【邦画】「男はつらいよ 第31作 旅と女と寅次郎」(1983)【野球】「野球の本当のこと、ぜんぶ話そう!」工藤公康さん

2014年06月09日

【経営/人物伝】「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」ジェフ・ベゾスさん(Amazon.com創業者/CEO)

P50
モノを売って儲けているんじゃない

(中略)

6月に入るとレビュー機能が登場する。カファンが週末2日間で完成させたものだ。ペゾスは、ユーザーが書いた書評が他サイトより多くなれば他のオンライン書店に流れる顧客が減り、アマゾン・ドット・コムのプラスになると考えていた。ただ、ユーザーがなんでも好きに書けるようにすると問題が起きる可能性もあり、その点についてはみんなで検討を重ねた。最終的には、検閲後に公開するのではなく、ひどいレビューがないかチェックする形とした。

(中略)

当然のことながら、否定的なレビューが書かれることもある。のちにペゾスは、講演で、君の仕事は本を売ることであって本にけちを付けることではないと怒りの手紙を出版社の役員からもらったときのことを取りあげこう語った。

「我々はまったく違う見方をしていました。その手紙を読んだ瞬間、『我々はモノを売って儲けているんじゃない。買い物についてお客が判断するとき、その判断を助けることで儲けているんだ』と思いました」

「『商品を売って』儲けるのではなく、『後悔しない最善の買い物になるか、お客が納得して最終判断できる手助けをして』儲ける」。
これはアマゾンに限らず、全ての小売業者、販売業者の本質、かつ、根源価値であって然るべきだ。
お客さまは詰まる所、モノが欲しいのではなく、モノを買って勝ち得る肯定的な心情変化が欲しいのだ。
モノの売り手は、その心情変化に責任を持つのが本分であり、それに見合った報酬をお客さまから利益として授受すべきなのだ。


P234
ピザ2枚チームで対処せよ

1990年代末の管理職研修で、中間管理職のチームが経営陣に対し、大組織につきものの問題についてプレゼンテーションをしたことがある。さまざまな部門の調整が難しいという問題をなんとかしたいと考えた彼らは、部門間の対話を推進する仕組みをいろいろと提案して胸を張った。ジェフ・ペゾスが口を開く。顔は真っ赤で青筋が立っていた。

「言いたいことはわかるが、それは大まちがいだ。コミュニケーションは機能不全の印なんだ。緊密で有機的につながる仕事ができていないから、関係者のコミュニケーションが必要になる。部門間のコミュニケーションを増やす方法ではなく、減らす方法を探すべきだ

(中略)

この会議でも、また、その後の各種講演でも、ペゾスは、分散・分権と自律的な意思決定を中心にアマゾンを経営するのだと力説する。

「ヒエラルキー型の組織では、変化に対応しきれません。いまもときどき、ほかの人になにかをしてもらおうとするのですが、それがうまく行くようなら、望んだような会社になっていないのかもしれません」

ちょっとわかりにくいかもしれないが、ペゾスが言いたいのは、「関係者の調整は時間の無駄である。問題解決に一番適しているのは問題に直面している人々だ」ということである。

(中略)

ペゾスらスタートアップ創業者は、テクノロジー界の先達から教訓を学んだ。マイクロソフトは中間管理職が何層も重なる上意下達の経営スタイルを採用した結果、意思決定は遅くなり、イノベーションは生まれにくくなってしまった。ワシントン湖対岸にいるソフトウェア界の巨人がそういう状況だというのは、アマゾン経営陣にとって、なにを避けるべきかを示すネオンサインがあるようなものだった。

コストを削減するため、中間管理職を増やせなかったという面もある。2000年に株式市場が暴落したあと、アマゾンはレイオフを2回行った。だが、ペゾスは採用をやめたくなかった。もっと上手に採用したいと考えたのだ。だから、採用条件をわかりやすい言葉で表現した。会社の実績を直接的に高める人でなければならない、と。欲しいのはエンジニアや開発者、場合によってはバイヤーなど実働部隊となる人で管理者はいらないというわけだ。

「マイクロソフトのようにプログラムマネジャーばかりの組織にはなりたくない、チームそれぞれに起業家精神を持ってほしいと思ったのです」

こう指摘するシニアバイスプレジデントのニール・ローズマンは、次のような表現も使う。

「自律的な実働部隊はいいが、実働部隊を管理するものはいらない」

「そもそも部門間コミュニケーションは部門間の機能不全の表れであり、増やすことより先ず減らすことを考えるのが筋」とのジェフ・ペゾスさんの考えは成る程であり、示唆に富む。
たしかに、実際(良くできた)工場はラインが有機的に機能しており、担当者間の個別のコミュニケーションを必要としない。
部門間(=オンビジネスでの他者間)のコミュニケーションを増やすなら、その前に先ず、互いが本当に有機的に連携しているか否かを、更には、そもそも互いの職掌と本分、及び、その分担が本当に明確かつ合理的か否かを検証、対処するのが筋だ。

この「部門間のコミュニケーションの(量的、及び、質的)増加」は、経営及び業績のカイゼン施策としてよく採用、実施されるが、周知の通り、明確な成果をもたらすのは稀だ。
なぜか。
それは、ジェフさんが指摘、提唱する「筋」を無視しているからだ。
問題には悉く「筋」があり、それを無視し、表層的に対処するだけでは、根本的かつ持続的には解決し得ないのだ。

ジェフさんのこの指摘、提唱は、物事を合理的かつ構造的に思考する習性、能力の賜物だが、その他にも、物事を歴史的かつ抽象的に思考する習性、能力の賜物でもある。
たとえば、アマゾンがクラウドサービスの先駆けとしてAWS(Amazon Web Services)をリリースした際、ジェフさんが担当責任者の主張、進言を無視し、価格を原価割れの業界ダントツ最低価格に設定したのは、創業来努めてきた自社のコスト構造の低さを頼りに、アップル(のスティーブ・ジョブズさん)がiPhone(=スマートフォン)を高利益商品としてリリースしたが為にレッドオーシャンを招いた二の轍を回避してのことだったと言う。
ジェフさんが兼ね備えているこうした習性、能力には、感心脱帽するほか無い。

だが、ジェフさんに対して私が一番感心脱帽するのは、また、とりわけ日本の企業経営者がまねぶべきは、グーグルやかつてのマイクロソフトにも通じる、徹底した独断的会社経営、即ち、独裁だ。
なぜか。
「ワークライフバランス」などとのたまってハードワークに二の足を踏む人材をシャットアウトしたり、「win-win」などとのたまって取引企業とのタフな交渉を躊躇する人材をこれまたシャットアウトするなど、「顧客第一主義」という自社のビジョンを達成するためには手段を選ばない、傲慢、顰蹙上等なジェフさんの独裁が、ITバブルとその崩壊、並びに、リーマンショックによる世界的不況を経ての、アマゾンのかれこれ20年に渡る持続的な成長、成功を最も支えてきたに違いないからだ。
企業に限らず、集団が成長、成功を果たすには、「達成すべき価値(基準)と目標が特定されたら、リーダーがその為にやるべきことをとっとと決め、全員で四の五の言わずとっととやる」のが最も肝心かつ有効なのだ。



ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者
著者:ブラッド・ストーン
翻訳:井口耕二
解説:滑川海彦 
日経BP
2014-01-09




kimio_memo at 07:36│Comments(0) 書籍 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
【邦画】「男はつらいよ 第31作 旅と女と寅次郎」(1983)【野球】「野球の本当のこと、ぜんぶ話そう!」工藤公康さん