2017年06月

2017年06月30日

【洋画】「ブラッド・ワーク/Blood Work」(2002)

[ひと言感想]
「誰にも、何に対しても、正直であれ。負け犬上等」。
犯人の動機は、根源的にはこの自説の貫徹なのだろうが、「ありのーままのー」と同様(笑)、考えそのものは必ずしも間違っておらず、時に成功をもたらすからして悩ましい。
本事項に限らず、自説の具現が肯定的なものになるか、それとも、他者や社会に害をなす否定的なものになるか。
その分かれは、直言を厭わぬ身近な正直者の有無ではないか。


ブラッド・ワーク [Blu-ray]
出演:クリント・イーストウッド、ワンダ・デ・ジーザス、ジェフ・ダニエルズ
監督:クリント・イーストウッド
ワーナー・ホーム・ビデオ
2012-07-11




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2017年06月29日

【洋画】「マラソンマン/Marathon Man」(1976)

[ひと言感想]
人間の争いは、然るべき訳もなく不意に起こり、不意に終わる、感情と偶然の悪戯なのだろう。
人間は、悪戯されるから感情的なのか、それとも、感情的だから悪戯に遭うのか。
人間は余りに感情的だとロクなことがないが、感情的でなければ生きている意味がない。
人生は、感情と悪戯の始末かもしれない。


マラソン マン [Blu-ray]
出演:ダスティン・ホフマン、マルト・ケラー、ロイ・シャイダー、ローレンス・オリヴィエ、
監督:ジョン・シュレシンジャー
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2013-04-26




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2017年06月28日

【洋画】「プライベート・ライアン/Saving Private Ryan」(1998)

[ひと言感想]
アパム伍長が降伏兵を殺してまで、罪悪感からの免れ(→自己肯定)と身の安全を最優先したのは卑怯のひと言だが、人間は戦場という極限状況下ではそんなものなのだろう。
そして、戦争は、誰か一人を生かすため、希望を絶やさないために多数を死に追いやる、結果頼みの最大最悪の否定的人為なのだろう。
平和と文明の最大の意義は、人間の根源的な卑怯さ、愚かさ、弱さを封じ込めることかもしれない。


プライベート・ライアン [Blu-ray]
出演:トム・ハンクス、ジェレミー・デイビス、マット・デイモン
監督:スティーブン・スピルバーグ
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2013-08-23




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2017年06月27日

【洋画】「ファイヤーフォックス/Firefox」(1982)

[ひと言感想]
本筋からは外れるが、戦闘機「ファイヤーフォックス」を奪って乗る前と、乗った後との、ガントの余りの人間の変わり様に考えさせられた。
さすが元空軍名パイロットのガント、乗った後、正に「水を得た魚」と化した訳だが、我々はかくも「水」を、自分自身にはもとより、他者にも提供努力しているか、と。
我々はそもそも水が無ければ生きられないが、自分だけの水にありつかなければ生きていないも同然である。


ファイヤーフォックス 特別版 [DVD]
出演:クリント・イーストウッド、ウォーレン・クラーク
監督:クリント・イーストウッド
ワーナー・ホーム・ビデオ
2011-07-20




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2017年06月26日

【洋画】「9か月/Nine Months」(1995)

[ひと言感想]
本作品が問う最たるは、「親に成ることに対する男女の意識、および、その芽生えの差異」なのだろう。
たしかに、親に成ることに対し、一般的にオトコはオンナほど受容的でない。
しかし、それが本作品のように「オトコは臆病だから」というと、それは浅はかに思う。
親に成ることを、オンナは正に身をもって知り、他方、オトコはオンナから聞かされて知る。
つまり、オトコがオンナほど早く親に成れないのは、親に成ることにオンナより早く決心がつかないからで、「性(さが)」ではなく「肉体」の問題に思う。
そもそも決心、決断は、男女問わずコストがかかるものであり、然るに、アメリカの大統領をはじめ、一般的に高いポジションの人間は、たとえプライベートのゴルフ場を決めるのもスタッフに任せ、コストをセーブしているのである。
「妻をめとらば才たけて、みめ美わしく情ある」である。
オトコを感情的かつ脊髄反射的に臆病者呼ばわりするのは、才も情もないオンナであり、生れてくるコドモが不憫である。


