【野球】「川相昌弘スモールベースボールを紐解く」川相昌弘さん【経営】「マイクロソフトで学んだこと、マイクロソフトだからできること。」樋口泰行さん

2011年07月01日

【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第6局の5▲羽生善治名人△森内俊之九段〕圧力の高い気の空間」椎名龍一さん

図の局面は7年前に(本局では後手番の)森内が先手を持って指した実戦例が1局だけある。
定跡形として知られている格好だそうだが、それほど局数が多くない点からしてみると後手側がこの順を避ける傾向が強いようである。

(中略)

しかし森内が無茶で本戦法をぶつけるわけもなく必ず何かを用意しているはずという期待感も検討陣ににじんでいる。

(中略)

図から▲4六角とぶつけたのが7年前の森内の手だが、羽生は▲2四歩と突いた。
この手はわずかに4分の考慮。
昨譜の大長考中に読みを入れてきた羽生の工夫した順だった。
▲2四歩を見てここまでの考慮時間がわずかに32分という森内の手が止まった。
想定外の手を指されたのかもしれない。
1日目とは思えないほどに両対局者の上体の前傾姿勢が最終盤のように深くなっている。
双方の意思が絡み合って生まれた中盤の局面を挟んで両者の思考回路がさらに複雑に絡み合い、盤上にすさまじく圧力の高い気の空間ができている。

「両者の思考回路がさらに複雑に絡み合い、盤上にすさまじく圧力の高い気の空間ができいた」と。
北伐を断行した諸葛亮と司馬懿の間で行われた究極の頭脳戦、心理戦を想起した。



★2011年7月1日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/enta/shougi/



kimio_memo at 06:28│Comments(0)TrackBack(0) 新聞将棋欄 

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