【第64期王将戦/第四局】郷田挑戦者、持ち前の深い読みと手厚さで「蝮のと金」「と金の遅速」を具現し、二勝二敗のタイに【邦画】「男はつらいよ 第5作 望郷篇」(1970)

2015年02月19日

【BSJAPAN】「久米宏・未来への伝言 ニッポン100年物語 第4章:バカ 『型破り』が明日をつくる」中野信子さん、糸井重里さん

【糸井重里さん】
選手の「バカ」と監督の「バカ」と二種類あったとすると、選手の「バカ」は日本でも育ってますね。

【中野信子さん】
そうですね。

【糸井さん】
たとえば、広島に居た前田(智徳)さん、ホームラン打っても、にこりともしなかったって。
「何か打ち方、気に入らなかった」みたいな。
それって、選手の「バカ」じゃないですか、要は。
すごいけどね。
(※頭の上を手でかざして)コッチの「バカ」が欲しいなあ。

【中野さん】
指揮官の方(の「バカ」)ですね。
そういう人、たしかに日本では出難いですよね。

【久米宏さん】
指揮官っていうのは、「バカ」を振るい落とすフィルターを何枚も通っていかないと指揮官に成れないでしょ。

【中野さん】
いや実はね、これ違うメカニズムだと思います。
選手一人がどんなに努力しても、それは優れた選手にしか成らないんですね。
で、それをするの、日本人はとても得意です。
自分の良くない所をアレコレ見つけて、こうしてこうして、っていう努力というのはとても得意なんですけども、指揮官の「バカ」というのは、何人も犠牲にしないといけませんね。
これを、何人も犠牲にするのをよしとするか、それとも、「やっぱり気になるからみんなの為に僕はお利口でいよう」とするという性質っていうのがですね、「良心の領域」というのが脳には在ります。

【ナレーション】
「良心の領域」と呼ばれるのは内側前頭前野。
自分の行動が他人に迷惑をかけていないか、チェックする部分です。
内側前頭前野が機能すると、「部下を犠牲にしてはならない」と思う為、「バカ」な指揮官には成れません。

【中野さん】
だけども、100人に1人はそれを持っていない人が居る。

【久米さん】
持ってない。

【中野さん】
持っていない人が居る。
凶悪犯罪なんかが起こる時に「サイコパス」というのは聞いたことがありますよね。

【久米さん】
サイコパス、はい。

【中野さん】
サイコパス(正常とされる人格から逸脱した人)と呼ばれる人です。
このサイコパスの素質が良い方に向かうと、良い、所謂「バカ」の指揮官として、優れた戦績を残すことができる。

【糸井さん】
居ない人の悪口を言うことになってしまうかもしれないけどスティーブ・ジョブズみたいな話とかって聞くと、いわば、(社内に)アイデアの死体がゴロゴロ転がる訳ですよね、(社員が)色んなことをやった努力を「ダメー!」ってやってる訳じゃないですか。
だから、(アップルは優れたイノベーションが)できたみたいな。
それ、日本ではホント少ないですよね。

【中野さん】
少ないですね。
「一将功成りて万骨枯る」というのをよしとするかしないかの違いですよね。
ジョブスはそれができる人だと思いますね。

「未知かつ奇想天外なアイデアをこよなく愛し、具現のためには寝食を忘れた試行錯誤に加え、失敗や謂れ無き他者評価も何のその、の人」。
本番組の言う「愛すべき『バカ』」とは、こんな人のことだろう。
番組は様々な分野の「バカ」を紹介、賞賛したが、たしかに彼らは社会に必要だ。
もし、エジソンが居なければ、私たちは家で音楽や映画を楽しめなかったであろうし、そもそも安心安全に夜更かし(笑)できなかったであろう。
しかし、我が国日本では、彼らは非常に少ないばかりか、糸井重里さんの指摘する通り、たしかにリーダーやマネージャーのレベルだと皆無に等しい。
なぜ、日本には、選手の「バカ」はかろうじて存在しても、監督の「バカ」は殆ど存在しないのか。

「日本の監督は『良心回路』が高機能過ぎて、選手を犠牲にできないからだ」。
中野信子さんの回答は成る程だ。
キカイダーではなく(笑)人間の「良心回路」を司るのが「内側前頭前野」との脳内領域なのは未知だったが、たしかに、未知かつ奇想天外なアイデアの具現には試行錯誤と失敗が付き物であり、しかも、監督としてチームで具現させるとなると、選手を道連れにし、憂き目に遭わせる確率が、即ち、「選手を犠牲にする」確率が、非常に高い。
監督が、優れモノの良心回路を持つ余り、一般の他者以上に配下の部下を犠牲にできないのは、当然かもしれない。



とはいえ、日本人監督の、否、そもそも日本人の良心回路は、本当に優れモノなのだろうか。
というのも、日本人の良心は基本、とりわけ311後、以下のツイートの如く絶えず馬脚を現しているように、「利己」と「保身(責任&リスク回避)」と「二枚舌」を旨とする偽善だからだ。


良心に基づき善行を選好することは悪くないし、正に善いことだ。
しかし、そもそもの「善」の概念が偽りなら、その具現である善行は本当の善行ではないし、良心は優れモノ足り得ない。
「日本の監督は『保身回路』が高機能過ぎて、挙句に恨みを買い、仕返しされたり、吊るしあげられたりすることを杞憂する余り、選手を犠牲にできないからだ」。
私は、中野さんの主張を完全否定する訳ではないが、本件のより正しい回答をこう考える。

ちなみに、私は、スティーブ・ジョブズが数多の部下を犠牲にできたのは、サイコパスだったから、「良心回路」や「保身回路」が低機能過ぎたから、というより、ただ合理的だったから、だと思う。
プロジェクトに失敗した部下を解雇し、彼らや彼らの家族を路頭に迷わせること、並びに、彼らの恨みを買うことは、より適任の部下や新しい経営者にプロジェクトにあたらせ、イノベーションの成功確率を高めること、ひいては、会社と社会の笑顔を増やすことに比べれば知れていると、保身と情に棹させることなく合理的に判断、独り合点できた、のだと思う。
この推量が正しければ、ジョブズをサイコパス呼ばわりする人こそサイコパスである。



★2015年1月25日放送分
http://www.bs-j.co.jp/nippon100_2015/



いつの時代も、突破口を開いてきたのは、バカのチカラだったのかもしれない・・・
 
“バカ”とは、単なる愚か者のことではありません。 凡人には思いも寄らない奇想天外な発想力や、驚愕の忍耐力、こだわりで困難に立ち向かっていく人たちのことです。
そして、その常識にとらわれない発想や実行力は、いずれ時代を変革する原動力になることもあります。
今回は、そんな常人には成し得ない方法で、時代を突破した者たち、言うなれば、“大いなるバカ”を存分に愛でる「バカの100年」です。 

久米さんとゲストのふたりが、様々な分野におけるバカたちのエピソードや、後の時代の評価、その足跡の大きさを讃えながら、バカの必要性や価値を語り合います。
そこまでやる?!という異常なこだわりが生み出した、大ヒット商品や、国家が実際に計画していた、壮大すぎる列車計画など、バカの力で実現したものから、そもそも発想がバカバカしすぎるものまで、日本を彩った数々のバカエピソードを紹介。
日本は100年の中でどんなバカを生み出し、彼らが何を変えて来たのか。
輝かしいニッポンの未来は、バカのチカラにかかっている?
 
出演者:久米宏、糸井重里、中野信子


kimio_memo at 07:25│Comments(0) テレビ 

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