2016年06月24日
【邦画】「SADA 戯作・阿部定の生涯」(1998)
[ひと言感想]
私は阿部定事件の存在と概要を、幼少時分、母から聞かされた。
なぜ母は、陰惨かつ破廉恥なこの事件を、幼い我が子に知らせたのか。
直接の理由は現場が近所だったからだろうが、真の理由は定に共感、更には、羨望を覚えたからだろう。
「物足りない」。
定が立花に漏らしたこの言葉は、定の本心であると同時に、当時妻として、また、女として自己肯定不能な日々を送っていた母の、押し殺していた本心でもあっただろう。
人が本心を秘めるのは自然だが、押し殺すのはやはり不自然で、自他共々倍返しが自然なのだろう。
私は阿部定事件の存在と概要を、幼少時分、母から聞かされた。
なぜ母は、陰惨かつ破廉恥なこの事件を、幼い我が子に知らせたのか。
直接の理由は現場が近所だったからだろうが、真の理由は定に共感、更には、羨望を覚えたからだろう。
「物足りない」。
定が立花に漏らしたこの言葉は、定の本心であると同時に、当時妻として、また、女として自己肯定不能な日々を送っていた母の、押し殺していた本心でもあっただろう。
人が本心を秘めるのは自然だが、押し殺すのはやはり不自然で、自他共々倍返しが自然なのだろう。