2016年02月03日
【邦画】「巨人と玩具」(1958)
[ひと言感想]
「現代の人間は赤ん坊以下、犬以下だ。なぜなら、彼らは考えないからだ」。
合田宣伝課長(演:高松英郎さん)の主張は尤も、かつ、普遍だ。
なぜ人は、我々は、考えないのか。
また、なぜ考えたところで、その対象から自分を除外しがちなのか。
極論すれば、自己肯定を断絶させるリスクがあるからだ。
「人はパンのみにて生くる者に非ず」とあるように、我々は胃袋に加え精神を満たさなければ、具体的には、自己を肯定し自尊心を満たさなければ、生きられない。
要するに、我々は「自分の思考は真っ当だ」と、そして、「自分は一角の人物だ」と思いたいし、そう思わずにはいられないのだ。
然るに、「下手の考え休むに似たり」とは少し違うが、下手に考えて、「自分の思考は正しくないのではないか?」と、ひいては、「自分はこの世に居ても居なくても良い、高が知れた人間ではないか?」と思いたくない、つまり、自己肯定を断絶させたくない、のだ。
ちなみに、これまた極論すれば、我々が他者への批判や嫉妬を絶やさないのは、自己肯定を後押し、ないし、維持するゴリヤク(御利益)があるからだ。
要するに、我々は敢えて他者を否定評価し、認めないことで、自尊心を高め、また、守っているのだ。
たとえば、今、我々の多くがベッキーや甘利大臣を批判、否、糾弾しているのは、根源的には正義感ではなく、嫉妬だろう。
我々の多くは、自分のやましさや足り無さを棚上げし、それらに通じる彼らの公になった過ちを「これ幸い!」と糾弾することで、改めて自己を肯定し、自尊心を守っているのだろう。
本来自分と無関係ではあるも、社会的成功者である彼らに嫉妬し、彼らを徹底的に糾弾でもしないことには、不出来なオットやツマに日々辟易している自分、或いは、不本意な職場環境と実入りで宮仕えしている自分が余りにも浮かばれなく、惨めに思えるのだろう。
批判や嫉妬のネタに事欠かない現代の情報化社会は、我々人間にとって格好の「考えない」空間だ。
情報化社会が後押しする最たるは、我々生来の現実逃避、自己逃避グセ(癖)かもしれない。
「現代の人間は赤ん坊以下、犬以下だ。なぜなら、彼らは考えないからだ」。
合田宣伝課長(演:高松英郎さん)の主張は尤も、かつ、普遍だ。
なぜ人は、我々は、考えないのか。
また、なぜ考えたところで、その対象から自分を除外しがちなのか。
極論すれば、自己肯定を断絶させるリスクがあるからだ。
「人はパンのみにて生くる者に非ず」とあるように、我々は胃袋に加え精神を満たさなければ、具体的には、自己を肯定し自尊心を満たさなければ、生きられない。
要するに、我々は「自分の思考は真っ当だ」と、そして、「自分は一角の人物だ」と思いたいし、そう思わずにはいられないのだ。
然るに、「下手の考え休むに似たり」とは少し違うが、下手に考えて、「自分の思考は正しくないのではないか?」と、ひいては、「自分はこの世に居ても居なくても良い、高が知れた人間ではないか?」と思いたくない、つまり、自己肯定を断絶させたくない、のだ。
ちなみに、これまた極論すれば、我々が他者への批判や嫉妬を絶やさないのは、自己肯定を後押し、ないし、維持するゴリヤク(御利益)があるからだ。
要するに、我々は敢えて他者を否定評価し、認めないことで、自尊心を高め、また、守っているのだ。
たとえば、今、我々の多くがベッキーや甘利大臣を批判、否、糾弾しているのは、根源的には正義感ではなく、嫉妬だろう。
我々の多くは、自分のやましさや足り無さを棚上げし、それらに通じる彼らの公になった過ちを「これ幸い!」と糾弾することで、改めて自己を肯定し、自尊心を守っているのだろう。
本来自分と無関係ではあるも、社会的成功者である彼らに嫉妬し、彼らを徹底的に糾弾でもしないことには、不出来なオットやツマに日々辟易している自分、或いは、不本意な職場環境と実入りで宮仕えしている自分が余りにも浮かばれなく、惨めに思えるのだろう。
批判や嫉妬のネタに事欠かない現代の情報化社会は、我々人間にとって格好の「考えない」空間だ。
情報化社会が後押しする最たるは、我々生来の現実逃避、自己逃避グセ(癖)かもしれない。
【合田宣伝課長(演:高松英郎さん)】
(今) 「良心」とかおっしゃいましたね。
「品位」 とも言われましたね。
我々は今、人生論の討議をしているわけですか?
【矢代宣伝部長(演:信欣三さん)】
いやあ、私が言いたいのはつまり・・・
【合田課長】
僕らは川中島の時代に生きているんじゃない。
僕らが(競合の)アポロに同情して宣伝を控えれば、(同じく競合の)ジャイアンツが一人で儲けるだけだ。
つまらないことです。
この際、我々がすることはただ一つ、宣伝費を増額して、キャラメルを売って売って売りまくることだけです。
【矢代部長】
君は若いよ。
【合田課長】
若い・・・
【矢代部長】
君はね、宣伝の力を過信しているよ。
【合田課長】
どうしてです?
【矢代部長】
キャラメルの需要には限度がある。
限度を超えれば、我々がいかに騒いでも大衆は受け付けない。
赤ん坊だって犬だって、食べたくないものにはソッポを向くんだ。
【合田課長】
ははは。
あなたはズレてる。
知らないんだ、マスコミの時代を。
いいですか、現代の人間は赤ん坊以下です、犬以下です。
なぜか。
彼らは考えないからです。
昼間は奴隷のように働いて、夜は酔っ払うか、麻雀かパチンコ。
でなければ、ラジオを聞くか、テレビを眺める。
一体いつ考えるんです?
頭の中は空っぽです。
そこです、我々が狙うのは!
この空っぽの頭の中に、我々は繰り返し繰り返し叩き込むんです。
「美味しいキャラメル、栄養のあるキャラメル、『ワールドキャラメル』、『ワールド』、『ワールド』」(と)!
すると彼らは、ワールドキャラメルを見れば、自然と手を出す、口に入れる。
ははは。
わかりましたか?
ラジオ、テレビ、映画によるマスコミは、全てを強制できるんです。
大衆の意思も感情も、思いのままに動かせるんです。
マスコミは現代の独裁者です、帝王です。
【矢代部長】
君は大衆を軽蔑している。
傲慢だよ。
気違いだ。
【合田課長】
私は現代を信じています。
【社長】
じゃ、何か?
君は、キャラメルの売れ行きがまだまだ伸びると言うのやな?
【合田課長】
そうです。
【矢代部長】
違います!
(もう)売れ行きは伸びない!
【合田課長】
部長!
あなたは昔はたしかに功績のあった方でしょうが、現代にはもう通用しません!
生きる屍です!
邪魔者です!
消えた方がいいんだ!
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