2011年09月04日
【NHK】「細野晴臣 音楽の軌跡」細野晴臣さん
同じことの繰り返しほど、あほらしいことはないしね。
やはり、そこに何か発見とかクリエイティビティなるものが、常に新しく芽生えていないと、衝動が出てこないっていう。
(YMOの散会に際し)疲れ果てて、芸能人のような感じになっちゃいましたから。
音楽にとどまらなかったですよね、カルチャーとして捉えられてたから。
何かのキャラクターになってしまったわけで、やりたいことが制約されてきたんです。
というのは、「RYDEEN」のような曲をまた作ってくれと言われることが出てきて。
同じことは二度できないんですよね、みんな。
繰り返しはできない。
商売じゃないですから。
そこらへんが割と青二才というかね、音楽ばっかりのこと考えてたんで。
それで嫌になっちゃんですよ(YMOを続けていくことが)、結果はね。
(YMOの活動を再開して)何か一回りするんだという実感があったことはあったんですよ。
だから、人生は、一直線じゃなくて、螺旋を描いて回っているんだと。
同じ所に居るようで、上から見ると同じだけど、横から見ると、螺旋なんで、違う所に居るんですけど、二次元的に見ると、同じ所に居たりもするんですよ。
たしかに、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)に狂った私は、「RYDEEN」と「TECHNOPOLIS」を毎日聴き(笑)、「RYDEEN」のような曲がまた出るのを待ちわびた。
しかし、それは叶わなかった。
けれど、結果として、それは良かった。
なぜなら、「RYDEEN」のような分かり易く、キャッチャーな曲が皆無な「BGM」が、今の私の”YMOベストアルバム”だからだ。
たしかに、「BGM」を初めて聴いた時は、落胆した。
「RYDEEN」のような曲が無いばかりか、曲調や音色が悉く暗く、萎えた。
YMOの終焉さえ予感した。
しかし、繰り返し聴く毎に、印象は変わっていった。
「なんだかよくわからないが、これはスゴい」と。
「BGM」がリリースされ30年の時が流れた。
YMOはいまだに大好きだが、「RYDEEN」は専らライブアルバム(「FAKER HOLIC」)のを聴いている。
スタジオアルバムでよく聴くのは専ら「BGM」で、次は次にリリースされた「TECHNODELIC」だ。
音楽に限らず、名作は時間に負けない。
そして、時間と共に価値を表出する。
「BGM」を聴く度、つくづくそう感じる。
名作が時間に負けず、時間と共に価値を表出するのは、根源的な新しさ、クリエイティビティがあるからではないか。
そして、そうした根源的な新しさ、クリエイティビティは、創造者(クリエーター)が、同じこと(方法論)を繰り返すことへの嫌悪と畏怖を積極的に受容することからのみ生まれるのではないか。
★2011年5月29日放送分
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2011/0529.html
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