2016年03月

2016年03月30日

【邦画】「ペコロスの母に会いに行く」(2013)

[ひと言感想]
過日知ったのだが、今「初恋の人を探す」サービスがあり、その利用者は専らオトコだという。
オンナの利用が少ないのは、過去の恋愛の管理法の違いのせいで、オトコが「フォルダー化」し、ある意味ストックしておく(笑)一方、オンナは「上書き」し、無かったことにしてしまうからだという。
言われてみれば成る程で、どうりでオトコは元カノの不幸が見過ごせない訳だが(笑)、「フォルダー化」の本質は未練だろう。
オンナが元カレに未練を残さないのは、村上龍の言う通り、オトコは結局消耗品だからだろう。(笑)



そして、だからこそオンナは、兄弟姉妹や親友には、それもとりわけ不本意に死に別れた彼らには未練を残し、たとえ認知症で自我が危うくなろうと、何かにつけ彼らを眼前に呼び戻し、安堵するのだろう。
人間の生を最後まで支え、励ますのは、オトコもオンナも未練かもしれない。



ペコロスの母に会いに行く 通常版 [DVD]
出演:岩松了、赤木春恵、原田貴和子、竹中直人
監督:森﨑東 
TCエンタテインメント
2014-07-02


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kimio_memo at 06:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画 

2016年03月29日

【洋画】「天国から来たチャンピオン/Heaven Can Wait」(1978)

[ひと言感想]
人の記憶には限りがある。
自分の言動そのものは、死のうが生き続けようが、他者の記憶から早晩消えるが、そのココロは、記憶には無理でも、心になら残れるのかもしれない。
成る程、僅かでも「その」他者と、心が通う時を共にできれば。
人の生きた証は、心が通った他者の心にこそある。


天国から来たチャンピオン [DVD]
出演:ウォーレン・ベイティ、ジュリー・クリスティ、ジェームズ・メイスン
監督:バック・ヘンリー 
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2010-05-28




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2016年03月24日

【第41期棋王戦第四局】渡辺棋王、一分将棋で「同志」佐藤挑戦者の正解手を封じ、四連覇

b061〔ひと言感想〕
「なぜ駄目(だったの)か?代わりに、どうしたら良い(良かったの)か?」
とかくロジックと感情を入り乱れさせてしまう日本の会社、否、日本人の多くはこのやり取りを酷く嫌うが、少なくとも渡辺明棋王と佐藤天彦挑戦者の二人に限っては、嫌いでないのはなく好物(笑)、更には得意に違いない。
そして、だからこそ二人は、ポスト羽生世代で図抜けているに違いない。
タイトルの行方が決した直後というのに、直前まで二人はそれに全てを賭けていたというのに、こうして仲良く(笑)このやり取りの虜になっているのだから。
「本意、不本意の別なく、訪れた結果を只管合理的、理性的に解析し、敗着と正解手、最善手を共に導き出す」。
そんな本当の意味で「話せる」好敵手は同志であり、また、正に親友である。
同志という親友は、情け容赦ない競争社会を生き抜く、とりわけ有効かつ掛け替えのない励みであり、また、助けである。
二人のまたのタイトル戦を願ってやまない。


★2016年3月21日催行
http://live.shogi.or.jp/kiou/
http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/41_04/
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/41/kiou201603210101.html
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/04859ec5605db27e3ec0c4a2decd14b2

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2016年03月23日

【第65期王将戦/第六局】郷田王将、羽生「最強」挑戦者を下し初防衛、新世界へ

[ひと言感想]
郷田真隆王将のタイトル防衛は今回が初めてという。
言われてみれば成る程だが、以前渡辺明二冠も防衛の難しさを以下の旨論じており、郷田王将もさぞ嬉しく、また、さぞ自信を深めたに違いない。

「防衛は傍目で見るより容易ではない。たしかに、防衛に必要な勝率は挑戦権獲得に必要なそれよりも低くて良いが、タイトル保持者も所詮人間、好調のまま防衛戦を迎えられるとは限らない。しかし、挑戦者は確実に高勝率で上り調子、絶好調である」。

実績を獲得することで向上する自信、実力の源が未知の境地への到達感なら、実績を維持することで向上するそれらの源は、好不調の世界からの訣別感かもしれない。
新世界に突入した郷田王将の新たな活躍を期待したい。(敬礼)


