2017年10月
2017年10月31日
2017年10月30日
【洋画】「フェイク/Donnie Brasco」(1997)
[ひと言感想]
人間の関係性と安心感は、やはり物理的に一緒に居る時間の長さに依存するのだろう。
というか、長く一緒に居ること、即ち、事情を肌理解し、同情する機会を数多共有すること以上に、人が他者を信頼する好機は無いのだろう。
長く一緒に居る人が家族同然かそれ以上に認められるのが自然なら、殆ど一緒に居ない家族が家族に認められなくなるのも自然なのだろう。
人間の関係性と安心感は、やはり物理的に一緒に居る時間の長さに依存するのだろう。
というか、長く一緒に居ること、即ち、事情を肌理解し、同情する機会を数多共有すること以上に、人が他者を信頼する好機は無いのだろう。
長く一緒に居る人が家族同然かそれ以上に認められるのが自然なら、殆ど一緒に居ない家族が家族に認められなくなるのも自然なのだろう。
出演:ジョニー・デップ、アル・パチーノ
監督:マイク・ニューウェル
監督:マイク・ニューウェル
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2016-09-21
kimio_memo at 07:18|Permalink│Comments(0)│
2017年10月25日
【洋画】「ニュー・シネマ・パラダイス/Nuovo Cinema Paradiso」(1988)
[ひと言感想]
「価格以上の価値を提供するか」。
「人、社会の成長に貢献するか」。
「普遍かつ余人をもって替えがたいか」。
以上の点において、職業に貴賎はある。
なつく後進に先人が為すべきは、自分の低位な職に無垢な彼らを道連れにすることでなければ、自分の敗者復活戦を彼らで行うことでもない。
先人が後進に為すべきは、彼らとの巡り合いとその幸福に連綿とせず、適宜絶縁し、自分より上位な職、フィールドに彼らを追いやること、開花可能な才を開花させること、である。
後進ファーストの敵は、先人の未練と嫉妬である。
後進の才を情緒で潰し、来たるべき未来を未然に葬るのは、人間の悪習の最たるである。
「価格以上の価値を提供するか」。
「人、社会の成長に貢献するか」。
「普遍かつ余人をもって替えがたいか」。
以上の点において、職業に貴賎はある。
なつく後進に先人が為すべきは、自分の低位な職に無垢な彼らを道連れにすることでなければ、自分の敗者復活戦を彼らで行うことでもない。
先人が後進に為すべきは、彼らとの巡り合いとその幸福に連綿とせず、適宜絶縁し、自分より上位な職、フィールドに彼らを追いやること、開花可能な才を開花させること、である。
後進ファーストの敵は、先人の未練と嫉妬である。
後進の才を情緒で潰し、来たるべき未来を未然に葬るのは、人間の悪習の最たるである。
出演:フィリップ・ノワレ、サルヴァトーレ・カシオ、ジャック・ペラン
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
アスミック・エース
2009-06-19
2017年10月24日
2017年10月23日
2017年10月20日
【洋画】「アウトロー/Jack Reacher」(2012)
[ひと言感想]
バーは、濡れ衣を晴らしてくれたリーチャーを「正義に生きてる」と表した。
たしかに、法や証拠より正しさを最優先する点で、リーチャーは「正義オタク」である。
だが、袖振り合った問題を見過ごさず、懸命に解決を試みる点では、良い意味でアスペルガーに通じる「問題解決オタク」でもあろう。
文明が進化し、社会のシステムが厳格化するのは世の常だが、構成員が多様な人間である以上、問題は絶えない。
システムはいよいよ設計より運用を肝とし、「問題解決オタク」というアナログなバッファーを要求しよう。
日々倍々進化のAIが今、密かに我々人間を誘惑するのは「問題解決オタク」への転身かもしれない。
続きを読む
バーは、濡れ衣を晴らしてくれたリーチャーを「正義に生きてる」と表した。
たしかに、法や証拠より正しさを最優先する点で、リーチャーは「正義オタク」である。
だが、袖振り合った問題を見過ごさず、懸命に解決を試みる点では、良い意味でアスペルガーに通じる「問題解決オタク」でもあろう。
文明が進化し、社会のシステムが厳格化するのは世の常だが、構成員が多様な人間である以上、問題は絶えない。
システムはいよいよ設計より運用を肝とし、「問題解決オタク」というアナログなバッファーを要求しよう。
日々倍々進化のAIが今、密かに我々人間を誘惑するのは「問題解決オタク」への転身かもしれない。
