2015年07月17日
【第86期棋聖戦/第四局】「投げない」羽生棋聖、前人未到の8連覇を果たす
[ひと言感想]
勝負の女神が微笑んだのは、▲6三歩(69手目)を失着と自覚するや否や、恥も外聞も悔しさもかなぐり捨てて、▲6二歩成と最後の一歩を忽ち成り捨て、「今でき得る最善」の励行を絶やさなかった羽生善治棋聖でした。
なぜ、豊島将之挑戦者は衆目認める実力者であるにもかかわらず、90手目、△4七銀ではなく△5五角と最後のチャンス手を敢行できなかったのでしょう。
失礼と誤解を覚悟して言えば、△6八歩(74手目)を失着と自覚するも、以降、「もう引っ込みがつかない」の一点張りで指してしまったからではないでしょうか。
「決着までチャンスの残存、(再)到来を信じ、犯したミスや非はすぐさま認め、『今でき得る最善』の励行を絶やさない」。
トッププロとは、最後までチャンスも、勝負も、自分自身も投げない人を言うのかもしれません。
★2015年7月15日催行
http://live.shogi.or.jp/kisei/
http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/86_04/
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/86/kisei201507150101.html
勝負の女神が微笑んだのは、▲6三歩(69手目)を失着と自覚するや否や、恥も外聞も悔しさもかなぐり捨てて、▲6二歩成と最後の一歩を忽ち成り捨て、「今でき得る最善」の励行を絶やさなかった羽生善治棋聖でした。
なぜ、豊島将之挑戦者は衆目認める実力者であるにもかかわらず、90手目、△4七銀ではなく△5五角と最後のチャンス手を敢行できなかったのでしょう。
失礼と誤解を覚悟して言えば、△6八歩(74手目)を失着と自覚するも、以降、「もう引っ込みがつかない」の一点張りで指してしまったからではないでしょうか。
「決着までチャンスの残存、(再)到来を信じ、犯したミスや非はすぐさま認め、『今でき得る最善』の励行を絶やさない」。
トッププロとは、最後までチャンスも、勝負も、自分自身も投げない人を言うのかもしれません。
★2015年7月15日催行
http://live.shogi.or.jp/kisei/
http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/86_04/
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/86/kisei201507150101.html
■局後の感想
90手目、△4七銀
△4七銀に代えて△5五角▲同飛△4九馬を田中寅九段が指摘。以下▲6五飛△6四歩▲8一飛△6一銀▲4五飛△5八銀▲4九飛△同銀不成と進められて「これはまだまだ大変ですね」と羽生。後手はこの変化が最後のチャンスだったようだ。
※棋譜コメント(↓)から転載
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/86/kisei201507150101.html
90手目、△4七銀
△4七銀に代えて△5五角▲同飛△4九馬を田中寅九段が指摘。以下▲6五飛△6四歩▲8一飛△6一銀▲4五飛△5八銀▲4九飛△同銀不成と進められて「これはまだまだ大変ですね」と羽生。後手はこの変化が最後のチャンスだったようだ。
※棋譜コメント(↓)から転載
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/86/kisei201507150101.html
日本将棋連盟モバイル@shogi_mobile鈴木大介八段>【総括】中盤は先手が少し形勢を損ねていたのかもしれません。▲6三歩△6一金にどうもしっくりくる手がないと見たのでしょう。本局はそこで▲6二歩成と打ったばかりの歩を捨てるというギアチェンジが生んだ勝利かもしれません。 http://t.co/f3HhivH1Mb
2015/07/15 19:02:59
日本将棋連盟モバイル@shogi_mobile鈴木大介八段>【総括2】仮に本局に負けたとしてもまだ第5局が残されていたのですが、最善を目指してそこで歩を成り捨てるという、羽生棋聖の精神力がすごかったです。
2015/07/15 19:03:13