2016年12月

2016年12月28日

【第29期竜王戦第七局】渡辺竜王、丸山挑戦者に貫禄勝ち、防衛

[ひと言感想]
かつて渡辺明竜王は竜王を失冠したが、その折も結構な割合で「渡辺竜王」と呼称された。
なぜか。
渡辺竜王は唯一の永世竜王だ。
渡辺竜王を知る全ての人が「呼び慣れてしまったから」というのは勿論あろうが、それ以上にやはり、最高実力者、および、棋界第一人者として「貫禄を認めていたから」だ。
本局の進捗と結果は、渡辺竜王が正に貫禄を示した格好だ。
敢えて挑戦者の十八番を誘い、敢えて挑戦者の先攻を誘い、挙句切らしたのだから。
誰もが認める貫禄の持ち主の渡辺竜王の勝利、ならびに、防衛は誰もが認める所だ。
後は、渡辺竜王の誰もが認める落とし前を期待するばかりだ。


★2016年12月21、22日催行
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/29_07/
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/29/ryuou201612210101.html
http://www.yomiuri.co.jp/culture/igoshougi/ryuoh/20161223-OYT8T50036.html
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20161222-OYT1T50072.html


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2016年12月21日

【洋画】「道/La Strada」(1954)

[ひと言感想]
フェデリコ・フェリーニ監督がタイトルの「道」に込めた真意は不明だが、「道」はどんな人にも当てはまるように思う。
人は、「道」が敷かれて在るから歩くのか、それとも、「道」を信じるから歩くのか。
正解はこれまた不明だが、どんな人も歩くのを止めたら、「道」は終わりだ。
いつ、いかなる時であっても。
「道」は非情だが、フェアでもある。
途中、嗚咽して「道」を終えるか、それとも、悔い改めるか。
生の本性は、「道」の認識と対処の絶えざる強迫かもしれない。
 

道 Blu-ray
出演:ジュリエッタ・マシーナ、アンソニー・クイン
監督:フェデリコ・フェリーニ 
紀伊國屋書店
2014-03-22




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2016年12月19日

【邦画】「橋のない川」(1992)

[ひと言感想]
劇中、穢多の差別を「秩序」で肯定し、その否定を「僻み」と断じるさまがあったが、このロジック、および、やり口は今も、否、残念ながら未来も、健在だろう。
なぜか。
我々人間は自己肯定が欠かせず、それには、多数決的にコンセンサスが得られ易いこのやり口で特定の他者を劣等視するのが、有効かつ手っ取り早いからだ。
差別の問題は人間の本性の問題で、対処は個別かつ都度的に執り行われる他ないのだろう。

ともあれ、本作品は「啓発映画」に分類されるのだろうが、特有の暗い印象が稀少なばかりか、爽快感さえうかがえた。
成る程、啓発の趣旨は問題の解決行動の促進で、それには、問題の暗さを対象者にダメ押しするより、解決行動の爽快さを教示するのが、有効かつ手っ取り早いのかもしれない。


橋のない川 (東陽一監督作品) [DVD]
出演:杉本哲太、渡辺篤郎、高岡早紀、辰巳琢郎、高橋悦史、加茂さくら、大谷直子、中村玉緒、中村嘉葎雄
監督:東陽一 
紀伊國屋書店
2013-09-28

 

kimio_memo at 07:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画 

2016年12月14日

【第29期竜王戦第六局】丸山挑戦者、渡辺竜王を後悔の渦に落とし勝利、最終局へ

[ひと言感想]
棋譜コメントブログから、渡辺明竜王が後悔の渦に落ちた印象を受けた。
正直者であり、また、負かされたのだから、当然と言えなくもないが、本譜共々「らしくない」。
心中は察するに余りあるが、是非最終局は後悔を最小化し、「らしく」指し終えて欲しい。
羽生善治三冠と並んで、名実共に将棋界の第一人者であり、また、未来の日本将棋連盟会長なのだから。


★2016年12月7、8日催行
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/29_06/
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/29/ryuou201612070101.html
http://www.yomiuri.co.jp/culture/igoshougi/ryuoh/20161209-OYT8T50001.html



kimio_memo at 07:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 将棋タイトル戦 | -竜王戦

2016年12月07日

【洋画】「ギター弾きの恋/Sweet and Lowdown」(1999)

[ひと言感想]
エメットがジャンゴ・ラインハルトから逃げ(、ビルから飛び降りる羽目になっ)たのは、当代随一のギタリストである彼を前に、二番止まりの自分が居た堪れなかったからだろう。
そして、エメットが体と見栄だけの愛人を好み、心露わな恋人を避けたのは、自分の随一と化した恋人を前に、ギタリストとしても、人間としても二番止まりの自分が居た堪れなくなると憂慮したからだろう。
たしかに、他者へ精神的に深入りすると自己喪失に遭いかねないが、深入りして初めて得られる自己肯定、ひいては幸福もある。
リスク回避の余りに逃した幸福は、時間が経てば経つほど大きい。
ともあれ、人生の最高の伴侶とは、恋人であり、伴走者であり、理解者なのだろう。


ギター弾きの恋 ―デジタル・レストア・バージョン― [DVD]
出演:ショーン・ペン、サマンサ・モートン
監督:ウディ・アレン 
角川書店
2011-06-24




kimio_memo at 07:53|PermalinkComments(0) 映画 | -ウディ・アレン作品

2016年12月05日

【第29期竜王戦第五局】渡辺竜王、混迷の手将棋を制し3-2、防衛に王手

[ひと言感想]
「どこで苦しくしたか、(何が正着だったのか、)分からなかった」との丸山忠久挑戦者の感想に考えさせられた。
問題の根本解決には、正確な自問と真因の発見が欠かせない。


★2016年12月1、2日催行
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/29_05/
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/29/ryuou201612010101.html
http://www.yomiuri.co.jp/culture/igoshougi/ryuoh/20161203-OYT8T50005.html



kimio_memo at 07:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 将棋タイトル戦 | -竜王戦

2016年12月02日

【洋画】「迷子の警察音楽隊/The Band's Visit」(2007)

[ひと言感想]
やはり音楽と恋愛は、訳アリだらけの万民を結び付ける共通語だ。
また、訳アリだらけの日常を肯定化する希望だ。
「情けは人の為ならず」と言うが、結局「好意は異人の為ならず」だ。
好意は、示し、受け、甘えてこそ、だ。


迷子の警察音楽隊 [DVD]
出演:サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカベッツ、カリファ・ナトゥール
監督:エラン・コリリン 
Nikkatsu =dvd=
2008-06-13




kimio_memo at 07:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画 

2016年12月01日

【邦画】「戦国自衛隊」(1979)

[ひと言感想]
成る程、抑制するほど反動が大きく、暴発すると自他共に手がつけられないのが本能と本望なのだろうが、抑制のドライバーは何なのだろう。
根本は環境、つまり躾ではないか。
「本能と本望は、はした無く且つ満足し得ない。抑えるが吉」。
我々文明人が本能と本望を抑制しがちなのは、外的にこう躾けられ、それらを「ハンドラの箱」視する癖がついているからではないか。
文明化とは、人間から本能と本望を奪うことかもしれない。


戦国自衛隊 角川映画 THE BEST [DVD]
出演:千葉真一、夏八木勲
監督:斎藤光正 
KADOKAWA / 角川書店
2016-01-29




kimio_memo at 07:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画