2012年05月16日
【BS朝日】「カーグラフィックTV/遂に新型911登場!!従来型との比較SP」松任谷正隆さん
【松任谷正隆さん】
これ(※先代の911)はこれで、よくできているんですけどね。
【田辺憲一さん】
もちろん、そうですね。
まあ、だってこれ、過去のクルマってわけじゃないですからね。
ついこの間まで売られていたモデルしょうから。
【松任谷正隆さん】
最後の最後の方になって、やっぱり、どんどんブラッシュアップされてきましたね。
【田辺憲一さん】
松任谷(正隆)さんは何台かポルシェを今まで所有されてきてね、今までの、まあこれも最後の方のモデル、仕様だけども、どういう風になってきたなぁと思いますか。
【松任谷正隆さん】
あー、まず、クセがどんどん薄くなっていった。
でも、基本的に、リアエンジンのクルマだし、ポルシェらしい手ごたえとか、ポルシェらしい動きとかっていうのは、ずっと無くなってなかったような気がしますね。
「(モデル末期に近づくにつれ)クセがどんどん薄くなっていった」。
松任谷正隆さんのこのお話に、同感と思考を覚えた。
たしかに、クルマ(自動車)は、モデル末期に近づくにつれ、優れていく。
ユーザーの実用意見/評価がフィードバックされ、熟成していくからだ。
モデル初期と比べ、凡そ、瑣末な不具合や違和感は激減し、乗り心地や走行安定性は向上する。
「新車を買うなら、モデル末期が良い」と考える人が少なくないのは、この為だ。
しかし、松任谷さんのお話を聞いて、この考えに疑義を覚えた。
クルマ、それも「ドライブカー」を欲するなら、買うべき新車はモデル初期ではないか、と。
なぜか。
一番の理由は、モデル末期に近づくにつれ優れていくのは、凡そ「工業製品」としてであり、「ドライブカー」としてではないからだ。
モデルチェンジの本質は「対象マーケットへの新価値提案」だが、実際は「前モデルへの異議申し立て」や「開発者のココロの叫び」だ。
松任谷さんが仰った「クセ」は、その表象だ。
そして、このクセこそ、新モデルのレーゾンデートルかつ妙味だ。
ビールで言う「一番搾り」だ。(笑)
クセの強い人間がそうであるように、クセの強いクルマは扱い難いが、痛快だ。
クルマも、人間と同様、クセは有って然るべきであり、また、クセが有るから可愛く、別れ難い。
説明が遅れたが、「ドライブカー」とは、今私が勝手かつ自然に想起した言葉だ。(笑)
要するに、「運転そのものを楽しむクルマ」で、スポーツカーはその最たるだ。
人間、並びに、人間と付き合う本懐が人生を楽しむことであるように、ドライブカー、並びに、ドライブカーを購入する本懐は運転を楽しむことだ。
クセの無い人間、ないし、クセの無いクルマの選好は、人生の妙味の放棄だ。
余談だが、私がかつて勤務した自動車メーカーは、世界屈指のスポーツカーを何台か作っていた。
そのクルマ(モデル)は、とりわけ構造がユニークだったが、モデルチェンジサイクルが長く、モデル末期に近づくにつれ、新モデルと見間違うほど熟成した。
最終モデルは限定生産され、正に安定した、大人のスポーツカーと相成った。
初期モデルに散見されたトリッキーなハンドリングは消え失せ、オーバーステアリングは影を潜めた。
ただ、私は、このクルマの開発主査から「開発のココロ」を直接聞いている。
もし、このクルマの初期モデルをまたサーキットでドライブできる幸運に恵まれたら、笑顔でスピンしたい。(笑)
★2012年5月13日放送分
http://www.bs-asahi.co.jp/cgtv/prg_20120509.html
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