【洋画】「エクソシスト」(1973)【BSTBS)「みんな子どもだった/6月ゲスト秋元康さん第4話」秋元康さん

2012年06月25日

【BSTBS】「SONG TO SOUL 永遠の一曲」Billy Joel”Just the Way You Are”

【ナレーション】
大ヒットアルバム「ストレンジャー」、それは、ビリー・ジョエルの人生を変える作品となった。

(中略)

プロデューサー、フィル・ラモーンは、まるで魔法のようにビリーのアイデアを最高の形にしてみせた。
フィルは、ビリーと正に二人三脚で、アルバム作りをリードした。

【フィル・ラモーンさん】
私は自分の直感や本能を信じ、音楽のスピリットを大切にしている。

(中略)

【ナレーション】
完成したアルバムからは、先ずオープニングナンバーの「ムーヴィン・アウト/Movin' Out 」がシングルカットされた。



しかし、これは殆ど話題にならず、続くセカンドシングル「素顔のままで/Just the Way You Are」の大ヒットが、ビリーとこのアルバムの名を永遠のものにした。

ところが、実はビリーとバンドメンバーは、「素顔のままで」が大嫌いだったという。

【フィル・ラモーンさん】
「素顔のままで」は、とても苦労した。
私はいい曲だと思ったがビリー本人がメロウ過ぎるからと嫌っていたんだ。
はじめに、彼らは、嫌々ながら私に演奏して見せた。
私が気に入ったと言うと、ドラマーはスティックを投げつけんばかりに睨んだ。
彼らは、まるでウェディングバンドがやるみたいな、甘くて軟弱な歌だと思っていたんだ。

【ナレーション】
フィルは様々な手を尽くして、ビリーが捨てようとしていた曲を永遠のヒットチューンへと磨き上げていった。
ビリーとバンドは、それまでシンプルなエイトビートで演奏していた。
先ず、フィルは、基本となるリズムを変えた。

【フィル・ラモーンさん】
私は以前にブラジル音楽の仕事をしていたので、色々なリズムを知っていた。
リズムを変えるだけで、音楽は官能的になる。
だから、バイヨンのリズムに、サンバやボサノバを組み合わせて使ってみた。

バンドがテナー・サックスでやっていた間奏も、より幻想的なアルト・サックスに変えた。
演奏はジャズ・プレイヤーのフィル・ウッズ。
私はたびたび、ビリーの音楽にジャズを融合させたよ。

曲の途中に、まるでコーラスのように聞こえる音が入っている。
10ccのレコードが気に入っていたので、音を重ねていくサウンドにトライしてみたんだ。
ビリーの声だけを、いくつも重ねて作っていった。
彼に声の続く限り歌ってもらい、それを何度もリプレイして、1分間同じ音を持続させる。
その長い音を、1オクターブ分のすべてのキーで作った。
合わせてみると、この世のものとも思えない音ができたよ。

ビリーが弾くフェンダー・ローズには、ストーン・フェイザーというエフェクターをかけた。
それが曲の雰囲気を作っている。
私は音色を少し変えて、甘くなり過ぎるのを避けたんだ。

あの曲を作ってから30年経った。
今や、歴史になりつつある。
あの頃は、時を越えるものを作るなんて、思ってもいなかった。

正に「永遠の一曲」と言うべき「素顔のままで/Just the Way You Are」が、原曲の時点では、作曲したビリー・ジョエル自身から嫌われていたという挿話には驚愕したが、ヒット曲を作るというのは、また、成果物を世に出して成功させるというのは、こんなものなのかもしれない。

たしかに、音楽の場合、ヒット曲になるか否かは、原曲をいかにアレンジするかが大きい。
実際、松任谷正隆さんがアレンジしなければ、松任谷由美さんの大成功は無かったに違いない。
しかし、「素顔のままで」を作った時には、ビリーは既にヒット曲を世に出していた。
よって、この挿話が示唆することは、少なくとも二つある。

一つは、実績有るヒットメーカーでさえも、ヒット、成功のシーズ、可能性はわかり得ない、ということだ。
換言すれば、他者(大衆)が心底喜ぶモノか否か、彼らの心を惹いて止まないモノか否かは、作り手自身にはわかり得ない、ということだ。
やはり、人が自分、ないし、自分の成果物を客観するには限りがあり、成果物を世に出す時は、必ず信頼できる他者と協働し、彼らに客観を求め、それに従順であるべきだ。

もう一つは、後年「永遠の一曲」と言われるヒット作品、ヒット商品は、予め狙って作れるものではない、ということだ。
松本隆さんは「マーケティングで曲を作っても駄目(→ヒットしない)」と仰るが、そのココロは本事項に通底している。
やはり、ヒットメーカー足らん作り手が問われるべきは、それまでの生き様と培った知見に違いない。



★2012年6月19日放送分
http://w3.bs-tbs.co.jp/songtosoul/onair/onair_21.html





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kimio_memo at 07:23│Comments(0) テレビ 

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