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2011年12月03日

【新橋商事】「第24期竜王戦第五局▲渡辺明竜王△丸山忠久九段」大内延介九段

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【Q1】
本局での丸山忠久九段の敗着は何か?

【A1】
確実な敗着は無いように感じる。

【Q2】
丸山九段に確実な敗着が無いとなると、渡辺明竜王の本局の勝因は何か?

【A2】
「気づくと優勢に立っていた」という意味で、本局は渡辺竜王の作戦勝ちに感じる。
これは、本局に限らず、今期の竜王戦全般に感じる。
渡辺さんは、とりわけ竜王戦では本当に滅法強く、正に「竜王男」だ。(笑)

【Q3】
渡辺竜王の作戦勝ち、優勢を決定付けた一番の有効手は何か?

【A3】
59手目の▲2三歩だ。
一見▲2ニ歩なのだが、こちらの方が優っている。
プロでも、なかなか思いつき難い手だ。

私は、今を遡る頃三十数年前、兄に強いられ(笑)将棋を始めて間も無くして、「穴熊(あなぐま)」という戦法(戦術)と、それが大内延介九段(※当時の段位は不明)のお家芸であるのを知った。
切っ掛けは、私より遥かに高棋力で、飛車角二枚落ちでも歯が立たない兄が、平手で指す時しばしば採用してきたことだ。
相手の守備の陣形を全く崩せず負かされるのは正に完敗の極みで、当時私は、幼心に忸怩たる思いを幾度も覚えた。(笑)
同時に、このような卑怯かつ取り付く島の無い(笑)戦法を愛好する大内さんはいかなる人間か、不可思議かつ恨めしく思った。(笑)
しかし、ある時、大内さんが時の中原誠名人に挑戦し、勝てた勝負を悪手で落とし、名人位を不意になさったてん末を知った。
以来私は、打って変わって大内さんに魅力を感じるようになったものの、なぜかNHK杯を含め、ライブの大内さんを拝見する機会が無かった。
そこで、過日google+でご縁を授かったKさんから本大盤解説会の予定を告知いただき、参加した。

将棋界の大御所の大内さんの解説は、頭の天辺から足の指先まで現代将棋一辺倒の中堅棋士の解説に慣れた私には、却って新鮮に聞こえ、満足した。
たとえば、25手目の▲3五歩からの渡辺明竜王の仕掛けの辺りなど、「このような仕掛けに対して、昔なら後手はこのように厚みで対応、対抗するのも有力だったが、今はそれは良くない、勝てないようだ」と新旧比較で現代将棋を紐解かれ、私を含め(笑)比較的年齢層が高かった参加者の多くは、高い満足を覚えたに違いない。

上掲の内容は、注釈にも付記した通り、解説会終了後、私が大内さんに個別に質問した内容だ。
私なりに本局を合理的に総括したかった、また、大内さんの真の魅力を五感に留めておきたかったが為に敢行した、不遜な暴挙のてん末だが、大内さんは未知かつ一介の将棋好きオヤジ(笑)の私に笑顔でハートフルにコミュニケートくださり、更に満足が進んだ。

大内さんの回答でとりわけ考えさせられたのは、以下の二つだ。

一つは、「確実な敗着、悪手が無くとも、勝負は負けることがある」、ということだ。
これは、様々な解釈、考察が可能だが、ひとまず私が血肉にしたのは、以下の事項だ。

●競合者が居る勝負事では、大きなミスをおかさないことが必ずしも勝利を担保しない。
●大きなミスをおかさずとも、小さなミスをおかせば、勝負は負けかねない。
●大きなミスをおかさずとも、ポイント(優勢事項)を取らなければ、やはり勝負は負けかねない。

もう一つは、「優れた戦略は、相手が注意する以前に優劣を決定付ける」、ということだ。
これも、様々な解釈、考察が可能だが、ひとまず私が血肉にしたのは、以下の事項だ。

●優れた戦術は、優れた戦略に及ばない。
●戦術(局所)の過剰な意識、注力は、「寝た子を起こす」こと、ひいては、戦略計画(全体最適化計画/構想)の進捗を妨げることになりかねない。

現在、大内さんは70の齢を重ね、現役引退の後、将棋の普及に尽力なさっている。
大内さんは、本大盤解説会の閉幕時、参加者に深く一礼しながら以下の旨仰った。

今日は本当に寒い中、ご来場ありがとうございました。
主催者の意向が続けば、次回は来年ここで名人戦の大盤解説会をやりますので、是非また来てください。

たしかに、大内さんが公式戦に出場することは、この先無い。
しかし、将棋への愛情と最善努力を欠かさない大内さんの将棋人生は、依然現役に違いない。
私は、大内さんに「生涯現役」の何たるかを身をもって教示いただき、満足のみならず感動した。
私は、大内さんの将棋人生の益々のご隆昌を、この場を借りて祈念したい。(礼)



★2011年12月2日新橋西口SL広場にて催行
※1:解説女性棋士は藤森奈津子女流四段、駒操作は藤森哲也四段
※2:上記の大内延介九段の言はいずれも本会終了後の個別質問の意訳
http://www.faro.co.jp/business/event/111013_meijin.html



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kimio_memo at 10:19│Comments(0)TrackBack(0) 将棋大盤解説会 

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