2020年08月
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2020年08月17日
2020年08月13日
【経営】「ブリッツスケーリング/BLITZSCALING」リード・ホフマンさん
P253
第4章 マネジメントのイノベーション
キーポイント8 自分自身をスケーリングする――創業者からリーダーへ
創業者として成功するには、ある程度の万能スキルが必要だ。他人にはわかりにくいビジョンに向け、大胆な賭けに出る能力も必要だ。さらに、学習する能力が必要だ(全く新しいことに挑戦するため)。そして、スタートアップからスケールアップした組織で長期間役割を果たすには、創業者として不可避なパラドックスとつきあい、解決する能力が必要になる。私がドロップボックスの創業者、ドリュー・ハウストンに過去の経験を振り返るように頼んだら、彼はこう語った。「多くの起業家は、自分の知らないことに対して大きな不安を抱えて起業していると思う。必要なのは、不安に押しつぶされず、不安をエネルギーに変えて自分を磨くことだ。創業者自身の学習曲線は、常に会社の成長曲線の先を行かなくてはならない。
会社がブリッツスケーリングを進めるにつれて、自分の役割を変える謙虚さと判断力を維持しておく必要がある。本気でブリッツスケーリングを望むのなら、スピードはすべてに優先する。あなた自身のエゴよりも。
自分自身をスケーリングする方法は3つしかない。権限移譲、拡大、自分を磨くことだ。
権限移譲
優れた人材を見つけ、採用し、動かし、やがて彼らに仕事を引き渡し、自分だけが取り組むべき問題に挑戦する体制にできるだろうか?多くの創業者は才能にあふれているために、いったん始めてしまうとその仕事をなかなか手放せない。「自分と同じようにできる人などいるのだろうか?」と考えてしまう。しかしその答えはほぼ間違いなく、「できない。初めは特にそうだが、おそらく時間とともにできるようになる。あなたがそうだったように」
(中略)
拡大
誰かに仕事を委譲するのではなく、その仕事を拡大できる人を採用できないだろうか?ここでの目標は、自分の仕事を減らしてほかのことをできるようにするのではなく、仕事の影響力をずっと大きくすることだ。実際これは私が人生の中で育み、高めようとしてきた領域でもある。
多くの創業者や幹部と同じように、私にはすばらしい秘書のサイダー・サピーバがいて、スケジュール調整などで後方支援してくれる。もっとも私は、拡大の概念をもっと広げられることを発見した。たとえば私はシリコンバレーで最初に、政治や伝統的企業の世界から「チーフ・オブ・スタッフ」のコンセプトを借りてきたスタートアップ経営者のひとりだ。伝統的な秘書やテクニカルアシスタントとも異なり、ビジネスの影響力を高めるのがチーフ・オブ・スタッフだ。ビジネスパーソンとして一定の決断ができるだけでなく、経営者自身がすべき重要な決断の優先順位も決められる。チーフ・オブ・スタッフは、あなたに会ったり話したりしたい人に対して、事前に必ず「ブリーフィング」を行い、時間をできる限り効率よく効果的に使えるようにする。私にとって最初のチーフ・オブ・スタッフだったベン・カスノーカは、一緒に仕事をする前は著作家・起業家として成功していた。二番目のデビッド・サンフォードは、リンクトインで私と一緒に働いていたことがあったり、起業家でもあった(レストラン店主でもあった!)。結果的にカスノーカとサンフォードは、私の生活の管理が私よりも上手だった。彼らが私の仕事を拡大するようになったから、私の生産性は著しく向上した。
(中略)
自分を磨く
ブリッツスケーリングを進めていくと、会社は非常に早く成長し、変化する。あなた自身が会社の足を引っ張るボトルネックにならないように、できるだけ速く自分を磨く方法を見つけることが重要だ。われわれの友人であるジェリー・チェンがこう言っている。「創業者に職務明細書はない。創業者の役割が変わらないなら、何かがおかしい」