9か月 (ベストヒット・セレクション) [DVD]
出演:ヒュー・グラント、ジュリアン・ムーア、トム・アーノルド、ロビン・ウィリアムズ
監督:クリス・コロンバス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2007-11-21




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2017年06月23日

【邦画】「赤ひげ」(1965)

[ひと言感想]
成る程、愛情は先ず「注がれ」て、「注げる」のである。
そして、後悔を厭わず「買い被りたい」人に巡り合い、少しでも近づこうと、出すべき知恵熱が出せたら、それでもう人生は最高なのである、と。
貧困と無知に政治が無力なのは古今東西確かだが、それは経済に加え、知的弱者を食い物にするのが成立に手っ取り早い、人間社会の持病かもしれない。


赤ひげ[東宝DVD名作セレクション]
出演:三船敏郎、加山雄三
監督:黒澤明
東宝
2015-02-18




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2017年06月22日

【洋画】「ケープ・フィアー/Cape Fear」(1991)

[ひと言感想]
他者の恨みを買わずに生きるのは、困難なのは勿論、無理ではないか。
なぜか。
本作品から再考するに、近因は他者と利害が完全一致し得ないから、そして、根因は他者と信念、価値観が完全一致し得ないから、である。
たしかに、サムが依頼人のマックスの利益を最優先せず、逸失利益の可能性を残したのは、弁護士の本分を逸脱した過失であり、恨みを買うのも当然である。
しかし、それは、結果的には無駄かつ逆効果と成った訳だが、法律家の信念が多分に影響したであろう、自身の社会正義、社会平和を最優先したからであり、社会全体最適的かつ中長期的視点では全くの過失とは言えない。

昨今、価値観の多様性が一層叫ばれており、私も肯定する。
ただ、オモテヅラだけ肯定する人を増やすと、却って恨みを社会的に蔓延させる羽目に成りはしまいか。


ケープ・フィアー [DVD]
出演:ロバート・デ・ニーロ、ニック・ノルティ
監督:マーティン・スコセッシ
ジェネオン・ユニバーサル
2012-09-26




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2017年06月21日

【洋画】「ラストスタンド/The Last Stand」(2013)

[ひと言感想]
真に安心安全かつ持続的な社会は、若者が真に若者らしく、そして、老人が真に老人らしく生きるそれである。
若者は、若さゆえの「無知」とそれが入り混じっての「怖いもの無さ」からイノベーションに勤しみ、老人は、昔とった杵柄をフル活用し、煙たがられようと説教すべきは説教し、「最後の砦」を誇らしく守る。
あるべき社会人は、時と歳と共に移ろう本分に従順な人である。


ラストスタンド DVD
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、エドゥアルド・ノリエガ、フォレスト・ウィテカー
監督:キム・ジウン
ポニーキャニオン
2016-03-16




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2017年06月19日

【洋画】「ランブルフィッシュ/Rumble Fish」(1983)

[ひと言感想]
人生は「与えられ、奪われるもの」であり、ミスキャストは不可避である。
しかし成る程、ミスキャストの悲劇は、自己を見失った自分もさることながら、むしろそんな自分を誤解、ロールモデルにした親しい他者の方が、遥かに重篤かもしれない。
色眼鏡で見た報いと彼らを一喝するか、それとも、色眼鏡の素を自ら断つか。
ミスキャストの始末は矜持である。


ランブルフィッシュ [DVD]
出演:マット・ディロン、ミッキー・ローク、デニス・ホッパー
監督:フランシス・フォード・コッポラ
ジェネオン・ユニバーサル
2012-05-09


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2017年06月16日

【洋画】「ナイト・アンド・ザ・シティ/Night and the City」(1992)

