【洋画】「恋におちたシェイクスピア/Shakespeare in Love」(1998)【第73期名人戦/第一局】羽生名人、「貫禄」かつ名人戦史上最短手数で緒戦を制する

2015年04月09日

【邦画】「男はつらいよ 第13作 寅次郎恋やつれ」(1974)

[ひと言感想]
自分を振り返って考えるに、肉親間の愛情の齟齬は血縁の皮肉です。
「血縁に甘えて、意思の疎通と共有を怠った、不本意かつ当然の報い」という訳です。
修吉、歌子親子の涙の和解から気づかされたのは、肉親こそ恥も外聞もない、要らない、ということ。
肉親足る者、「先に話しかけた者勝ち」、そして、「先に謝った者勝ち」に違いありません。


男はつらいよ 寅次郎恋やつれ〈シリーズ第13作〉 4Kデジタル修復版 [Blu-ray]
出演:渥美清、吉永小百合、高田敏江、宮口精二
監督:山田洋次
松竹
2019-12-25




【さくら(演:倍賞千恵子さん)】
あのう・・・お父さん、元気?

【歌子(演:吉永小百合さん)】
ええ、多分。

【さくら】
最近、お会いになったの?

【歌子】
(顔を横にふる)

【さくら】
でも、(ご主人の)お葬式の時は?

【歌子】
こんなこと聞いたらさくらさん吃驚なさるかもしれないけど、正圀さんが亡くなった時、すぐそのことを父に速達で知らせたら、返事が来て、それも葉書でね、「仕事中だから行けない。お前は葬式が終わったらすぐ帰って来い」って。
たったそれだけ。
いくら私たちの結婚が気に入らなかったと言って、せめてお葬式の時ぐらい・・・。
だってそうでしょう、普通の父親だったら
たとえば、さくらさんの叔父さんだったら、すぐにでも飛んで行って、「辛かっただろうな」って慰めてくれるはずよ。
私の父には、そんな父親らしい愛情が欠けてるのよ。

【さくら】
でも、それはお父さんの性格で、心の中ではきっと歌子さんのことを・・・

【歌子】
だけどね、いくら心の中で思ってても、それが相手に伝わらなかったら、それを愛情って言えるかしら
私、今父に会いたいと思わないの。

【さくら】
(無言でうなだれる)



【寅次郎(演:渥美清さん)】
ところで、どうなったい、その返事は?

【修吉(演:宮口精二さん)】
「返事」というと?

【寅次郎】
だから言っただろう。
歌子ちゃんの前に両手をついて、「私が悪うございました お許しください」って言えるかどうかって

【修吉】
そんなことが言えるか。
謝るのは私じゃなくて、歌子の方なんだ。


【寅次郎】
うん、わかった。
俺は最初会った時からね、あーこの男は話し合えない人間だなってそう思ったんだよ
歌子ちゃんも可哀想だよ、こんな父親持ってさ。



【歌子】
(涙ぐみながら)
お父さん。

【修吉】
うん?
何だ?

【歌子】
長い間、心配をかけてごめんなさい。

【修吉】
いや・・・何も君が謝ることはない。
謝るのは、多分私の方だろう
私は口が下手だから、何と言うか、誤解されることが多くてな。
しかし私は、君が自分の道を・・・自分の信ずる道を選んで、その道を真っ直ぐに進んで行ったことを・・・嬉しく・・・嬉しく・・・私は・・・本当に・・・嬉しく・・・(号泣)

【歌子】
あたし・・・もっと早く、お父さんに会いに行けば良かったのにね・・・
ごめんなさいね。
(号泣) 
ごめんなさい・・・


kimio_memo at 06:45│Comments(0) 映画 | -男はつらいよ/寅さん

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
【洋画】「恋におちたシェイクスピア/Shakespeare in Love」(1998)【第73期名人戦/第一局】羽生名人、「貫禄」かつ名人戦史上最短手数で緒戦を制する