創業者はブリッツスケーリングのあらゆるステージで新しい課題に直面するので、自分を学習マシンにする必要がある。友人のイーロン・マスクが典型例だ。彼はスタンフォード大学で応用物理学の博士課程を中退したが、それは自分ひとりでもっと多くのことを学べると考えたからだった。スペースXとテスラを始めるために、ロケット工学と自動車製造を本格的に学んだ。では、もっと速く学べるように、学習速度を加速させるにはどうすればいいか?カギはあのニュートンが言ったように、「巨人の肩に乗る」ことだ。
賢い人たちと話をすれば、彼らの成功と失敗から学べるという意味だ。誰かの失敗から学ぶほうが簡単で痛みも少ない。私は新しい物事について学ぶとき、もちろんそのテーマの本を読み漁るが、その分野で有数の専門家を見つけて話をして補っている。エアビーアンドビーのブライアン・チェスキーも学習マシンだが、同じように、シェリル・サンドバーグやウォーレン・バフェットなどのメンタ―に意見を求める。ブライアンはわれわれのスタンフォード大学の講座でこう話した。「適切な情報源を見つけたら、全部を読む必要はない。わたしは専門家を探す必要があった。安全について学びたかったので、わたしは元CIA長官のジョージ・テネットを訪ねた。最高の人物に会えなかったとしても、最高の人物について書かれたものを読むことはできる」。ブライアンはこのアドバイスを自ら実践している。彼のアイデアの多くは、ウォルト・ディズニーなどの偉大な起業家の伝記を貪るように読んだことから生まれた。
もうひとつ、助言を仰ぐには、世界でシェリル・サンドバーグほど有名ではないが、似たような問題に最近直面した(そして解決した)専門家に助けを求めるのも有効な方法だ。リード・ホフマンのポッドキャスト「スケールの達人」のインタビューで、ドロップボックスのドリュー・ハウストンは、同じ道を歩む起業家仲間から学んだときのことを語った。
ほかの起業家と話すこと。有名な起業家だけでなく、自分より1年、2年、5年先を行く人たちと話す。そういう人たちからは、ほかとは大きく異る重要な物事を学べる。長期的視点に立つ感覚は非常に大事だ。フェーズが変わるごとに、状況は静かに変わっていくからだ。
その場その場で助けを求めるだけでなく、システマチックに人から学ぶのも良い方法だ。起業家には、私的な「アドバイザー会」を結成することをお勧めする。それは足りない知識について助言を与えてくれる「取締役会」のようなものだ。
たとえば、私には重要な分野について学ぶのを助けてくれる非公式なアドバイザーたちがいる。なかにはバイラル性や人的管理といったかなり専門的な分野もある。いつか会社でブリッツスケーリングを実行したいと真剣に考えているなら、自分のメンターたちを取締役会だと考えるべきだ。彼らに進捗状況を定期的に報告し、改善すべき点について尋ねる。誰にとってもフィードバックは必要だ。たとえば、ブライアン・チェスキーは好んでこう言う。「私はフィードバックをもらうことを恥ずかしいとは思わない」。彼と私は毎月夕食を共にして、いろいろ話す中で互いに自分が学んだことを伝えフィードバックを与え合う。こういう会がリスク管理に役立ち、あなたの行動の隠れた良い面を引き出す。
ずいぶん大変そうに聞こえるかもしれないが、反省とフィードバックのための時間と空間を残しておくことは重要だ。人は往々にしてTO-DOリストの無限ループに陥り、重要なことを見失ってしまう。これは、マーク・ザッカーバーグとシェリル・サンドバーグから学んだことのひとつだ。マークとシェリルは毎週月曜日の朝一番と、金曜日の終わりに顔を合わせる。これはどんなに忙しくてもほかに何が起きても守られている。金曜ミーティングが特に重要なのは、一週間を振り返ってそこで学んだことについてよく考える時間を得られることだ。
自分を高めるために忙しいスケジュールを割くことなど不可能に思えるかもしれない。結局皆は自分に頼っている、とあなたは思うかもしれない。その感覚は、自然ではあるが非生産的だ。ネットフリックスのCEO、リード・ヘイスティングスはわれわれのスタンフォード大学の講座でこう警告した。「(ピュア・ソフトウェアを経営していたとき)私は自分に投資することを自分本位だと感じていた。自分は働いているべきだと思っていた。YPO(若い社長の会)に招待されたときも、休みをとるわけにはいかないと思った。私は斧を鋭利にしようと必死に木を切っていたのだ。しかし、ほかの起業家と過ごす時間をもっともつべきだった。ヨガか瞑想をすべきだった。たとえば仕事を離れてでも、自分自身を磨くことが会社のためになることを私は理解していなかった」
