2015年05月25日
【邦画】「昭和残侠伝 死んで貰います」(1970)
[ひと言感想]
「これよ、これよ喜楽の味は!」。
不義理に報いようと、本名を偽り、新入りの料理人として調理場に立っていた秀次郎にとって、自分が作っただし巻きを義理の母がこう頬張るさまは、正にかえ難い喜びだったのでしょう。
そして、そう思えるから、否、そう思い切れるからこそ、秀次郎は何事にも人情より義理を重んじ、貫いたのでしょう。
義理を重視、貫くのは業であり、だからこそ、人はそのさまと実行者に一蓮托生を望むのでしょう。
三島由紀夫さんと楯の会の同志が市ヶ谷に向かう車中、「唐獅子牡丹」を合唱した理由が、初めて少し分かった気がしました。
「これよ、これよ喜楽の味は!」。
不義理に報いようと、本名を偽り、新入りの料理人として調理場に立っていた秀次郎にとって、自分が作っただし巻きを義理の母がこう頬張るさまは、正にかえ難い喜びだったのでしょう。
そして、そう思えるから、否、そう思い切れるからこそ、秀次郎は何事にも人情より義理を重んじ、貫いたのでしょう。
義理を重視、貫くのは業であり、だからこそ、人はそのさまと実行者に一蓮托生を望むのでしょう。
三島由紀夫さんと楯の会の同志が市ヶ谷に向かう車中、「唐獅子牡丹」を合唱した理由が、初めて少し分かった気がしました。
【花田康男(演:下沢広之/真田広之さん)】
お腹すいたー。
なんかなーい?
【菊治/花田秀次郎(演:高倉健さん)】
ありますよ、お坊ちゃん!
(調理が終わったばかりのだし巻きを見せる)
【康男】
だし巻きかあ!
【菊治】
今日は、あっしが作ったんです。
一つ、食ってみますか?
へい。
(皿に盛り、手渡す)
【康男】
(頬張る)
【菊治】
味はどうですか?
【康男】
うまいよ。
【菊治】
本当ですか?
お世辞は嫌ですよ。
【康男】
ううん。
本当に旨いよ。
【菊治】
そうですか。
そりゃあ、よかった。
【風間重吉/「喜楽」板長(演:池部良さん)
じゃあ、もうひとつ。
はい、大きいのを!
(皿に盛り、手渡す)
(女将にも皿に盛る。女将の居る座敷に向かう。)
【菊治】
(不安気な顔をする)
【重吉】
おかみさん、(このだし巻き)菊が作ったんです。
味を見ておくんなさい。
【花田お秀/料亭「喜楽」女将&秀次郎義母(演:荒木道子さん)】
(失明の手で、そおっと皿の上のだし巻きを手に取り、頬張る)
【重吉】
イケると思うんですがねえ。
【お秀】
これは、本当に菊さんが作ったんです?
【重吉】
ええー。
【お秀】
(笑顔で)
これよ、これよ喜楽の味は!
【重吉】
よかったなあ。
褒めてやりましょう。
(調理場に戻り、秀治郎に向かう)
ヒデさん、血だなあ。
●
義理と人情を秤にかけりゃ
義理が重たい男の世界。
幼なじみの観音様にゃ
俺の心はお見通し
背中で吠えてる唐獅子牡丹
kimio_memo at 07:09│Comments(0)│
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