【邦画】「男はつらいよ 第21作 寅次郎わが道を行く」(1978)【洋画】「オーシャンズ/Océans」(2009)

2014年05月26日

【邦画】「四月物語」(1998)

[ひと言感想]
たしかに、箱入り娘が世間を知るには、片思いの先輩との再会という女子ならではのたっての希望が、最強のインセンティブに成るに違いありません。(笑)
青春とは、人生のある期間を言うのではなく心の様相を、それも、他者からすると吹けば飛ぶような一つの希望に奇跡を信じてまっしぐらな心の様相を、言うに違いありません。


四月物語 [Blu-ray]
主演:松たか子
監督:岩井俊二 
ポニーキャニオン
2018-03-28




【卯月(演:松たか子さん)[※懐古/独白]】
去年の春、先輩は東京の大学に行ってしまった。
猛烈に悲しかった。

東京の武蔵野大学。
友人のオノダナツコに言わせると、有名な大学らしい。
でも、「武蔵野」という響きは、なんか先輩らしい気がした。
武蔵野、武蔵野。

私は国木田独歩の「武蔵野」を読んだ。

武蔵野 (新潮文庫)
国木田独歩
新潮社
1949-05-24


難しくてよく分からなかったが、以来、武蔵野という場所、武蔵野という地名が、私の中の重要なキーワードになった。
武蔵野、武蔵野、武蔵野。

だだっぴろい原野の中で、得意のギターを弾いている先輩の姿。
そんな映像が、壁の額縁の絵のように、いつも私の脳裏にこびりついて離れなくなってしまった。

受験勉強に明け暮れた夏休みの終わりの頃、東京に遊びに行っていた後輩のタキザワマリコが家にやって来た。

(マリコ「このカバー、誰がかけたか分かりますか?ヤマザキ先輩。先輩、そこの本屋さんでバイトしてたの」。)

「武蔵野」を包んだ茶色いカバーには、「武蔵野堂」という書店の名前が刷り込まれていた。

(卯月「そう、ありがとう。好きだったから・・・この本」。)

武蔵野の原野を彷徨っていた私は、ついに先輩の居場所を突き止めた。
武蔵野の武蔵野堂。
私は残り半年の高校生活の全てを、武蔵野に捧げた。

出来の悪い私が大学に合格した時、担任のモリヤマ先生は奇跡だと言って、祝福してくれた。
でも、どうせ奇跡と呼ぶなら、私はそれを愛の奇跡と呼びたい。







kimio_memo at 07:23│Comments(0) 映画 

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【邦画】「男はつらいよ 第21作 寅次郎わが道を行く」(1978)【洋画】「オーシャンズ/Océans」(2009)