き詰めるところも、アマゾン特有の文化だと思います。

年を経るほどに確信を深めていることの一つは、人との出会いを除き、何事にも原因&ロジックがある、ということである。
「(KPIの)数字はコントロールすべきものであり、目標を達成しようがしまいが、理由を全て理解しておかないと何の意味もない」との林部健二さんの被説教(笑)と気づきは尤もである。
野村克也がよく「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と引用するが、「勝ち」も必ず原因&ロジックがある、ということである。
「勝ち」は結果が肯定的なため、「負け」より原因&ロジックが紐解かれる必然性が低い。
そして、凡そひと段落的(??笑)かつ習慣的に「不思議」で済まされ、機会損失している、ということである。
持続的な成功の大敵は、刹那かつ低次の安堵である。







kimio_memo at 07:17│Comments(0) 書籍 

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