2013年02月12日
【営業/マーケティング】「P&G 一流の経営者を生み続ける理由」ブラッド・ムーアさん(ホールマーク・ホール・オブ・フェイム・プロダクションズ社長)
P37
牧師の祖父と父を持つ(ブラッド・)ムーアは、物語好きの家庭で育ったが、P&Gではその話術を別の見地からみることになった。
テレビ視聴者に後味の悪くない、想像を膨らませるコーヒーの宣伝から、ムーアは家庭用品の広告で製品の利点を強調することの大切さを再認識した。
「例えば、ある製品が衣類から汚れを、皿から油汚れを取り除くとしましょう。
機能性ベネフィット(※)は、衣類や皿がきれいになることです。
しかし、エンド・ベネフィット(※)は、自分や家族のためにそれができて嬉しいことです」
彼は衣類用柔軟剤ダウニーの宣伝を称賛したが(彼自身はそれに関わっていないことを進んで認めている)、そこではカメラがスローモーションで、容器が積み重ねられたタオルに落ちるのを映していた。
なんて柔らかい!
「しかし、本当の”エンド”ベネフィットは、幼女が駆けてきて祖父の膝に飛び乗ると、祖父が着ているセーターでその子をそっと包み込む、という場面にあります。
本当のベネフィットは、その”エンド”ベネフィット、つまり人間らしいベネフィットだとは、なんと強力なデモンストレーションでしょう。
最高の宣伝は、何より人の心を動かす”エンド”ベネフィットを伝えることにつきるのです」
※ベネフィット エンド・ベネフィット
製品が提供する機能的な便益がベネフィット。
エンド・ベネフィットは、その機能的な便益の先にあるものを指す。
通常、消費者の感情や気持ちを指す。
製品によって、エンド・ベネフィットが異なる。
ベネフィットは、製品独特のことが多いが、エンド・ベネフィットは、普遍的なもの。
「”エンド”ベネフィットが何かは、必ずしも明白ではありません」
とムーアは言う。
「この種の感情は、ブランドによっては拡大解釈になるものもあります。
しかし、感情に働きかけることは、必ずしも家族や親戚関係や心情をテーマにすることではありません。
例えば、個人的な努力や偉業への誇りは、きわめて感情的なものかもしれません。
ナイキやゲータレード、そのほか似たような製品を見てみるといい。
これらは真の機能的ベネフィットを持っていますが、同時に強力な感情に訴える価値も持っています。
例えば、アップルの製品を使うという誇り。
これは機能的ベネフィットでしょうか?
そうです。
しかし、細部まで凝った外装のデザイン、パッケージ、そしてその他のマーケティングの要素によって、アップル製品は熱狂的ファンにとってきわめて”カッコいい”ものになっています。
それは純粋に機能面だけでなく、アップル・ブランドの魅力という点でも重要です。
もしも人々とブランドを、機能と感情の両方でつなぐことができれば・・・これほど強力な宣伝、マーケティングはありません」
デキる営業マンは、セールストークではなくベネフィットトークを行う。
なぜなら、顧客が真に欲求し、喜んで対価を支払うのは、商品の「機能」ではなく「ベネフィット」だからだ。
ゆえに、元P&Gのブラッド・ムーアさんのお考えは完全同意だが、人の心を動かすエンド・ベネフィットを伝えることは、最高の宣伝であると同時に、最高の営業、マーケティングであると確信する。
宣伝マン、営業マン、マーケターは勿論、あらゆるビジネスマンは、自社の商品のエンド・ベネフィットが対象顧客の心にしかと届いているか否か、絶えず検証、自問自答しなければいけない。
そして、否の折は先ず、対象顧客への人間的関心の低下を恥じなければいけない。
kimio_memo at 07:29│Comments(0)│
│書籍
