2015年03月04日
【洋画】「ゴッドファーザー/The Godfather」(1972)
[ひと言感想]
「ゴッドファーザー」の父の襲撃来、マイクが「ボンボン」から自ら「ゴッドファーザー」に変貌していくさまは、改めて鳥肌モノでした。
やはり、人は不意に逆境に遭い、「守るべきもの」を一人背負わされると、良い方にも悪い方にも変貌するし、また、変貌せざるを得ません。
不意の逆境と孤独は成長の劇薬です。
コッポラ監督の音声解説は気づきと学びの宝庫でした。
本作が、そもそもは大して期待もされず、低予算(←250万ドル)で制作を強いられていた(→最終的には650万ドルまで増額。ちなみに、パート2は1100万ドル)ばかりか、当初監督交代の危機に幾度と無く直面していた事実から改めて気づかされたのは、不意の逆境と孤独は成功の劇薬でもある、ということです。
また、人間ドラマをカットしなかった2時間45分のオリジナル編集が最終的に採択され、成功を博した事実から改めて学んだのは、感動マーケティングの要所はフレーム(骨組み)ではなく、たとえ客観的には(≒非対象ターゲットには)冗長であれ、人間の情感をありのままに訴えることである、ということです。
道理で劇薬は苦く、情状は裁判で酌量される訳です。
「ゴッドファーザー」の父の襲撃来、マイクが「ボンボン」から自ら「ゴッドファーザー」に変貌していくさまは、改めて鳥肌モノでした。
やはり、人は不意に逆境に遭い、「守るべきもの」を一人背負わされると、良い方にも悪い方にも変貌するし、また、変貌せざるを得ません。
不意の逆境と孤独は成長の劇薬です。
コッポラ監督の音声解説は気づきと学びの宝庫でした。
本作が、そもそもは大して期待もされず、低予算(←250万ドル)で制作を強いられていた(→最終的には650万ドルまで増額。ちなみに、パート2は1100万ドル)ばかりか、当初監督交代の危機に幾度と無く直面していた事実から改めて気づかされたのは、不意の逆境と孤独は成功の劇薬でもある、ということです。
また、人間ドラマをカットしなかった2時間45分のオリジナル編集が最終的に採択され、成功を博した事実から改めて学んだのは、感動マーケティングの要所はフレーム(骨組み)ではなく、たとえ客観的には(≒非対象ターゲットには)冗長であれ、人間の情感をありのままに訴えることである、ということです。
道理で劇薬は苦く、情状は裁判で酌量される訳です。
出演:マーロン・ブランド、アル・パチーノ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2014-09-10
【フランシス・フォード・コッポラ監督(※音声解説)】
私は全撮影を終え、サンフランシスコに戻った。
そこで編集をするはずだったからね。
そして作業を始めたが、長時間の作品になるのは明らかだった。
場面や登場人物が多く、時代も移る。
ロバート・エヴァンスからは、こう指示されていた。
「作品を我々に見せる場合に、2時間15分以上になるなら、編集はロスでするように」。
だが私は、サンフランシスコで編集したかった。
家に近かったからだ。
1回目の編集では、2時間45分の長さになり、すごく心配したよ。
この長さだと、製作者たちが編集に参加してくると思った。
2時間15分を優に超えているから、編集もロスになる。
そこで再度見直し、できる限り削除していった。
物語に影響の無い部分をね。
結局、2時間20分ほどに収め、何とかなると思った。
5分くらいは、大目に見てくれるはずだ。
だがロスに作品を送ると、お叱りの電話が来た。
「人間ドラマが削除されている」
「個性も何も無い。在るのは物語の骨組みだけだ」
「時間は良いが、最高の部分が消えてる」
「ロスにフィルムを送れ」
私が理解していなかったのは、フィルムは長さに関係無く、ロスに送られるということだった。
私がロスに行くと、ロバート・エヴァンスから削除した部分を戻す指示が出た。
基本的には全部元に戻した。
2時間45分から削除した全てをね。
シーンを削除して時間を短くしたのは、サンフランシスコに留まり、ロスに行かないための苦肉の策だったんだ。
短縮するのは嫌だったが、仕方が無いと思っていた。
今でもロバート・エヴァンスは自慢げに言うが、彼が名場面を元に戻せと言ったから、今の本作がある。
それは全く本当だ。
指定の2時間15分の枠に収めた本作を見た彼が、情感のある人間ドラマのシーンが必要だと言ったんだ。
勿論、元に戻すには簡単だ。
それが本来の姿だからね。
だがそこで確実になることがある。
つまり、私がロスで作業をする、ということだ。
地元のサンフランシスコには居られなくなる。
私はジェームズ・カーンのメードの部屋を借りた。
それは、出費を抑えて、家族を養うためだった。
面白いのは、「ゴッドファーザー」は大金を稼ぐという内容があるが、その映画を作りながら、私は小さな部屋に住んでいたんだ。
ジェームズ・カーンのメードの部屋に住んでいた私が、成功していったのはシンデレラ・ストーリーだね。
(中略)
本作の編集をしている時、「フレンチ・コネクション」が公開され、見に行ったんだ。
迫力があって、素晴らしい作品だった。
ジーン・ハックマンが最高で、ロイ・シャイダーも良かった。出演:ジーン・ハックマン、ロイ・シャイダー監督:ウィリアム・フリードキンウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社2018-03-16
それと見比べて思ったよ。
「『ゴッドファーザー』は、暗くて長く、退屈な作品だ。男たちが座って話す場面ばかり」。
編集補佐も、リールを巻きながら、「同感だ」と。
たしかに映画作品には、それぞれ独自の個性というものがある。
だから、特別なことをしなくても、観客を引きつけられるものだが、本作の成功には正直かなり驚いた。
この映画がありのままで受け入れられたことにね。
今、改めて本作を見ると、最高のストーリーと名優たちとスタッフのお陰で完成したことに気づく。
本作は、ギャング映画を個人的なレベルで描いた珍しい作品だよ。
イタリア系アメリカ人の描写もリアルだ。
本作が公開され、大成功を収めた時、我々は一同に介し、そこにマリオ・プーゾも居た。
またニューヨークの友人たちも居て、その一人がマリオを指さし、「君が有名になれたのは、彼のお陰だぞ」と言った。
マリオ・プーゾは楽しい人だ。
飾り気の無い人柄で、話も的を射ているし、知識も豊富だ。
凄く良い人だった。
惜しい人を亡くしたよ。
「ゴッドファーザー」は、殆ど全てが原作本を基に作られている。
原作を読んでいて、一番心に伝わってくる印象やイメージが、正にこのラストシーンの光景に集約されている。
映画では、全ての要素が完璧に揃うことがある。
本作はキャストも素晴らしく、最高の作曲家による音楽と優秀なカメラマンに恵まれ、プロダクション・デザイナーも衣装担当も有能で、原作本も最高だ。
私の功績は何かと聞かれれば、「彼らを選んだこと」だね。
kimio_memo at 07:45│Comments(0)│
│映画