しかも、自分を磨く時間をとれば、手本として会社全体に学びの文化を広められる。
リード・ホフマンの説は尤もである。
「創業者自身の学習曲線は、常に会社の成長曲線の先を行かなくてはならない」のは、会社の成長曲線は創業者、即ち、経営者自身の学習曲線を超えないからである。
会社の成長が遅々としているのは、経営者の技術的かつ人的成長が遅々とし、会社の足を文字通り引っ張っているからである。
成長、結局、意識的かつ積極的な学びと実践、を忘れた経営者は、経営者失格である。
P261
直感に反する9つの法則
ブリッツスケーリングを実行することは簡単ではない。簡単なら誰もが成功している。価値あるものの多くがそうであるように、ブリッツスケーリングとは逆張りをすることだ。成功するには、効率を上げ、リスクを最小にするためにつくられた数多くのマネジメントの「法則」を破る必要がある。実際、不確実性や変化を前に大胆な成長目標を達成するには、新しい法則に従う必要がある。その法則は、ビジネススクールで教えていることを完全に無視しているのはもちろん、アーリーステージのスタートアップも伝統的な企業の経営陣が受け入れている「ベストプラクティス」と直感的に相反している。
(中略)
直感に反する9つの法則3 「悪い」マネジメントを容認する
(前略)
ペイパルの例を見てみよう。ペイパルはすばらしい成功を収めていたが、会社の管理には問題があった。私は上級マネジャーのひとりとして、そう訴える声明文を書いた。少しは良いこともやったのだ。たとえば全社員が主要任務を持ち、重要なプロジェクトに関わっているときは集中を切らさないように徹底した。しかし、だいたいにおいてペイパルのマネジメントはマネジメントではなかった。
(中略)
しかしペイパルの「悪い」マネジメントは、ブリッツスケーリングを実行しているときには直感に反する強みをいくつももたらした。ペイパルがビジネス改革とスケールアップを進めていた重要ま時期に、われわれは「いつかばちか」の難関をいくつもくぐり抜けなくてはならなかった。「くそったれ!」の瞬間をいくつもくぐり抜けなくてはならなかった。「くそったれ!」の瞬間と呼んでおこう。
くそったれ!詐欺にやられて、持ってもいない数百万ドルがなくなった。
くそったれ!VISAカードはわれわれがサービスを変更しなければ利用を停止すると言っている。
くそったれ!いちばん重要なビジネスパートナーであるイーベイが、競合するベンチャー企業を立ち上げた。
「悪い」マネジメントのおかげで、われわれには「3年後に会社はこうなっているべきだ」という先入観がなかった。マネジメントのカオス的状況のおかげで、こんなに深刻で予想外な地雷を目の前にしても機敏でいられた。組織の全員の役割が未定義で流動的なので、「君たちが4日前からこの仕事をしていたのはわかっているが、会社は今別のことをやっているんだ」と言いやすい。社内のカオスには、社員にふりかかる急激な変化を常態化させる効果があった。その結果、社員は外の世界の劇的な変化に対する適合能力を身につけていった。われわれは自分たちが銃撃を受けながら、地雷原をくぐり抜けていることをわかっている。映画『アベンジャーズ』のインクレディブル・ハルクことブルース・バナーの言葉を借りれば、われわれの強大な力の秘密は、常に変化していることにある。タイミングも幸運だった。マネジメントのない中でチームを団結させる要因のひとつは、勝利のチャンスだ。ドットコムバブルが弾けた後に多くのIT企業が破綻したが、ペイパルにはまだ成功のチャンスがあった。やるべき仕事は、日々取引量が増え続けるグラフを見ていることだけだった。社員がふだん以上に忍耐強かったのは、成功したかったから、そして強力な高IQ集団の一員でいたかったからだ。
「『悪い』マネジメント」の「社内をカオス化する」不効用は既知かつ御意だが、「社員の、ビジネスの流動性に対する適合能力を育む」効用は初耳かつ成る程である。