★2016年3月18、19日催行
http://mainichi.jp/feature/shougi/ohsho/
http://kifulog.shogi.or.jp/ousho/65_06/
http://mainichi.jp/oshosen-kifu/160318.html
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/03/20/kiji/K20160320012244390.html
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/03/20/kiji/K20160320012244400.html
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/03/21/kiji/K20160321012250660.html
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/03/26/kiji/K20160326012283090.html



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2016年03月18日

【合作】「ヴァンパイア/Vampire」(2012)

[ひと言感想]
サイモン(演:ケヴィン・ゼガーズさん)は本当にヴァンパイアだったのか。
真相は不明だが、サイモンが血に「救い」を見出していたのは確かだろう。
犯罪を自覚しながら、入手した血を飲んでは吐き続けたのも、また、ヴァンパイアを自覚しながら、自殺未遂の教え子(演:蒼井優さん)へ輸血を拒まなかったのも、その為だろう。

なぜ、サイモンは血に「救い」を見出したのか。
はたまた、なぜ、そこまで「救い」を求めたのか。
これらの真相も不明だが、この誤解と狂信が、結果的に遠回りになったものの、サイモンに正解と自己肯定を恵んだのは確かだろう。
誤解と遠回りは、正解と自己肯定に至る、唯一ではないが、敢行に足る確かな道なのかもしれない。


ヴァンパイア [DVD]
出演:ケヴィン・ゼガーズ、アデレイド・クレメンス、蒼井優、アマンダ・プラマー
監督:岩井俊二 
ポニーキャニオン
2013-03-20




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2016年03月17日

【洋画】「フィクサー/Michael Clayton」(2007)

[ひと言感想]
嘘がつけるのは自分ではなく、他人に限られるように、過ちや罪をもみ消せるのも自分ではなく、他人のそれに限られるのだろう。
堕落とは、過ちや罪のもみ消しに自分を含めた当然の報いなのだろう。

結局、人間の終わりの始まりは、自分の過ちや罪の不受容から始まるのかもしれない。
社会の終わりの始まりは、一個人の小心から始まるのかもしれない。


フィクサー [Blu-ray]
出演:ジョージ・クルーニー、トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントン
監督:トニー・ギルロイ 
東宝
2012-02-24




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2016年03月16日

【第65期王将戦/第五局】郷田王将、羽生挑戦者の予定戦法を受け止め、防衛に王手

[ひと言感想]
羽生善治挑戦者は、四年ぶりに四間飛車を繰り出すも負かされ、カド番に追い込まれたが、失着が64手目の△7七角成で、正解手が△5五歩だったと分かると、納得した心情態度を露わにし、以降の変化に触れず感想戦を終えたという
やはり、実力者が実力者足り得るのは、失敗の検証を絶やさないこと、即ち、失敗の原因と正解を特定し、納得を図る癖を絶やさないこと、が大きいに違いない。
実力とは、失敗を正視した数と精神力の掛け算かもしれない。


★2016年3月13、14日催行
http://mainichi.jp/feature/shougi/ohsho/
http://kifulog.shogi.or.jp/ousho/65_05/
http://mainichi.jp/oshosen-kifu/160313.html
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/03/15/kiji/K20160315012216340.html
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/03/16/kiji/K20160316012220240.html
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kimio_memo at 08:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 将棋タイトル戦 | -王将戦

2016年03月14日

【洋画】「おいしい生活/Small Time Crooks」(2000)

[ひと言感想]
原題の”Small Time Crooks”は「チンピラ」の意という。
たしかに、銀行強盗を企て、カムフラージュで始めたクッキー屋が大化けし、生涯金策不要の大富豪に成り上がるも持ち逃げされ、挙句無一文に逆戻り、というのはチンピラの人生かもしれないが、ゴールとプロセスを徐々に入り乱れさせ、挙句変容させてしまう点では、我々の人生と大差ないだろう。
結局、「人は、幸せに成りたいのではなく、幸せに成るプロセスを楽しみたい。それもできれば最愛の人と」、ということか。(苦笑)


おいしい生活 ―デジタル・レストア・バージョン― [DVD]
出演:ウディ・アレン、トレイシー・ウルマン、ヒュー・グラント
監督:ウディ・アレン 
角川書店
2011-06-24




kimio_memo at 07:03|PermalinkComments(0) 映画 | -ウディ・アレン作品

2016年03月11日

【邦画】「それから」(1985)