[ひと言感想]
ヘレンのハリーへの思いは「あばたもえくぼ」なのだろうが、それこそ「下衆の勘繰り」かつ「大きなお世話」である。(笑)
この世に満面あばたの人も居なければ、満面えくぼの人も居ない。
オトコとオンナの本当は本人にしか分からないし、究極、本人にも分からない。
本当が分からず、思うよう上書き可能だから、オトコとオンナ、そして、人生は素晴らしい。
真の「クズ」、「負け犬」とは、上書きを諦めた人のことである。


ナイト・アンド・ザ・シティ HDマスター版 [DVD]
出演:ロバート・デ・ニーロ、ジェシカ・ラング、アラン・キング
監督:アーウィン・ウィンクラー
オルスタックソフト販売
2014-03-28




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2017年06月15日

【洋画】「レナードの朝/Awakenings」(1990)

[ひと言感想]
メディアや有識人が「格差」を否定的に取り上げるようになり久しいが、格差は広がる一方である。
当たり前である。
彼らが否定的に取り上げるのは単に「建前」、「ファンサービス」であり、肝心の増幅装置の資本主義がグローバル化により加速一辺倒なばかりか、我々自身、完全には否定していないのだから。
「(自分より)上(の人間)を見るな。下を見ろ」。
これは祖母の生前の耳タコ言葉の一つだが、悲しいかな真理である。
我々は、格差が嫌なのではなく、格差の下に位置する自分が嫌なのである。

なぜ、我々は格差の上に位置する自分が嫌でないのか。
根因は「(人間)本懐の自己肯定が促されるから」だが、近因は「安堵が促されるから」である。
我々は「蝉の一生は短い」と、蝉に同情するが、そのココロは、寿命ランキングの上に位置する人間に生誕した安堵である。

だから、我々の多くは「レナードの朝は余りに少ない」と、レナードに同情したであろうし、私自身、全くしなかった訳ではないが、そのココロは、レナードの罹患した難病を罹患せずに済んだ安堵であり、当のレナードからすれば偽善、ないし、「大きなお世話」である。
レナードも、蝉も、我々の多くと比べれば迎えた朝は少ないが、それぞれは有意であり、決して無駄ではない。
もし無駄と断じるなら、それは正に上から目線の傲慢である。

「ナポリを見てから死ね」と言うが、我々は一度ナポリを見ると、もう一度見たくなるものであり、また、別のナポリを見たくなるものである。
長い眠りから覚めたレナードの、一度ナポリを見てしまったがゆえの未練と後悔、そして、不幸は在ったに違いない。
しかし、人生の満足は、セックスのそれと同様、迎えた朝の「数」ではなく「咀嚼」に依存する。
盟友セイヤーと出遭い、心を交わして迎えた朝を、レナードは我々と比べ物にならない位噛み締め、堪能したに違いない。


レナードの朝 [SPE BEST] [DVD]
出演:ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムズ
監督:ペニー・マーシャル
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2015-12-25


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2017年06月13日

【洋画】「マイノリティ・リポート/Minority Report」(2002)

[ひと言感想]
劇中の「マイノリティ・リポート」は「バグ」でもある。
バグは、社会を筆頭に、人間の関知する「システム」では不可避である。
バグを、システムの開発・向上の必要悪と許容するか、利用者個人の自由・成長の絶対悪と否定するか。
或いは、バグを契機に、システムの意義・存続を再考するか。
バグの認識・対処は個人の知的試練である。


マイノリティ・リポート [Blu-ray]
出演:トム・クルーズ、サマンサ・モートン、マックス・フォン・シドー
監督:スティーブン・スピルバーグ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2013-11-22




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2017年06月12日

【洋画】「続・激突! カージャック/The Sugarland Express」(1974)

[ひと言感想]
この事件の元凶がバカ妻なのは確かだが、彼女は「愛すべき」バカであり、悪人ではない。
だからだろう、人質にされたスライド巡査さえそうだったように、私自身、彼女を一方的に憎めないばかりか、却って同情してしまう。
「罪を憎んで人を憎まず」と言うが、憎めない人は罪も憎めなくなるから困りモノである。


続・激突!/カージャック [DVD]
出演:ゴールディ・ホーン、ウィリアム・アザートン、マイケル・サックス、ベン・ジョンソン
監督:スティーヴン・スピルバーグ
ジェネオン・ユニバーサル
2012-08-22



