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2011年10月27日

【NHK】「シリーズ・わたしが選ぶあの番組(2)/『おくのほそ道 池田満寿夫 みちのく紀行』」森村誠一さん

「今日もまた 未練の色や 秋の暮」

私は、朝ね、今日一日のスケジュールを立てるんですね。
それが夕方になってくると、殆ど毎日、スケジュールを完遂するってことはないんですね。
し残した仕事がかなり残っている。
そんな時に、(仕事が)煮詰まってきますとね、夕映えの色が、何か自分のし残した仕事に対する未練のように見えてくるんですよ。
だから、俳句はこういう所がいい所で、単なる天然現象が、夫々の人間の心理によってね、違ったものに見えてくるんですね。
僕には未練の色に見えるんです。

夫々の人間の心理(状態)によって違ったものに見えるのは、天然現象に限らず、森羅万象に当てはまるのではないか。
たとえば、信頼している人から注がれる酒は美酒にしか見えないが、信頼していない人から注がれる酒は毒酒に見えかねない。

同じモノが違って見えるのは、心理に限らず、問題意識や目標意識も大きいのではないか。
森村誠一さんが、社会に強い問題意識を抱いておられなければ、また、作品で問題の解決とあるべき社会の実現に寄与したい旨の高邁な目標意識を抱いておられなければ、朝計画した原稿が書き切れなかった未練を夕映えに見出すことは無かったのではないか。

故に、「あの人は、見ている所が違う」という言葉を耳にするが、実は誤りで、正しくは、「あの人は、見出す所が違う」ではないか。
心理や意識といった内面で見出す所が違うのは、人生の妙味ではあるが、無自覚の屈辱にもなりかねない。
森羅万象を違って見せる内面の違いは、無自覚の屈辱に対する危機感の違いではないか。



★2011年10月23日放送分
http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2011/111023.html



写真俳句のすすめ (朝日文庫)
森村 誠一
朝日新聞出版
2008-08-07


芭蕉道への旅
森村 誠一  (監修, 監修)
2010-04-21






kimio_memo at 07:23│Comments(0) テレビ 

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