【邦画】「トキワ荘の青春」(1996)【第41期棋王戦第一局】渡辺棋王、新手と勝勢下の最善手で佐藤挑戦者に先勝

2016年02月10日

【人間学】「フォーカス」ダニエル・ゴールマンさん

P282
第18章 リーダーが選択すべき道
発想を転換せよーー二種類の経営戦略


(前略)

ビジネススクールの授業では戦略(ストラテジー)について「活用」と「探索」の二つのアプローチがあると教える。人も、企業も(RIM社のように)、既存の能力や技術やビジネスモデルをより向上させていく「活用」ストラテジーで成功するケースもある。一方、既存とは別の革新的な道を探る「探索」ストラテジーで成功する企業もある。

(中略)

組織レベルのバランス感覚は、個人のバランス感覚と平行している。人間の集中をつかさどる脳の実行機能部位は、「活用」に必要な集中と「探索」に必要な開かれた集中の両方を管理している。

「探索」は、現状の集中から離れて新たな可能性を探ることを意味し、柔軟性、発見、革新をもたらす。「活用」はすでに実行していることに集中を維持してパフォーマンスを効率化し向上させる。

「活用」のストラテジーを追求するリーダーのほうが、より安全に利益を回収できる。一方、「探索」を追求するリーダーは、新規事業によってはるかに大きな成功をおさめる潜在的可能性がある反面、失敗のリスクはより大きく、投入した資本を回収できる日も遠い。いわば、「活用」はカメで、「探索」はウサギである。

(中略)

意思決定者の立場にあるベテランのビジネスマン63人を被験者として、「活用」または「探索」のストラテジーを追求する(あるいは二つのストラテジーを交互に追求する)シミュレーション・ゲームをしてもらっているあいだに脳をスキャンした研究がある。すると、それぞれのストラテジーに集中しているあいだ、とくに活発に働く脳内回路が明らかになった「活用」のストラテジーを追求しているときには、脳内では期待と報酬の回路が活発になった。慣れ親しんだルーティンを流すのは、気分のいいものなのだ。一方、「探索」の追求をしているときには、脳内の実行機能と注意制御をつかさどる部分が活発になっていた。現状のストラテジーに代わるものを探索する作業には意図的な集中が必要なようだ。

新しい領域に一歩を踏み出すには、快適なルーティンと訣別し、惰性と戦わなくてはならない。これは神経科学的には「認知的努力」を必要とする行為だ。
そのようにして実行制御を働かせることによって、注意が自由に歩きまわり新しい道を探すようになるのだ。

このような小さな神経的努力が実行できないのは、なぜか?一つには、精神的な過負担、ストレス、睡眠不足、そして言うまでもなく飲酒によって、実行機能の回路がそのような認知的転換をするだけの活力を失い、惰性に流れてしまうからだ。そして、過負担や睡眠不足に悩まされ鎮静作用のある物質に頼る生活は、重要な判断を下さなければならない立場にある人々のあいだに蔓延している。

ダニエル・ゴールマンさんの唱える「活用」は、「既存のモノ/コト(考え)を有効かつ発展的に利用すること」と換言できよう。
また、「探索」は、「未知かつ有用なモノ/コトを積極的に見出すこと」と換言できよう。
ダニエルさん曰く、ビジネススクールは戦略のアプローチには「活用」と「探索」の二つがあると説いているとのことだが、私の換言、理解が誤りでなければ、アプローチが「活用」と「探索」の二つあるのは戦略に限らない。
同じビジネスでは商品開発のアプローチが正にそうだし、プライベートでも音楽鑑賞が正にそうだ。
エリック・クラプトンが「『今回で最後』詐欺」(失礼・笑)を今年も犯して4月に来日するようだが、これは個人の、それもとりわけオヤジの音楽鑑賞がいかに「活用」のアプローチに偏っているか、はたまた、オヤジがいかに「探索」のアプローチに非積極的か、を証明すると共に、音楽鑑賞におけるこれら二つのアプローチの存在を証明しよう。

ダニエルさんの唱えで成る程に感じたのは、リーダーであれ意思決定者であれ、そもそも我々人間は「探索」より遥かに「活用」のアプローチを選好する生き物であること、及び、その主因は「探索」が脳に意識的かつ追加的な集中を強いる一方、「活用」は脳に、懐メロ鑑賞や元カノ情事(笑)に通じる、期待値確定的な気持ち良さ、快適さを恵むことにある、との論だ。
ビジネスとその競合がワールドワイド化した今、とりわけ商品開発で珍重、重視、期待されるのが「持続的イノベーション」ではなく、「破壊的イノベーション」であるのは周知だが、依然殆どの企業が前者を選好し、後者に手をこまねいて、否、事実上スルーして、いる。
これまで私は、この根本原因を専ら会社が社員のリスクテイクに不寛容、又は(並びに)、非奨励的なこと、即ち、経営の手法の問題と考えていたため、脳科学や人間生理学の問題に言及した本論が成る程に感じられたという訳だ。

「どうしたら、クラプトンを聞きに武道館へ行く代わりに、未来のクラプトンを見つけに街のライブハウスへ出向くものか。
どうしたら、元カノの家へ焼けぼっくいに火をつけに行く代わりに、新カノを探しに街へ出るものか」。
破壊的イノベーションが待ったなしの企業の経営者は、社員に、そして、自分に、先ずこう問うと良いだろう。(微笑)



フォーカス
ダニエル・ゴールマン
日本経済新聞出版社
2015-11-26

 

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