【NHK】「MJ presents 少女時代スペシャル」少女時代【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第5局の9▲森内俊之九段△羽生善治名人〕無機質な視線」甘竹潤ニさん

2011年06月21日

【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第5局の8▲森内俊之九段△羽生善治名人〕恐るべき大局観」甘竹潤ニさん

2六にまで猛牛のごとく突進してきた銀が、森内とそして控室の判断も狂わせることになった。
▲2七歩に△1五銀▲5五角△3三角を予想していた検討陣は「銀がこんな所にいっていいの?」と半信半疑。
ところが羽生がなかなか次の一手を指さないのを見て「もしかしたら・・・」。

その予想が的中した。
羽生は57分を費やして△3七銀成と銀桂交換に出たのだ。
駒得のうえに▲3七同銀と懸案だった壁銀が好形になった。
これで先手が悪いはずがないーー。
控室ではその見方が大半を占めた。
ところが△5三銀と上がって次に△6四銀をみられると先手は容易ではない。

森内「駒得して悪いとは思っていなかったので仕方ないですね。大局観が悪かったです」

森内も唖然とした、羽生の恐るべき大局観。
驚くことに、今日の終了図から先手がよくなる順は一度も発見されなかったのだ。

ふり返って▲2七歩がどうだったか。

(中略)

実戦は銀桂交換の駒得より、▲2七歩と打ったマイナスのほうが大きかった」とは久保王将の見解である。

森内俊之九段が▲3七同銀の局面を「(駒得ゆえ)悪いはずがない」とお考えになってしまったことが、本局の勝敗を決めたようだ。
「大局観」は勝敗や成否を決める最重要能力であると共に、先入観を払拭&動作抑制する能力に大きく依存している、ということか。



★2011年6月21日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/enta/shougi/



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