【F1】「あの事故から20年。中嶋悟が語る『セナの素顔』」中嶋悟さん【邦画】「男はつらいよ 第22作 噂の寅次郎」(1978)

2014年05月08日

【野球】「意識力」宮本慎也さん

P31
普段の行動こそ、野球の原点

私の座右の銘は「野球即人道」である。

(中略)

野球に打ち込む姿は、人生に向き合う姿勢に等しい。しっかりした人間、強い人間になろうと努力しなければ、野球でもよいプレーなどできるはずがない。そういう意味だと理解している。高校生の頃はなんとなくしか分かっていなかったと思うが、年齢を重ねるごとに言葉の重みを感じていった。

(PL学園高校時代の恩師である)中村(順司)監督の教えは、PL学園の野球教育そのものだった。当時のPL学園は全寮制で、集団生活はとても厳しいものだった。

(中略)

周囲への気配り、目配りという部分でもだいぶ鍛えられたと思うが、忘れられないのが、中日で活躍した立浪和義さんの気遣いだった。

高校時代に監督から「おい、ちょっと爪切りを取ってくれ」と言われた時のことである。爪を切る刃の部分を自分のほうに向けるのは当然。驚いたのは爪切りをあらかじめ開いて渡して、すぐに爪を切れるようにしていたことである。

そこまで細やかな心遣いをできる十代がいるだろうか改めて「この人はすごい」と思った。この気配り、目配りというのは野球に通じる。守っている時はランナーの動きはもちろん、ランナーコーチであったり、相手ベンチの些細な動きから、次に何が起きるかを想像することができる。一言でいえば洞察力なのだが、野球をしている時だけで鍛えられるものではないはずだ。

立浪さんの気遣いは引退後の今も続いている。海外で一緒にゴルフを回った時のことだ。一緒にラウンドしていた人とホットドッグを買って食べたのだが、立浪さんは自分の紙ナプキンの上にケチャップの上澄みの透明な汁を出したうえで、ケチャップを適量つけて手渡したのである。こうした気遣いは間違いなく現役時代のプレーでも発揮されていたはずだ。

著者の宮本慎也さんと同様、立浪和義さんの気遣いは「この人はすごい」の一言に尽きるが、立浪さんの気遣いから強く窺えるのは、人の「ニーズ」の何たるかを正確に理解しておられることと、人の一挙手一投足や表情から「ニーズ」を迅速かつ正確に先読みする習性と能力を高次に兼ね備えておられることだ。
もし、立浪さんが中村順司監督のニーズを「爪の長さを野球や生活に支障の無いよう最適化すること」ではなく、「爪切りを手に入れること」と勘違いしていたら、宮本さんが推量するように、せいぜい刃の部分を自分のほうに向け、爪切りそのものを手渡して終わっていたに違いない。
「気遣い」で本当に大事なのは「気をつかうこと」ではなく、先ず「頭をつかうこと」だ。



意識力 (PHP新書)
宮本 慎也
PHP研究所
2014-03-14




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