【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第7局の4▲森内俊之九段△羽生善治名人〕新工夫の△3六歩」上地隆蔵さん【NHK教育】「NHK杯テレビ将棋トーナメント」豊川孝弘七段

2011年07月15日

【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第7局の5▲森内俊之九段△羽生善治名人〕2人の長考」上地隆蔵さん

注目の封じ手は▲5三桂左成だった。
▲8ニ歩を本命視していた控室の予想は外れた。
2時間近い大長考。
後日森内にその読み筋を尋ねてみた。

「▲5三桂左成と▲8ニ歩の比較でした。
(図で▲8ニ歩は以下△6五歩▲8一歩成△3三桂▲1五桂△1四金となり、そこで▲1六歩や▲2三歩が有力。
これもなかなかの変化でした。
どちらが良かったかは厳密には分かりませんが、やはり▲8ニ歩が自然だったと思います。
ただ基本的にどちらも自信はありませんでした。
最後は勘で決めました」
(後日取材と返答メールで構成)

森内俊之九段(※当時)は、当時▲8ニ歩を自然に感じ、最後は▲5三桂左成を「勘で決めた」、と。
名人位がかかった最終局の最大の分岐点で、自然さより勘を重視した、と。
やはり、プロフェッショナルが「獣道」で最後に頼りにするのは、自分の「勘ナビ」ということか。



★2011年7月15日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/enta/shougi/

kimio_memo at 07:14│Comments(0) 新聞将棋欄 

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【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第7局の4▲森内俊之九段△羽生善治名人〕新工夫の△3六歩」上地隆蔵さん【NHK教育】「NHK杯テレビ将棋トーナメント」豊川孝弘七段