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2017年10月19日
2017年10月18日
2017年10月16日
2017年10月13日
【洋画】「アパートの鍵貸します/The Apartment」(1960)
[ひと言感想]
結局、自室は他者に時間貸しできても、人生はできない。
するには代償が大きく、人として惨めである、ということなのだろう。
自分の決めた人生を生きるか、他者に決められた人生を生きるか、は無論自由。
後者の選択は必ずしも不幸を約束しないが、前者の選択が後悔の最小化を促すのは確か。
自由の行使は幸福を約束しないが、後悔という心的不幸の最小化は約束するのである。
結局、自室は他者に時間貸しできても、人生はできない。
するには代償が大きく、人として惨めである、ということなのだろう。
自分の決めた人生を生きるか、他者に決められた人生を生きるか、は無論自由。
後者の選択は必ずしも不幸を約束しないが、前者の選択が後悔の最小化を促すのは確か。
自由の行使は幸福を約束しないが、後悔という心的不幸の最小化は約束するのである。
出演:ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、フレッド・マクマレイ
監督:ビリー・ワイルダー
監督:ビリー・ワイルダー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2011-06-22
2017年10月12日
【洋画】「ドリームガールズ/Dreamgirls」(2006)
[ひと言感想]
プレイヤーの仕事は「『良い商品』に成ること」だが、プロデューサーのそれは「『良い商品』ではなく『売れる商品』を創り、実際売ること」である。
然るに、プレイヤーとプロデューサーはそもそも、また、売れれば売れるほど、持続的に相容れない訳だが、これは「良い人生を送りたい」子と「良い子を育てたい」親にも通じる普遍である。
「チームで夢に向かうのは単純に有効だが、向かい続けるのは、また、より高い夢に向かうのは必ずしも有効でない、というか、容易でない。
チームで夢に向かうのに、短期戦なら一気呵成もアリだが、長期戦ならコンセンサスの確立&維持が不可欠、かつ、結果早く確か」。
以上は本作品のメッセージの一つだが、実際チームで向かい始めると、ストーリーの如く身勝手に忘れ去られる可能性が高い。
プレイヤーの仕事は「『良い商品』に成ること」だが、プロデューサーのそれは「『良い商品』ではなく『売れる商品』を創り、実際売ること」である。
然るに、プレイヤーとプロデューサーはそもそも、また、売れれば売れるほど、持続的に相容れない訳だが、これは「良い人生を送りたい」子と「良い子を育てたい」親にも通じる普遍である。
「チームで夢に向かうのは単純に有効だが、向かい続けるのは、また、より高い夢に向かうのは必ずしも有効でない、というか、容易でない。
チームで夢に向かうのに、短期戦なら一気呵成もアリだが、長期戦ならコンセンサスの確立&維持が不可欠、かつ、結果早く確か」。
以上は本作品のメッセージの一つだが、実際チームで向かい始めると、ストーリーの如く身勝手に忘れ去られる可能性が高い。
出演:ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ハドソン、ビヨンセ・ノウルズ、エディ・マーフィ
監督:ビル・コンドン
監督:ビル・コンドン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2013-08-23
2017年10月11日
【洋画】「陽のあたる場所/A Place in the Sun」(1949)
[ひと言感想]
貧乏男のジョージが金持ちの美女のアンジェラに惹かれたのは自然だが、なぜ、アンジェラはジョージに惹かれたのか。
しかも、有罪が確定してもなお。
主因は、殺意を決心するも実行に移せなかったジョージの、弱くも純真な心根を洞察したからだろう。
それは、そんなカネに成らないモノに最上の価値を見出す、深窓の令嬢の「気まぐれ」であると共に、「特権」かつ「独自能力」でもある。
「世の中、お金ではない」。
我々の多くがこの言い古された言葉を陳腐に感じるのは、カネより高価値な何かに価値を見出す経験値が低いからである。
代償行為は長期的には人間を蝕む。
我々が本当に人間らしく生きるには、カネの有効さと限りを肌理解する必要がある。
貧乏男のジョージが金持ちの美女のアンジェラに惹かれたのは自然だが、なぜ、アンジェラはジョージに惹かれたのか。