しかし、著者も認めるよう、この効用は社員の高次かつ苛烈な成功欲求と自尊感情を要するからして、経営者は「『悪い』マネジメント」を積極的に行ってはいけない。
ただ、そんな社員に恵まれた経営者は、経営者冥利である(し、彼らへの感謝を絶やしてはいけない)。
P271
直感に反する9つの法則4 恥ずかしいプロダクトを公開せよ
努めて悪いプロダクトをつくれと言っているのではない。仮に不完全なプロダクトで今すぐ市場に参入するのか、「完璧な」プロダクトでゆっくり市場に参入するのかを選ばなければならないなら、不完全なプロダクトを選ぶべきだ。市場に早く出れば、改善に必要なフィードバックを早く手に入れられる。本物のユーザーの反応やデータを見ることなく、直感に基づいて改善したプロダクトは、的を外すことが多く、結局大がかりなやり直しになる可能性が高い。理想は、漏れのないOODAループ(観察、方向付け、決定、行動)を何度も繰り返すことだ。スピードは本当に重要だ。早いスタートを切ることで、学習曲線を早く登り、優れたプロダクトをいち早く提供できるようになる。
(中略)
ひとたびプロダクトを公開したら、市場のフィードバックから正しく教訓を得ることに集中しなくてはならない。リンクトインの初期リリースの例が示すように、重要な教訓は、顧客の言ったことではなく、顧客の行動から見つかる。リンクトインの初期ユーザーは、その多くがわれわれの友人や家族だったので、「このガラクタはもっとユーザーがいないと役に立たたない!」などとは言わなかった。代わりに彼らは「いずれはとても便利になりそうだね」などと言っていたが、招待状を大量に送ってくれることはなかった。つまり、ユーザーの言いたいことにはしっかり耳を傾ける必要があるが、無視すべきものを見極めることも大事だということだ。ユーザーのフィードバックとデータが食い違ったときは、データに聞くべきだ。概して人は、変化に自分がどう反応するかを予測するのが非常に苦手だ。これを専門用語で予測行動と実行動の不一致と言う。たとえば、フェイスブックが顔認識技術を使って写真に写った人を自動的にタグ付けする機能を追加しようとしたとき、フォーカス・グループの参加者は非常に否定的で、気味が悪いしプライバシーの侵害だと言っていた。しかし実際その機能をテストすると、自動タグ付けはユーザー・エンゲージメントを押し上げ、ユーザーは大いに気に入った!
(後略)
「言葉と行動は裏腹」なのは、人間の常かつ本性である。
是非信じ、かつ、応えるべきは、顧客の定性的なフィードバックでなく、定量的なフィードバックである。
P277
直感に反する9つの法則5 火は燃えるがままにせよ
(前略)
ブリッツスケーリングのどのステージでも、あなたの注目すべき問題や課題は、それを対処するために使えるリソースよりはるかに多い。自分が消防士になったように感じるかもしれない。ただし、1箇所で燃え盛る火を消し止めるのではなく、周りで燃えている別の火事が見えているのに全部を消す時間はない。ブリッツスケーリングを実行する起業家が生き残る方法のひとつは、どの火を燃えたままにしていいかを見極め、放っておけば会社が倒れてしまう火に集中することだ。
(中略)
必要なスキルは、もちろん、どの火事を燃えるままにしてよいかを判断できることだ。あなたの火事の優先順位は、さまざまな要因の組み合わせで決まることが多い。第一が緊急性。どの火事が自分のビジネスにいちばん早く損害をもたらすのか、会社を死に至らしめるのか?
(中略)
次に目を向けるべき要素は効率だ。自分たちが今すぐ消せる火事はどれか、後で消火したほうが楽なのはどれか(あるいはその逆か)?
(中略)
考慮すべき最後の要因が依存関係だ。火災Aを消火することで、火災BとDの消火は楽になるのか?こうした波及効果は非常に重要な場合がある。火事の数は、与えられた時間内に消火できる数よりいつも多いからだ。
私は、急成長しているスタートアップのほとんどに適用できるマズローの欲求段階説ならぬ「マズローの火事段階説」があると信じている。最上位には最初に消火すべき最重要の火事が来る。
ディストリビューション
プロダクト
収益モデル
運用
競合
次に来るのは何か?
