2015年03月13日
【邦画】「男はつらいよ 第9作 柴又慕情」(1972)
[ひと言感想]
「たとえ家族であれ、他者と不幸をシェアしても、互いに幸福には成れず、不毛である」。
「過保護の原因は、保護者の勝手な『後ろめたさ』と『思い込み』である」。
「『意気地の無さ』は、「優しさ』の裏返しである」。
博(演:前田吟さん)の説教はいずれも尤もで、授かった歌子(演:吉永小百合さん)の運命が変わったのは当然です。
人の運命は、無言有言の別無く、然るべき時期に尤もな説教を授かれるか否かで決まります。
「たとえ家族であれ、他者と不幸をシェアしても、互いに幸福には成れず、不毛である」。
「過保護の原因は、保護者の勝手な『後ろめたさ』と『思い込み』である」。
「『意気地の無さ』は、「優しさ』の裏返しである」。
博(演:前田吟さん)の説教はいずれも尤もで、授かった歌子(演:吉永小百合さん)の運命が変わったのは当然です。
人の運命は、無言有言の別無く、然るべき時期に尤もな説教を授かれるか否かで決まります。
【さくら(演:倍賞千恵子さん)】
焼き物って言うと、こういうお皿とかお茶碗とか、そういう物を作るお仕事?
【歌子(演:吉永小百合さん)】
ええ、ロクロにかけて素焼きをして、それから絵付けをして。
なかなか大変な仕事なんだけど、彼はまだ修行中で、一人前じゃないの。
【さくら】
じゃ、その方と結婚するっていうことは、愛知県の、それも窯場の在る様な、田舎で暮らすことになるわねえ。
【歌子】
ええ。
父は彼の将来性が無いとか、口のきき方が気に入らなかったとか、色々言っているんだけれど、結局私を傍から離したくないのよ。
【さくら】
そりゃそうでしょうねえ。
【歌子】
なにしろ、普通の男の人と違って、ウチの父は、一人じゃお湯も沸かせないのよ。
【さくら】
そう。
【歌子】
今頃、どうしているかしら。
ちゃんと御飯食べてるのかしら。
ごめんなさい、何だか愚痴こぼしに来てしまったみたいで。
【さくら】
そんなことないわよ。
【博(演:前田吟さん)】
僕も、一人暮らしの親父が居ますから、よく分かりますよ。
【歌子】
じゃ、お母さまは?
【さくら】
去年亡くなったの。
【博】
しかしなあ、さくら。
【さくら】
えっ?
【博】
誰かが傷ついたり、寂しい思いをしたりしたとしても、仕方が無いことだってあるんじゃないのかなあ。
【さくら】
どういうこと?
【博】
うん。
仮にだよ、歌子さんがお父さんの為に、結婚を諦めたとしても、誰も幸せになる訳じゃないだろ。
【歌子】
そりゃ、そうかもしれないけど、でも、私の場合は母が居ないし、それに父はあんな我儘な人間で、とても一人暮らしなんか・・・
【さくら】
そういうことのできない人なんでしょう。
【歌子】
それができる位ならねえ・・・
【さくら】
ねえ・・・
【博】
そうかなあ。
僕はそうは思わないなあ。
あなたができないと思い込んでるだけなんじゃないですか。
あなたのお父さんは、それに耐えていけるはずですよ。
大丈夫ですよ。
【歌子】
そうかなあ。
【さくら】
でも、辛いわよねえ。
【歌子】
えっ?
【さくら】
私の時なんかね、その点、両親共居なかったから、そんな苦労無かったけど・・・
【博】
兄さんが居て、反対してたじゃないか。
【さくら】
あんな、お兄ちゃんなんか!
【博】
でも、あのお兄さんが反対したのがキッカケみたいなもんなんだよ。
【さくら】
だって、無茶苦茶言ってただけじゃないの。
【博】
いや、無茶苦茶言って反対したからこそ、僕はカーッとなってプロポーズしたんじゃないか!
【さくら】
何言ってんの、今頃になって。
【博】
つまり・・・馬鹿だなあ!
つまりさ、今の歌子さんに必要なのは、そういうキッカケみたいなもんじゃないかって・・・
【さくら】
ああ、それはそうねえ。
【博】
そうだろう!
【歌子】
(笑いながら)
私、さくらさんが羨ましいわ。
【さくら】
うん?
何が?
【歌子】
あなた達から見たら、私なんて意気地の無い女でしょうねえ。
くよくよ迷ってばっかりで。
何だかみっともないわね。
【さくら】
そんなこと。
【博】
良いじゃありませんか、みっともなくったって。
それはあなたが、優しい人だからですよ。
幸せだなあ、あなたのお父さんは。
【歌子】
そうかしら・・・
(下を向いて、照れ笑いする)
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