しかも、有罪が確定してもなお。
主因は、殺意を決心するも実行に移せなかったジョージの、弱くも純真な心根を洞察したからだろう。
それは、そんなカネに成らないモノに最上の価値を見出す、深窓の令嬢の「気まぐれ」であると共に、「特権」かつ「独自能力」でもある。
「世の中、お金ではない」。
我々の多くがこの言い古された言葉を陳腐に感じるのは、カネより高価値な何かに価値を見出す経験値が低いからである。
代償行為は長期的には人間を蝕む。
我々が本当に人間らしく生きるには、カネの有効さと限りを肌理解する必要がある。
出演:モンゴメリー・クリフト、エリザベス・テイラー、シェリー・ウィンタース
監督:ジョージ・スティーヴンス
監督:ジョージ・スティーヴンス
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2010-08-06
2017年10月10日
【邦画】「シン・ゴジラ」(2016)
[ひと言感想]
本作品のメッセージの一つは、「非日常に日常的に対応することのナンセンスさ」なのだろう。
実際、ゴジラという最強の非日常に政治がかくも手続きを踏み、日常的に対応したなら、我々の被害はあんなものではないだろう。
とはいえ、ゴジラにしても、出現したのは突然の非日常だが、生育したのは凡そ日常であり、このメッセージは容易ではない。
そう、先ず「非日常と日常の万民共通の分水嶺」の問答を、更に「非日常と日常のそもそもの分離可能性」の問答を迫られるからである。
人間の性の一つは「現状の維持」、ひいては、「変化の否定」である。
然るに、我々が変化の「無い」、または、あっても「乏しい」日常を欲求するのは自然な訳だが、それは当然、命あっての物種である。
「ヘボ将棋、王より飛車を可愛がり」という将棋の格言がある。
「我々は凡そヘボ人間で、命より性を、ひいては、非日常より日常を可愛がる癖がある」。
本作品のメッセージのもう一つは、本事項かもしれない。
本作品のメッセージの一つは、「非日常に日常的に対応することのナンセンスさ」なのだろう。
実際、ゴジラという最強の非日常に政治がかくも手続きを踏み、日常的に対応したなら、我々の被害はあんなものではないだろう。
とはいえ、ゴジラにしても、出現したのは突然の非日常だが、生育したのは凡そ日常であり、このメッセージは容易ではない。
そう、先ず「非日常と日常の万民共通の分水嶺」の問答を、更に「非日常と日常のそもそもの分離可能性」の問答を迫られるからである。
人間の性の一つは「現状の維持」、ひいては、「変化の否定」である。
然るに、我々が変化の「無い」、または、あっても「乏しい」日常を欲求するのは自然な訳だが、それは当然、命あっての物種である。
「ヘボ将棋、王より飛車を可愛がり」という将棋の格言がある。
「我々は凡そヘボ人間で、命より性を、ひいては、非日常より日常を可愛がる癖がある」。
本作品のメッセージのもう一つは、本事項かもしれない。
2017年10月06日
【洋画】「グッドナイト・ムーン/Stepmom」(1998)
[ひと言感想]
【1】人に、それも、苦手な人に認められるには「本気」と「決心」が有効であり、また、欠かせない。
【2】「相手ファースト」と、「相手ファースト」を気取った「自分ファースト」の分水嶺は、「「自分のその思考&行動で『相手がより良い人に成れる』」か否か。
【3】「自分ファースト」は「命あっての物種」であり、余命の覚悟は「相手ファースト」への変節、達観を促す(→余命の無自覚は「自分ファースト」を維持、強化する)。
【4】人は長短所含め十人十色であり、一人でも多くの人が愛した方が、また、そう成るよう決心した方が「相手がより良い人に成れる」。
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【1】人に、それも、苦手な人に認められるには「本気」と「決心」が有効であり、また、欠かせない。
【2】「相手ファースト」と、「相手ファースト」を気取った「自分ファースト」の分水嶺は、「「自分のその思考&行動で『相手がより良い人に成れる』」か否か。
【3】「自分ファースト」は「命あっての物種」であり、余命の覚悟は「相手ファースト」への変節、達観を促す(→余命の無自覚は「自分ファースト」を維持、強化する)。
【4】人は長短所含め十人十色であり、一人でも多くの人が愛した方が、また、そう成るよう決心した方が「相手がより良い人に成れる」。
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2017年10月05日
