【洋画】「リリィ、はちみつ色の秘密/The Secret Life of Bees」(2008)【邦画】「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」(1932)

2013年08月25日

【観戦記】「第72期名人戦A級順位戦〔第9局の4▲谷川浩司九段△三浦弘行八段〕谷川が香得」加藤昌彦さん

三浦(弘行八段)が用心深いのは有名で、この日の大阪は35度を越える猛暑だったが、セーターを持参していたという。
たぶん、対局室のエアコンが効き過ぎと感じた時に着るつもりだったのだろう。
ここまで考えるのはA級棋士の中で三浦くらいしかいない。
この用心深さが三浦将棋を形成する一端ではないか。

私は、三浦弘之八段(※8月16日付で九段昇段)がセーターを着て対局している光景は過去何度か見たことがあり、三浦八段がセーターを嫌いでないことや、比較的寒がりであることは想像できるが、これらはあくまで上着の着用が欠かせない冬場での話だ。
本件は、ただひと言、驚いたし、また、感心した。

私は、本局が行われた関西(大阪)の将棋連盟を訪れたことがなく、空調の効きについて全く知識を持たない。
ただ、いかに空調の効きが良いとしても、最高気温オーバー30度が確実視される折、夜間になったとしても、セーターが必要になるほど空調が効くとは考え難いし、そもそも考えない。
だから、もし三浦八段の立場であっても、セーターを持参することはあり得ない。
しかし、勝負は基本的に確率論であるからして、結局は三浦八段の様な「ここまで考える人」、即ち、「想定外を徹底的に想定し、かつ、可能な事前対処をつゆも怠らない人」が、勝利の女神に多々微笑まれる。
勝負の必要条件は決断だが、不断の悲観と事前対処がその必要条件に違いない。



★2013年8月25日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/feature/shougi/



kimio_memo at 11:24│Comments(0) 新聞将棋欄 

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