2013年06月08日
【自戦記】「奨励会熱戦将棋/三段リーグ[第1譜▲渡辺愛生三段△竹内雄悟三段]霧の中の頂上」竹内雄悟さん
25歳。三段リーグ。
そこには、頂上の見えない霧がかかった壁があった。
登っても登っても、何度も出発点に落とされる。
上を見てもゴールは見えない。
戦場に突如放り込まれ、自分の体で学べと言われているような、感覚さえ覚えた。
さまざまな人間の弱さを知り、自分と真っ直ぐ向き合い、現実をしっかり見つめることの大切さを学んだ。
奨励会は将棋棋士(プロ)の養成機関であり、その最終関門が三段リーグだ。
三段リーグは、四段昇段人数が僅少な上、在籍期間が年齢で限られるため、凄絶な星の潰し合いが常態化し、しばしば「地獄」と表される。
在籍者からすると、一局一局が、地獄から這い出る蜘蛛の糸に違いない。
竹内雄悟新四段のこの述懐は、三段リーグ在籍時の地獄の辛苦が克明に表されている。
私は、この述懐を読み感動したが、同時に、なぜ棋士が、もとい、プロフェッショナルが逆境に、否、自分自身に負けないのか、改めて分かった気がした。
真の強さは、「ゴール」、否、「光」の見えない切迫地獄を耐え抜いた褒賞なのだ。
晴れて棋士になった竹内新四段の活躍を期待したい。
★2013年6月6日付毎日新聞夕刊将棋欄
http://mainichi.jp/enta/shougi/
kimio_memo at 07:16│Comments(0)│
│新聞将棋欄