【洋画】「イン・ハー・シューズ/In Her Shoes」(2005)【洋画】「NINE」(2009)

2013年12月13日

【観戦記】「第72期名人戦A級順位戦〔第24局の6▲深浦康市九段△佐藤康光九段〕レンジでチン」椎名龍一さん

佐藤(康光九段)が温めていた6手目△4一玉について後日改めて聞いたところ、「この発想がひらめいたときには神様の啓示じゃないかと思ったのですが、それがよくなかったですね。温めたといっても2ヶ月ほどで、レンジでチンしたようなものでしたから」という感想だった。

佐藤康光九段は、6手目△4一玉を、先に行われた王座戦五番勝負第1局から発想され、本局まで温めておかれたという。

佐藤が6手目△4一玉を指そうと思ったのは2ヶ月ほど前に行われた王座戦五番勝負第1局の影響があったという。

その将棋は後手の羽生善治王座が6手目に△9四歩と早い端歩突きの趣向を見せた将棋だった。それを見て角換わりの序盤戦を洗い出していたところ、居玉で△5四歩と突いた将棋が佐藤の目に映り、そこで思いついたのが図から△5四歩と突く「△4一玉型+△5四歩」という布陣だったという。「非常にマッチングがいいのではないかと思えました。ひょっとしたらこのアイデアは将棋の神様からの啓示ではないかとさえ思いました」と佐藤は言う。

※「12月8日付〔第24局の2〕神様からの啓示」から転載

ただ、生憎この新発想は、本局では功を奏しなかった。
「レンジでチンしたようなもの」。
佐藤康光九段は、敢行するも不発に終わった新発想の感想を訊かれ、こう自虐なさったが、真意は以下だろう。

「『この発想は神様からの啓示であり、然るべき確証と成算が在るに違いない。生憎現時点では、それらは完全には顕在化、確認できていないが、神様の啓示ゆえ在るはずで、案ずるより産むが易しに違いない』と思考、判断して敢行したが、やはり早計かつ安直だった」。

たしかに、長く生き、かつ、特定の物事に専心していると、不意に神様が舞い降り、発展途上人の自分に啓示を授けてくれたと直感する瞬間が在る。
しかし、やはり、佐藤さんが仰るように、いかに神様からの啓示、恵みであったとしても、ひらめいた発想は確証と成算を完全に自己確認する必要があり、それこそ正に自己責任だ。
実行、具現しない発想は無意味だが、確証と成算を完全に自己確認せず実行、具現する発想は無効かつ怪我の元だ。



★2013年12月13日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/shimen/news/m20131213ddm012040005000c.html
http://mainichi.jp/feature/shougi/


kimio_memo at 14:49│Comments(0)TrackBack(0) 新聞将棋欄 

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