2014年05月02日
【邦画】「男はつらいよ 第19作 寅次郎と殿様」(1977)
〔ひと言感想〕
「人にはそれぞれ事情はあれど、受けた世話には謝礼が決まり」。
寅次郎と殿様は「謝礼繋がり」(笑)です。
人格高潔、清廉潔白だから決まりごとを守るのか、決まりごとを守るから人格高潔、清廉潔白なのかはさておき(笑)、決まりごとの相通ずる人との縁ほどあり難いものはありません。
「人にはそれぞれ事情はあれど、受けた世話には謝礼が決まり」。
寅次郎と殿様は「謝礼繋がり」(笑)です。
人格高潔、清廉潔白だから決まりごとを守るのか、決まりごとを守るから人格高潔、清廉潔白なのかはさておき(笑)、決まりごとの相通ずる人との縁ほどあり難いものはありません。
【寅次郎(演:渥美清さん)】
おっ、おじいちゃんよ。
【殿様(演:嵐寛寿郎さん)】
ん?
【寅次郎】
ひょっとしたらその金、拾ったんじゃないのか?
【殿様】
天から降ってきたんじゃ
【寅次郎】
オレんだよ。
オレ上でな、銭勘定してたら、風が吹いてきて、パーッと飛ばされちゃったんだ。
どうもありがとう。
あ、そうだ、お礼にご馳走しよう、な。
おばあちゃんよ、そのラムネくれよ、2本。
【駄菓子屋のおばあちゃん】
はい。
【寅次郎】
はい、ご苦労さん。
(おばあちゃんから手渡されたラムネを殿様に謹呈する)
【殿様】
いやいや、左様な高価なものを。
【寅次郎】
いいんだい、いいんだい、拾ったら礼するのは決まりだよ。
さ、飲みな。
あー、うめえ。
どうだおじいちゃん、うめえか?
【殿様】
んー、なかなか甘露じゃのお。
【寅次郎】
カンロ?
おじいちゃん面白いこと言うなあ。昔の殿様みたいな口きくじゃねえか。
アンパンでも食うか?
よう、おばあちゃんよ、そのアンパンくれや。
いくらだ?
(中略)
【寅次郎】
(分かれ道)
えーっと、それじゃおじいちゃん、オレこれでな。
【殿様】
あーこれこれ。
【寅次郎】
ふふふ、何だよおじいちゃん。
【殿様】
(アンパンの包を差し出す)
このような高価なものをいただいたゆえ、そのお返しに粗餐を差し上げたい。
【寅次郎】
なんだい、ソサンて?
【殿様】
「粗末な食事」と言う意味です。
【寅次郎】
はあ、たくあんに茶漬けか何かか?
【殿様】
ついて来なさい。
★★★
【殿様】
(正座をし、相対しているまり子に話しかける)
(あなたの亡き夫の)克彦の父です。
【まり子(演:真野響子さん)】
(黙って頭を下げる)
【殿様】
まり子さん。
【まり子】
はい。
【殿様】
克彦が大変お世話になりました。
ありがとうございました。
(頭を深く下げる)
【殿様】
一目お会いした時から、私にはよく分かりました。
あなたが傍に居てくだすって、克彦はどんなに幸せ・・・
(ハンカチで顔を覆い、嗚咽する)
【まり子】
(同じく涙ぐみながら)
お父様、私もね、私も、幸せでしたよ。
★★★
【殿様(※寅次郎宛の礼状)】
拝啓、車寅次郎殿。
見上ぐれば梅雨空の合間にぽつぽつと青空の見ゆる季節と相成候。
大洲に戻りて早旬日を数うれど、貴家にてまり子に会いし日のこと、昨日の如く思い返され、のぶれば、寅次郎殿に折り入って願いの儀、之有り候えば・・・
一つ、大洲に戻りしより、心優しきまり子の面影胸裏を去らず。
大洲の屋敷にまり子を招き、父と呼び、娘と答えて暮らすこと能うれば、先短き年寄りの幸せ、これに過ぐるもの無しと存じ候。
一つ、まり子、克彦を失いて早三年、残る生涯を克彦の思い出に浸りて送るべきにあらず。
むしろ新しき伴侶を得、明るく楽しき家庭を築いて・・・
即ち、私の友人にして最も人格高潔、清廉潔白なる人物、車寅次郎君こそ、まり子の生涯の伴侶に最も相応しき・・・