[ひと言感想]
悪女とは、三千代(演:藤谷美和子さん)のようなオンナを言うのだろう。
元カレの代助(演:松田優作さん)にそれと無く「食に困らない」日常の断絶と不幸の道連れを強い、承服させるのだから。
人間の本性、それも弱みにとりわけ通じ、他者を自由意思で堕落させ、罪悪感なく食い物にする点で、悪女は悪徳商人と等しい。
ともあれなぜにかくもオトコは、元カノの不幸が見過ごせないのだろう。(苦笑)


それから [DVD]
出演:松田優作、藤谷美和子、小林薫、中村嘉葎雄、笠智衆
監督:森田芳光 
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2015-07-08


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kimio_memo at 07:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画 

2016年03月10日

【洋画】「エネミー・オブ・アメリカ/Enemy of the State」(1998)

[ひと言感想]
夫婦間の「監視」が「セックス」というのは言い得て妙だ。
たしかにセックスは、伴侶の心身がリアルタイムで肌理解、かつ、拘束できる。(笑)
そして、セックスの切れ目が縁の切れ目に成り得る(笑)ように、でき得る社会監視の切れ目は安寧秩序の切れ目に成り得る。
切れ目の欲求が人間の性であるように、リスクの軽視も人間の性なのだろう。


エネミー・オブ・アメリカ 特別版 [DVD]
出演:ウィル・スミス、ジョン・ヴォイト、ジーン・ハックマン
監督:トニー・スコット 
ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
2004-04-23


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kimio_memo at 07:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画 

2016年03月09日

【第41期棋王戦第三局】渡辺棋王、「我慢の一手」で佐藤挑戦者に逆転、防衛に王手

〔ひと言感想〕
勝負の分水嶺は80手目、渡辺明棋王の△8三銀打だったようだが、真のそれは、その前の66手目、△5二歩ではないか。
たしかに、佐藤天彦挑戦者もツイートで述懐しているように、それでも形勢は挑戦者に傾いたままだったが、この手は、将来の、5筋の歩攻めの楽しみを諦め、角取りを「耐える」だけの正に「我慢の一手」で、勝利を宿命付けられたプロにとって本来「指せない手」だ。
実際、阿久津主税八段もその旨ニコ生で解説し、予想手から除外していたが、それでも渡辺棋王は指した。
渡辺棋王の「我慢の一手」の我慢力、即ち、正確冷静な状況判断力と最善努力力がこの△5二歩に具現し、勝利の可能性を残したこと、絶やさなかったことが、後に逆転を呼び込んだのではないか。
「残すべき可能性を飽くまでも残し、絶やさない」。
勝利とは、この一点に全身全霊を正確冷静に捧げた恵みかもしれない。


★2016年3月6日催行
http://live.shogi.or.jp/kiou/
http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/41_03/
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/41/kiou201603060101.html
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/29e2df0053d75e8ecd88c5d376352ae9

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kimio_memo at 07:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 将棋タイトル戦 | -棋王戦

2016年03月03日

【邦画】「おさな妻」(1970)

[ひと言感想]
「他者(ひと)を疑う」のは人間の性だが、幼い、幼くないにかかわらず、夫婦は殊更だろう。
運命共同体で、絶えず近接しているのだから。
「信じる」と「疑わない」は似て非なることだが、夫婦が心得るべきは結局「疑わない」だろう。
伴侶を信じる「根拠」は限られるが、疑わない「言い訳」は自分次第で無限大なのだから。
ともあれ、高橋恵子さんの当時の異常な色気には感心、否、惚れ惚れの一手だろう。(笑)


おさな妻 [DVD]
出演:関根(高橋)恵子、新克利、渡辺美佐子
監督:臼坂礼次郎 
角川書店
2013-11-22




kimio_memo at 07:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画 

2016年03月02日

【洋画】「ア・フュー・グッドメン/A Few Good Men」(1992)

[ひと言感想]
真実」と「事実」は違う。
真実は事実の「解釈」であり、経験と知見の質量に依存する。
事実を正確に解釈し、誰もが認める真実を導き出すのが「善人」の条件なら、たしかにアメリカ海軍に限らず、競争と不平等を旨とする人間社会において、誰もが認める「善人」は存在しないに等しい。
「誇り」とは、それでも善人足らん自他への、誰もが認める「エクスキューズ」かもしれない。


ア・フュー・グッドメン [DVD]
出演:トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン
監督:ロブ・ライナー 
Happinet(SB)(D)
2015-07-24


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kimio_memo at 07:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画