【BSNHK】「アインシュタインの眼」神保彰さん【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第5局の3▲森内俊之九段△羽生善治名人〕まったりした午前中」甘竹潤ニさん

2011年06月15日

【観戦記】「第69期名人戦七番勝負〔第5局の2▲森内俊之九段△羽生善治名人〕横歩取りの魅力」甘竹潤ニさん

星のうえでは森内の3勝1敗だが、羽生が先手番をひとつブレークされただけと考えれば羽生はもちろん、森内にとってもここが正念場である。
問題は羽生がどの戦型を選ぶか、だ。

「ゴキゲン中飛車が本命かと思っていました」とは本局の副立会人兼解説の久保利明王将だ。

(中略)

ところが注目の4手目は△8四歩。
予想ははずれ、横歩取りへ。
ちょっぴりガッカリの久保王将だったが、実は後手番を持って1局だけ横歩取りを指した経験がある。

「どんな戦法なのか、確かめてみたい気持ちもありました。
横歩取りの将棋なら僕は後手を持ってみたい。
玉を固めて軽さで勝負する感覚が振り飛車に通じるものがあるのです。
ただ横歩取りはどこが狙いなのかはっきりしない。
むずかしい戦法だと感じました」。

「達人にとって戦法(戦術)は、自分の強みや思考習性を表現する手段に過ぎず、temporaryだ」ということか。
であれば、現時点では振り飛車マスターの久保利明王将も、将来、横歩取りマスターになられるかもしれないし、だからこそ、「藤井システム」を創造した藤井猛九段は、この度「藤井矢倉」を創造なさったのかもしれない。
また、さらに言えば、だからこそ、羽生善治名人は、得意戦法をあえてお持ちにならないのかもしれない。



★2011年6月15日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/enta/shougi/



kimio_memo at 08:54│Comments(0) 新聞将棋欄 

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