2013年07月06日
【邦画】「黒い十人の女」(1961)
〔ひと言感想〕
「誰にでも優しいってことは、誰にも優しくないってことよ」。
要するに、「誠実と不実」も「律儀と軽薄」も紙一重、ということでしょうか。
ともあれ、「善意の不実」は、機能が選好される現代社会において、タチが悪いばかりか、命取りになりかねず、要注意です。
「誰にでも優しいってことは、誰にも優しくないってことよ」。
要するに、「誠実と不実」も「律儀と軽薄」も紙一重、ということでしょうか。
ともあれ、「善意の不実」は、機能が選好される現代社会において、タチが悪いばかりか、命取りになりかねず、要注意です。
【石ノ下市子(演:岸恵子さん)】
「あなたは影の無い人だ」ってあたし誰かに言ったことがあるけれど、現代の社会機構の中に巻き込まれると、誰でもそうなるのよ。
忙しく飛び歩いて、事務的な事の処理は大変上手くなるけれど、心と心を触れ合わせることのできない生き物になってしまうのよ。
女が男に求めるものはもう無いのよ、あなたの中には。
だけど、あなたは男の形をしている。
だから、抹殺されたのよ。
【風松吉(演:船越英ニさん)】
そうならだよ、もしそうなら、僕の罪じゃないだろ。
現代の社会機構が悪いんじゃないか。
僕は被害者じゃないか。
【市子】
社会機構を殺す訳にはいかないでしょ。
テレビ塔を殺すことはできないじゃない。
人間が殺すことができるのは、人間とその他の動物だけよ。
(中略)
【市子】
死んだあたしの両親はね、一人娘のあたしを飾り立てて、人に見せびらかすことよりほかには何にもしてくれなかった。
両親はそういう風にしか、あたしを愛してくれなかった。
だから、あたしは女優になろうなんて一度も思ったことないのに、いつの間にか女優になっていたって訳なの。
あなただって同じことなんじゃないの?
今までやっていたテレビの仕事、あなたにとって命より大切なんてもんじゃないでしょ?
ただ何となく毎日やってたんでしょ?
あなた、なぜ生きて、なぜ働いて、自分の人生の目的が何かってこと、考えてみたことがあるの?
(中略)
そういうことなのね。
人間って、いつでもこうなのね。
同じ日本語で喋っていても、あなたにはちっとも私の言うことは分からないし、
あたしにはあなたがなぜそう悲しむのか可笑しく思えるだけだわ。
kimio_memo at 06:22│Comments(0)│
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