【洋画】「ヒトラー 最期の12日間/Downfall」(2004)【邦画】「おしん」(2013)

2016年01月18日

【洋画】「ランボー/First Blood」(1982)

[ひと言感想]
ランボー(演:シルヴェスター・スタローンさん)の報復は明らかにやり過ぎだが、本人からするとやり足りない位だろう。
一個人からすると、国家や時代は絶対君主に等しい。
絶対君主への隷属により翻弄された人生と、その果ての悲哀、屈辱、地獄
ランボーからすると、これらを思えば、本当はこんなものではないだろう。

この手の話で難しいのは、被害者も加害者も決定的には存在しないことだ。
たしかに、取ってつけた罪でランボーを逮捕、勾留したばかりか、屈辱的かつ最初に仕掛けた(=first blood)ティーズル保安官(演:ブライアン・デネヒーさん)に、落ち度はある。
「この町では自分が法律だ」。
こうランボーに断言したティーズルに、国家権力者特有の勘違いがあったのは明らかだが、先の一連の行為も、「市民の平和安全を守るべく、事件を未然に防ぎたい」との公僕意識とその拙速と解釈できないこともない。
また、ティーズルの公務に協力的に応えなかったランボーにも、落ち度はある。
たしかに、過剰やウザさは公務の常であり、それをいなすのが大人の作法だが、それを当時のランボーに望むのは酷だろう。
要するに、ランボーにもティーズルにも、ひいては、いずれの個人にも、独自の事情があり、かつ、それは他者には完全には窺い知れず、これが時に話を、全員が加害者かつ被害者の、厄介かつ不毛なものにしてしまう、ということだ。
人は社会でのみ生きられるが、他者の居る社会でしか生きられないからこそ、苦しさと難しさから逃れられないのかもしれない。


ランボー [DVD]
出演:シルヴェスター・スタローン、ブライアン・デネヒー、リチャード・クレンナ
監督:テッド・コッチェフ 
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2015-06-24




kimio_memo at 07:35│Comments(0)TrackBack(0) 映画 

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