【洋画】「裏窓/Rear Window」(1954)
[ひと言感想]
我々人間は「見たい」、「知りたい」生き物である。
悪趣味のそしりを超える理屈が在れば、「見たい」、「知りたい」のである。
「(見れば見れたモノを)見なかった」、「(知れば知れたコトを)知らずに終えた」ことに因る有形無形の不利益を回避したいから、本質的には、後悔を最小化したいからなのだろう。
そして、我々は、時に主人公の如く命懸けで「見る」、「聞く」訳だが、結局、その過半は「大事の見誤り」、「勘違い」で終わる。
しかし、たしかに、同じく時に主人公の如く、勘違いではなく手柄を果たす場合もある。
これをして悪趣味、小心の性を満更でもなく思うのは、これまた勘違いなのだろうが(笑)、我々が時に為す善(行)はそうした不善の性の賜物なのだろう。
我々人間は「見たい」、「知りたい」生き物である。
悪趣味のそしりを超える理屈が在れば、「見たい」、「知りたい」のである。
「(見れば見れたモノを)見なかった」、「(知れば知れたコトを)知らずに終えた」ことに因る有形無形の不利益を回避したいから、本質的には、後悔を最小化したいからなのだろう。
そして、我々は、時に主人公の如く命懸けで「見る」、「聞く」訳だが、結局、その過半は「大事の見誤り」、「勘違い」で終わる。
しかし、たしかに、同じく時に主人公の如く、勘違いではなく手柄を果たす場合もある。
これをして悪趣味、小心の性を満更でもなく思うのは、これまた勘違いなのだろうが(笑)、我々が時に為す善(行)はそうした不善の性の賜物なのだろう。
2017年10月04日
【洋画】「カンバセーション・・・盗聴・・・/The Conversation」(1974)
[ひと言感想]
「盗聴師」ハリーが「好奇心の排除」の信条を守りきれなかったのは、月並みだが感情ある人間だったからだろう。
「殺人」の言葉の響きに好奇心を様々掻き立てられない人間は、「師」としては最高かもしれないが、「人間」としては終わっている。
生きることは、白でも黒でもない、灰色の自分を認めることである。
ラストシーンのハリーは、終わりかけていた「人間」を認め、「師」と折り合いを付ける道を相棒と模索中なのではないか。
「盗聴師」ハリーが「好奇心の排除」の信条を守りきれなかったのは、月並みだが感情ある人間だったからだろう。
「殺人」の言葉の響きに好奇心を様々掻き立てられない人間は、「師」としては最高かもしれないが、「人間」としては終わっている。
生きることは、白でも黒でもない、灰色の自分を認めることである。
ラストシーンのハリーは、終わりかけていた「人間」を認め、「師」と折り合いを付ける道を相棒と模索中なのではないか。
出演:ジーン・ハックマン、ジョン・カザール、ハリソン・フォード
監督:フランシス・フォード・コッポラ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
KADOKAWA / 角川書店
2017-06-30
2017年10月03日
【洋画】「白い肌の異常な夜/The Beguiled」(1971)
[ひと言感想]
マーサ校長は、なぜ、味方の南軍男子を拒絶し、本来捕虜の北軍のマクビーを擁護したのか。
また、挙句になぜ、マクビーの足と命を葬ったのか。
いずれも、「オンナゴコロ」(笑)と「『愛憎』の表裏一体性』」の必然だろうが、このことから改めて考えさせられるのは、後者の近因で、タイトルでもある「欺かれた」との感、および、そのループが、男女の別なく自制不能かつ罪作りなことである。
自分にソノ気がなくとも、相手に「欺かれた」と思われたらオシマイなのだから。
男女の悲劇は不幸な偶然の帰結で、不可抗力だろう。
マーサ校長は、なぜ、味方の南軍男子を拒絶し、本来捕虜の北軍のマクビーを擁護したのか。
また、挙句になぜ、マクビーの足と命を葬ったのか。
いずれも、「オンナゴコロ」(笑)と「『愛憎』の表裏一体性』」の必然だろうが、このことから改めて考えさせられるのは、後者の近因で、タイトルでもある「欺かれた」との感、および、そのループが、男女の別なく自制不能かつ罪作りなことである。
自分にソノ気がなくとも、相手に「欺かれた」と思われたらオシマイなのだから。
男女の悲劇は不幸な偶然の帰結で、不可抗力だろう。
出演:クリント・イーストウッド、エリザベス・ハートマン、ジョー・アン・ハリス 、パメリン・ファーディン 、ジェラルディン・ペイジ
監督:ドン・シーゲル
監督:ドン・シーゲル
キングレコード
2017-08-02