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2017年06月09日

【洋画】「三国志英傑伝 関羽/The Lost Bladesman」(2011)

[ひと言感想]
関羽の劉備への忠義は敬服以外無いが、それを終生担保した劉備も敬服以外無い。
忠義は賢人と、そんな賢人の絶対的敬愛を勝ち得る更なる賢人、或いは、人たらしの共作である。


KAN-WOO/関羽 三国志英傑伝 [DVD]
出演:ドニー・イェン、スン・リー、チアン・ウェン
監督:アラン・マック、フェリックス・チョン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2012-05-02




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2017年06月08日

【洋画】「目撃/Absolute Power」(1997)

[ひと言感想]
「"Great Thief"のヤツのこと、盗みはしても殺しはしない」。
フランク刑事はルーサーをこう絶対的に信用したが、当のルーサーは、「裁かれたら、絶対的権力者の大統領の証言が優先、信用されるに違いない」と、その限りを案じた。
信憑性は当事者の人となりと専門性の「理解度」より、専ら「オーソライズ度」、「誤解度」に依存する。
信用は結局絶対的だが、根拠の信憑性は専ら相対的である。


目撃 [DVD]
出演:クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン
監督:クリント・イーストウッド
ワーナー・ホーム・ビデオ
2011-07-20




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2017年06月06日

【洋画】「ウェディング・プランナー/The Wedding Planner」(2001)

[ひと言感想]
昨今専ら「格差」が否定評価されているが、人間は根源的に絶対評価が不得手、不正確である。
「何かと比較し格差を認知」しないと、即ち、「相対評価」しないと、正確性はもとより、何より納得性の高い評価、決心が下せない。
格差は必要であり、必要悪である。

所謂「相見積もり」は相対評価である。
本作品でも明らかなように、「相見積もり」は恋愛にも有効である。(笑)
メアリー(演:ジェニファー・ロペスさん)は積極的に「相見積もり」をした訳ではないが、結果的にはした。
そして、二人のオトコの格差を認知し、かつ、自身の本意(真のニーズ)も客観視でき、スティーヴ(演:マシュー・マコノヒーさん)に納得尽くでコミットできたのだから。
馬鹿と鋏、そして、格差は使いようである。(笑)


ウェディング・プランナー [DVD]
出演:ジェニファー・ロペス、マシュー・マコノヒー
監督:アダム・シャンクマン
日本ヘラルド映画(PCH)
2002-01-17




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2017年06月02日

【洋画】「許されざる者/The Unforgiven」(1960)

[ひと言感想]
後に引けない」。
やはり、この自覚こそ、誤りや過ちを認め、リカバリすることの最大抵抗勢力なのだろう。
そして、この抵抗勢力への無抵抗主義こそ、「許されざる者」への地獄道の最大成分なのだろう。
「許されざる者」は、他者に断じられて成るものではなく、不本意ではあれ自分が進んで成るもの、自業自得、である。


許されざる者 [DVD]
出演:バート・ランカスター、オードリー・ヘプバーン
監督:ジョン・ヒューストン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2006-10-27


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2017年06月01日

【洋画】「ランド・オブ・ウーマン 優しい雨の降る街で/In the Land of Women」(2006)

[ひと言感想]
なぜ、精神的に困った時、「遠くの親戚より近くの『他人』」、それも「利害、競合関係の無い、日常かつ異質の『他人』」が助かるのか。
やはり、「物理的な近さ」に因る「絶対的な安心感」と、「利害、競合関係の無さ」に因る「良い意味での張り合いの無さ」が大きいのだろう。
他人と張り合うことが無駄、無意識に強いられる現代社会を生き抜くは、傍で「今のままで大丈夫」と言ってくれる日常の異質な他人、そして、そんな言葉を素直に聞き入れられる環境、機会が何より貴重である。


ランド・オブ・ウーマン/優しい雨の降る街で [DVD]
出演:アダム・ブロディ、クリステン・スチュワート、メグ・ライアン
監督:ジョン・カスダン
ワーナー・ホーム・ビデオ
2008-11-05




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