2013年11月19日
【BSNHK】「崩壊都市デトロイトで生きる」アンディ・ディドロシィさん
町を救おうという、大それた気持ちではないのですが、知恵と努力で病院や学校へ通う足を作り出せばと思っています。
町は人の集合体だ。
然るに、町が破綻したからといって、人はすぐには居なくならない。
人が居る、ということは、生活が在る、ということであり、交通インフラが要る、ということだ。
それも、とりわけ社会的弱者であり、次代への希望とも言える、学校へ通う児童や病院へ通う患者には要る、ということだ。
番組によると、デトロイトは破綻したが、学校へ通う児童や病院へ通う患者にはバスが、しかも、無料のバスが提供されている。
このビジネスを立ち上げたのは、若干25才の生粋のデトロイト市民、アンディ・ディドロシィさんだ。
ディドロシィさんは、上記の思いのもと、このビジネスを立ち上げ、今もなお遂行中だ。
具体的には、オフィス、スタッフ、バスは、格安ないしボランティア価格で調達。
バスは車齢30年と年代モノだが、スタッフに再整備され、かつ、地元アーティストにクールにリ・ペイントされ、若者ウケもゲット。
運営費用は、地元のビール祭りや名物レストラン巡りといった富裕層向けバスツアーを企画し、その利益を充当。
バスには「コンダクター」という世話人を配備し、玄関まで個別に送迎し、児童の安全と両親の安心を保障。
運転手も、運行エリア住民の個別の要望にできる限り耳を傾け、対応に努めている。
ビジネスとは、「特定の誰か」の「耐え難い問題」を解決して対価を得る営みだ。
そして、「特定の誰か」が明確になればなる程、また、「耐え難い問題」が必需であればある程、知恵と努力で遂行でき、かつ、有意義だ。
私は、ディドロシィさんにビジネスの原点と原理を改めて思い知らされた。
★2013年11月16日放送分
http://www.nhk.or.jp/documentary/aired/131116.html