【洋画】「コラテラル・ダメージ/Collateral Damage」(2002)【第74期名人戦/第三局】佐藤挑戦者、長考を翻意した羽生名人に完勝、勝ち越し

2016年05月13日

【将棋/人生】「闘う頭脳」羽生善治さん

P63
「羽生マジック」とは何か

【池谷(裕二)】
ところで、意識にのぼる記憶というのは実はごく僅かで、無意識に働いている記憶がいっぱいあるんです。羽生さんも、意識には上がってこない過去の膨大な経験やデータがパッと出てきて、自然と指しているところはあるかもしれません。

【羽生(善治)】
なるほど。確かに、何を元にして思いついたかわからない一手というのが稀にあります。

池谷】
「羽生マジック」と呼ばれる奇手(終盤で形勢不利な時に相手の予想外の手を指して逆転に持ち込む一手)が有名ですね。

【羽生】
「マジック」と言われますが、自分では結構ロジカルに考えていて、奇抜なことをやっているつもりはないんです。ただ、自分で普通のことだと思っていても、他人がそうは思わないということもあるので、評価しづらいですが。私は「この手は絶対に負ける」とか、「逆転の可能性がない」という手を虱潰しにしていって、残った中で最もダメージが少ない手を選んでいるだけなんです。

池谷】
消去法ですか。

【羽生】
ええ。以前、イベントで子供から「羽生マジックは一年に何回出るんですか」と質問されました。「マジックショーではないので興行とかでやっているわけじゃないんだよ」と説明して納得してもらいました(笑)。

注釈の通り、所謂「羽生マジック」は史上最強棋士の羽生善治さんが指した、予想外の逆転の「奇手」、「勝負手」だが、他のプロ棋士が指す所謂「奇手」、「勝負手」と本質的にどう違うのか。
「羽生マジックは消去法である」。
この池谷裕二教授の洞察は、[付き物の「反動」を最小化して全幅検索、捻出された勝負手]との理解に基づくもので、成る程であり、また、「勝負に『(一番)強い手』は要らない。『強い手』は反動、倍返しを食らう可能性が高く、却って負けてしまう」との、羽生さんの持論にも通じる。
勝負に勝つには実力を蓄え、強者に成る必要があるが、それには「忽ち勝ちに行く」直接手より、「負け難い」間接手を選択、選好する習性を養う必要があるのかもしれない。



羽生善治 闘う頭脳 (文春文庫)
羽生 善治
文藝春秋
2016-03-10




kimio_memo at 07:21│Comments(0) 書籍 

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【洋画】「コラテラル・ダメージ/Collateral Damage」(2002)【第74期名人戦/第三局】佐藤挑戦者、長考を翻意した羽生名人に完勝、勝ち越し