2013年06月05日
【経営】「会社をつぶせ」リサ・ボデルさん
P141
私は次の質問がとても気に入っている。「結局のところ、われわれは何のビジネスをしているのだろうか」。面白いことにたいていの人はそう問いかけた人物のことを、ただおそろしく愚鈍な人間だとしか思わない。自分が自動車業界にいることはわかりきったことじゃないか、と。だが、問題はそこなのだ。わかりきった答えをするということは、おそらくものごとに対して十分な疑問を抱いていない証拠である。10年以上前、スターバックスがまさにこの質問を自らに問いかけたとき、その答えはこれまでの観念を覆すものだった。「私たちはコーヒービジネスを展開しているのではありません。コーヒーを提供するピープルビジネスを展開しているのです」
賢い企業はいつも視点を変えて、自分たちが提供している価値を見直そうとしている。医療関連企業がその焦点を病気の治療から、健康と予防の提供へとシフトさせたのもこのためだ。同じように自動車メーカーも今や自分たちは交通手段を提供するビジネスではなく、人の移動手段を提供するビジネスであると言っている。このように、あたりまえだと思っていたことに疑問を投げかけるだけで、変革は生まれるのである。いつも好奇心にあふれた人々と一緒に仕事をするのが楽しいのはそのためだ。好奇心が新しい何かを生み出し、すでにあるものをさらによいものに変えていくからだ。
いかなるビジネスも、相手は「人」だ。
ビジネスとは、「人」に満足を与え、その引き換えに金銭を得るプロセスだ。
然るに、ビジネスは全て「ピープルビジネス」であり、成る程、スターバックスの10年前の自答は、「コーヒー」の文言を変えれば、いかなる業種、ビジネスにも通用するに違いない。
しかし、だからと言って、たとえば任天堂が単純に、自社の事業ドメインを変革すべく、「私たちは玩具を提供するピープルビジネスを展開しているのです」と自社のミッションを再定義した所で、それは言葉遊びを超えず、無意味などころか逆効果だ。
勿論、任天堂の様な、地に足のついた経営が執行されている企業に限って、そんな愚行はあり得ないが、かくなる単純な言葉遊びや模倣に励み、それをよしとする企業、ないし、経営者は少なくない
地に足がついた企業が持続的であるのは言うまでも無いが、では、持続的な企業とは具体的にはどの様な企業か。
それは、経営者と社員が一丸となって、自社の事業ドメインを絶えず顧客(ニーズ)や外部環境の変化に変化させている企業であり、遡れば、自社の原点とその応用を絶えず相手(「人」/顧客)目線で思考している企業だ。
企業の寿命は、経営者と社員の思考習性と結託で決まる。
kimio_memo at 05:58│Comments(0)│
│書籍