ほとんどの個人向けインターネット・スタートアップにとって、最重要の火事はユーザーにプロダクトを届けるまでのディストリビューションだ。ディストリビューションが焼失したら会社はおしまいだ。しかし、その火事を止められれば、ほかの火事を消すのがずっと簡単になる。ユーザーを獲得できれば、プロダクトを改善するためのフィードバックが得られる。数百万のユーザーや数千社の顧客を獲得すれば、収益を上げるのがずっと簡単になる。収益が上がれば、システム基盤や運用をスケールアップするための費用をずっと楽に払えるようになる。方法はキャッシュフローを生かすことでも資金調達でもよい。そして、ビジネスが成功して成長して初めて、競合の心配をする意味がある。
リンクトインの場合、バイラル性を取り入れ、十分に大きなユーザー基盤を構築してディストリビューション問題を解決したら、今度は収益モデルの火事についてくどくど言う声が聞こえてきた。あの頃、誰かが私に「リンクトインはどうやって儲けるの?」と聞くたびに5セントずつもらっていれば、おそらく収益モデルは必要なかっただろう!私はその火事は放っておいてもいいことを知っていた。それは(1)収益モデルの欠如は、資金調達の妨げにならない限り死の直接的原因にはならない、(2)プロダクト火事のほうがずっと緊急性が高く、注意を必要としていたからだ。爆発的な普及に必要なクリティカルマスの100万ユーザーを獲得する流通経路を見つけられなければ、そして、常連になりたくなる魅力的なプロダクトとつくれなければ、収益モデルなど意味がない。
当時、シリーズA調達ラウンドの投資家候補たちは、リンクトインが利益を上げるビジネスモデルを知りたがっていた。私は投資家候補たちに、われわれは次の資金調達ラウンドまで収益をあげない、だからビジネスモデルは問題にはならないはずだと言った。それでも彼らが言い張ったので、私はチームとともに財政モデルをつくり、収入源を書き入れた。そこに何を書いたのか、もう覚えていない。そのために何週間もムダにする代わりに、われわれはある日の晩、グラス1、2杯のワインなど飲みながらモデルをでっち上げた(一晩でも費やしたことに少々腹が立った気もするが、なかなかいいワインだったので、全くのムダではなかった)。
この物語は、あなたのチームにカオスとリスクと不確実性に耐えられる人々が必要な理由を浮き彫りにしている。われわれは、燃え盛る炎があらゆる避難路をふさごうとしているのに気づきながらも、集中を切らさずもっと緊急な火事を消せる限られた一部の人間だ。リンクトインの社員は不確実性を容易に受け入れ、決まった収益モデルがなかったにもかかわらず、十分な効果を上げた。加えて言えば、火事を放置できないと、チームはすべての時間を消火にあててしまい、ビジネスを進化させるためのブレークスルーを考える時間がなくなってしまう。
そうなのである。
企業は、発生した火事を次々消火していたら、リソースが忽ち枯渇し、肝心かつ存在意義である競合優位をアップデートできない。
しかして、経営者は、速やかに消すべき火事のみ消し、他の放置可能な火事は放置しなくてはいけない、そして、ビジネスを不断かつ根源的にディベロップしなくてはいけない、のである。
「とはいえ、所詮消火担当者は自分以外なく、また、加齢による忘却癖が放置の忘却をドライブする」。
以上を理由に私はこれを不得手とするのだが、これこそ正に「できない、しない『言い訳』」である。
自分に「言い訳」をする経営者は、経営者失格である。
2020年08月11日
【邦画】「女王蜂」(1978)
[ひと言感想]
「夫婦のことは夫婦にしか分からない」と言うが、これは主従にも言えるのであろう。
そう、「主従のことは主従にしか分からない」と。
それも、「『報恩を相互に積み重ね、客観不能な信頼関係を構築している』主従のこと」は。
当事者にしか分からないことの心得は、非当事者による徒を防ぐ有力解である。
続きを読む
「夫婦のことは夫婦にしか分からない」と言うが、これは主従にも言えるのであろう。
そう、「主従のことは主従にしか分からない」と。
それも、「『報恩を相互に積み重ね、客観不能な信頼関係を構築している』主従のこと」は。
当事者にしか分からないことの心得は、非当事者による徒を防ぐ有力解である。
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2020年08月03日
【洋画】「グラン・プリ/Grand Prix」(1966)
[ひと言感想]
プロフェッショナルの要件は本分への不断の情熱であり、女好きは零れである。(笑)
プロフェッショナルの危険信号は不明の疲労であり、恋愛は最終手段である。
プロフェッショナルの要件は本分への不断の情熱であり、女好きは零れである。(笑)
プロフェッショナルの危険信号は不明の疲労であり、恋愛は最終手段である。
出演:ジェームズ・ガーナー、イヴ・モンタン、ブライアン・ベッドフォード、アントニオ・サバト、三船敏郎
監督:ジョン・フランケンハイマー
監督:ジョン・フランケンハイマー
ワーナー・ホーム・ビデオ
2011-06-15