【洋画】「ツーリスト/The Tourist」(2010)【邦画】「あん」(2015)

2017年03月31日

【洋画】「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い/Extremely Loud & Incredibly Close」(2011)

[ひと言感想]
何とも考えさせられる作品だが、先ず以下気づかされた。
思いつくまま、かつ、誤解かも、だが。(笑)

【1】
とりわけ個人の自由と権利が尊重される先進国において、核家族はデフォルト化したが、倉本聰の言うように、挙句、国民は「人の死」を経験する初齢を上げ、経験値を減らしている。
我々が精神的に脆いのは、人生の一番の理不尽、かつ、悲劇である「人の死」を正視、および、自分事(⇔他人事)視する能力が低いからかもしれない。

【2】
人生とは、不意かつ不断の悲劇、ないし、それにまつわる自分の後ろめたさと決着を付けることかもしれない。

【3】
我々が悲劇と決着を付けるには、一人でも多くの他者の間合いに入り、彼らに共感すること、つまり、彼らの悲劇を理解し、自分の悲劇との通底を確信すること、挙句、異なる人間として肯定、受容し合うこと、が「有力解」かもしれない。

【4】
とはいえ、
我々が悲劇と決着を付けるのに「正解」は無い、というか、「正解」を求めてはいけない、のかもしれない。
とりわけ、個別かつピンポイント的に決着を付けるそれは。
我々が悲劇に遭い、時に長く立ち止まってしまうのは、正解を求め、完全な自己納得を志向、および、試行してしまうせいかもしれない。

【5】
正解を求める余り長く立ち止まっている人に、再び歩き出す後押しを惜しまないことこそ、親族や親友の本分かもしれない。

【6】
正解が無い以上、我々が決着を付けられる悲劇は限られ、多くは「持病」として生涯付き合う必要があるのかもしれない。
また、それを、我々は観念する必要があるのかもしれない。

【7】
ただし、持病には悲劇や、それにまつわる後ろめたさだけでなく、喜びやその類も含まれるのかもしれない。
我々が持病を抱えて生き続けられるのは、後者が希望と成り、前者を癒やし、中和できるからかもしれない。
我々は持病をトータルで理解し肯定して良い、というか、肯定すべきなのかもしれない。



ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [DVD]
出演:トーマス・ホーン、サンドラ・ブロック、マックス・フォン・シドー、トム・ハンクス
監督:スティーブン・ダルドリー 
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2013-02-06








kimio_memo at 07:00│Comments(0) 映画 

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