【インタビュー】「10年続けるつもりで、やりなさい」羽生善治さん【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第7局の5▲森内俊之九段△羽生善治名人〕2人の長考」上地隆蔵さん

2011年07月14日

【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第7局の4▲森内俊之九段△羽生善治名人〕新工夫の△3六歩」上地隆蔵さん

図の局面は、王将リーグ▲羽生ー深浦九段戦と同一。
深浦九段の指し手は△3三桂だったが、羽生は(本局では)△3六歩と手を変えた。
「王将リーグのときに△3六歩があるのではと考えていました」。
後日の羽生のメールだ。
盤上に出現しなくても、実戦の中で気づいた小さなことを後の対局で試す。
超多忙な羽生ならではの新手実践法で、おそらく他にも気づきの種はストックしているのだろう。
(中略)
森内もこの△3六歩は有力視していた。
「王将リーグの棋譜を見たとき、アレ、なんで深浦さんは△3六歩と垂らさなかったのかな?と。
先手の飛車を狭くしつつ、歩成を狙っていて幸便に見える」と森内は話す。
解説の中田宏八段は「ただしなけなしの1歩を使うのでそのあたりがどうか。現状は難しいが、個人的には先手を持ちたい」と意見を述べた。

羽生善治さんが指した△3六歩は、羽生さんがよく仰る「情報高速道路(ハイウェイ)理論」だと、当時は既に完全な「獣道」ではなかったようだ。
羽生さんは、他の棋士よりも積極的に「獣道」を志向なさっているが、実際に「高速道路」から「獣道」へ降りるのは、とりわけトッププロ棋士との対局だと、相当難しそうだ。



★2011年7月14日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/enta/shougi/

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