2012年06月09日
【講演】「将棋プログラムBonanzaの仕組み」保木邦仁さん(電気通信大学先端領域教育研究センター特任助教)

私は、将棋を小学校低学年で覚えたが、その後、任天堂のスーパーファミコンに嵌(はま)ってしまった。(笑)
しかし、そんな私でも、今このようにITを使えば、(前段に登場した)勝又プロとも将棋を指すことができる。(笑)
将棋の要所は、「好手を指すこと」ではなく「悪手を指さないこと」、即ち、「間違わないこと」だ。
コンピューターは、ハードとデータの質量が十分、かつ、プログラムが適切であれば、「間違わない」。
人間とは異なり、いかに時間が経とうと、どんな状況であろうと、疲れない、緊張しない、余計なこと、とりわけ邪念(笑)を考えない。
だから、小学生時分に将棋を休学なさった(笑)保木邦仁さんでも、コンピューターと、Bonanza(ボナンザ)と一緒なら、プロ棋士と十分渡り合える。
経験値や能力は低いがコンピュータと一緒なら、プロと十分渡り合える、ないし、時にプロを凌駕できるのは、将棋のほか何が有り得るか。
間違い(笑)を怖れず妄想すれば、経営や政治は有り得るのではないか。
経営者や政治家の務めは、突き詰めれば、意思決定だ。
たしかに、彼らも、自分がアイデアを唯一発案し、その是非を自分一人で評価し、実行を独断する(=一人で意思決定する)ことはある。
しかし、多くは、他者が発案した複数のアイデアを評価し、最善のそれを選出し、実行を意思決定するだけで、アイデアの発案が複数の他者に拠ることを除けば、将棋を指すのと変わらない。
経営者や政治家の意思決定で最も大事なのは、最善のアイデアを選出、実行することではない。
「致命的なアイデア」を選出しない、即ち、「大悪手」を指さない、意思決定を致命的に間違わない、ことだ。
アイデアの選出を致命的に間違ってしまえば、取り返しがつかず、企業なら倒産を免れない。
間違い(笑)を怖れず改めて妄想すれば、「コンピューター経営」や「コンピューター政治」の創造は、思っている以上に容易かつ有効ではないか。
なぜなら、「コンピューター将棋」が過去の膨大な対局データをベースに「王様を詰ますこと」から帰納してプログラミングされているように、「コンピューター経営」は「企業価値を最大化すること」から、「コンピューター政治」は「GDPを最大化すること」から、それぞれ過去の膨大なデータをベースに帰納してプログラミングすれば、凡そ事足りるのではないか。
たしかに、そもそも経営も政治も、将棋とは異なり不完全情報ゲームで、必勝法も最善手も有り得ないのは勿論、不確実性が少なくない。
しかし、旅客機の多くに自動操縦(オートパイロット)が導入されているように、それがもたらす不確実性ないしその脅威は、人間が疲労や邪念の末に下す不正確、不合理な意思決定がもたらすそれらと比べれば知れており、数年前のリーマンショックの類を引き起こす確率は極めて低いのではないか。
コンピューター、ITと私たち人間は、いかに共生、共創するべきか。
間違い(笑)を怖れず最後に妄想すれば、ゴールが事前に定量評価可能、かつ、「間違い」が命取りになりかねない事柄は彼らが、そして、ゴールが事前に定量評価困難、かつ、「間違い」が命取りにならず、「間違い」を犯してでも過去の延長や焼き直しと決別する必要の有る事柄、即ち、イノベーションは人間が、それぞれ担当するのが賢明ではないか。
★2012年6月7日公開シンポジウム「人とITとの共創」(於:明治大学アカデミーコモン)にて催行
※1:保木邦仁さんの言は意訳。
※2:前段は、勝又清和六段の将棋、及び、コンピューター将棋の解説。
https://twitter.com/katsumata/status/209656610598039554
http://www.jasmin.jp/jp/pr/social/event/20120607/index.html














































★上記画像のスライドショーは↓のfacebookアルバムを閲覧願います(※非fbユーザーでも閲覧可)。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4156650397342.177893.1316444751&type=3&l=e1d4eea344
kimio_memo at 06:28│Comments(0)│
│講演/セミナー
