2015年02月

2015年02月27日

【邦画】「男はつらいよ 第7作 奮闘篇」(1971)

[ひと言感想]
たしかに、弱者の気持ちが本当に分かるのは、そして、弱者に本当に同情できるのは、同じ弱者なのでしょう。
しかし、同情と愛情は紙一重とはいえ、弱者の具現できるそれは限られるからして、寅次郎がまたも夢破れたのは当然と言えば当然です。
人に具体的に働きかけるには、相手の気持ちを正確に理解する必要がありますが、正確に理解できたものの具現できない、即ち、具体的に働きかけられない、のでは、理解は却って仇と言えなくもありません。
ここ日本では、とりわけ311後「人の気持ちに寄り添う」のが金科玉条化していますが、具現できない、具体的に寄り添えない同情は、仇に加え時に罪に成るのを、綺麗事と偽善が大好きな私たちは再認識する必要があるように思えてなりません。


男はつらいよ 奮闘篇 HDリマスター版(第7作)
出演:渥美清、榊原るみ、田中邦衛、柳家小さん、ミヤコ蝶々
監督:山田洋次
2014-12-17




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2015年02月26日

【洋画】「オール・アバウト・マイ・マザー/All About My Mother」(1999)

[ひと言感想]
「命のバトンを渡すのは私」。
オンナの逞しさの根源は、そんな、生の継承主体の自覚なのでしょう。
その、利他を旨とする利己の生き様に、オトコは未来永劫ひれ伏す他ありません。


オール・アバウト・マイ・マザー [DVD]
出演:セシリア・ロス、ペネロペ・クルス、マリサ・パレデス
監督:ペドロ・アルモドバル
キングレコード
2022-07-06




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2015年02月25日

【邦画】「風立ちぬ」(2013)

[ひと言感想]
オトコとオンナが理屈でないように(笑)、個人が夢を持ち、形を与えるのも理屈でないのでしょう。
個人の集まりの社会が理屈通り良くならないのは、当然かもしれません。


風立ちぬ [DVD]
声:庵野秀明、瀧本美織
監督:宮崎駿
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2014-06-18


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2015年02月24日

【洋画】「コンタクト/Contact」(1997)

[ひと言感想]
成る程、「存在を証明できないこと」は「『存在の可能性が否定されていない状態』を維持していること」を意味しており、「存在が無いこと」、「不在」を意味しません。
科学と宗教、更には、現実と希望は紙一重であり、その境界はそもそも危ういのかもしれません。


コンタクト 特別版 [DVD]
出演:ジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー、デヴィッド・モース
監督:ロバート・ゼメキス
ワーナー・ホーム・ビデオ
2011-09-07




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2015年02月23日

【第40期棋王戦第二局】渡辺棋王、羽生挑戦者の「欲張り」に倍返しし、二連勝を果たす

〔ひと言感想〕
羽生善治挑戦者の「過激」で「欲張り」な▲4五同銀は、本局では渡辺明棋王に正確に受けとめられ、倍返しされる結果と相成りましたが、羽生挑戦者の様な実力者が実力を持続的に向上させるには、そして、担保するには、かくして積極的に欲を張り、その是非を実戦(現場)でプロセス共々検証することが、何より不可欠かつ有効なのでしょう。
そもそも実力をつけるには、何らかの欲を持ち、その実現に自助努力を絶やさないことが、何より不可欠かつ有効です。
人は、欲張りなくらいで丁度良いに違いありません。


★2015年2月21日催行
http://live.shogi.or.jp/kiou/
http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/40_02/
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/40/kiou201502210101.html
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/7959abd95e514414d9c4afb8a5ff1304



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2015年02月20日

【邦画】「男はつらいよ 第5作 望郷篇」(1970)

[ひと言感想]
やはり、目的をないがしろにしてプロセス(手段)を志向しても、オンナにうつつを抜かすのが関の山なのです。
寅は、先輩渡世人の死を契機に人生を見つめ直し、「額に汗して働く」プロセスを志向した途端うつつを抜かし始めた訳ですが、これでは先輩も浮かばれません。
しかも、挙句に完全ノーマークでフラれた訳ですから、却って仇、悲劇です。
やはり、目的とプロセスの混同は、悲劇の到来確率を劇的なまでに高めるのです。


男はつらいよ 望郷篇 HDリマスター版(第5作)
出演:渥美清、長山藍子、井川比佐志、松山省二
監督:山田洋次
2014-12-17




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2015年02月19日

【BSJAPAN】「久米宏・未来への伝言 ニッポン100年物語 第4章:バカ 『型破り』が明日をつくる」中野信子さん、糸井重里さん

【糸井重里さん】
選手の「バカ」と監督の「バカ」と二種類あったとすると、選手の「バカ」は日本でも育ってますね。

【中野信子さん】
そうですね。

【糸井さん】
たとえば、広島に居た前田(智徳)さん、ホームラン打っても、にこりともしなかったって。
「何か打ち方、気に入らなかった」みたいな。
それって、選手の「バカ」じゃないですか、要は。
すごいけどね。
(※頭の上を手でかざして)コッチの「バカ」が欲しいなあ。

【中野さん】
指揮官の方(の「バカ」)ですね。
そういう人、たしかに日本では出難いですよね。

【久米宏さん】
指揮官っていうのは、「バカ」を振るい落とすフィルターを何枚も通っていかないと指揮官に成れないでしょ。

【中野さん】
いや実はね、これ違うメカニズムだと思います。
選手一人がどんなに努力しても、それは優れた選手にしか成らないんですね。
で、それをするの、日本人はとても得意です。
自分の良くない所をアレコレ見つけて、こうしてこうして、っていう努力というのはとても得意なんですけども、指揮官の「バカ」というのは、何人も犠牲にしないといけませんね。
これを、何人も犠牲にするのをよしとするか、それとも、「やっぱり気になるからみんなの為に僕はお利口でいよう」とするという性質っていうのがですね、「良心の領域」というのが脳には在ります。

【ナレーション】
「良心の領域」と呼ばれるのは内側前頭前野。
自分の行動が他人に迷惑をかけていないか、チェックする部分です。
内側前頭前野が機能すると、「部下を犠牲にしてはならない」と思う為、「バカ」な指揮官には成れません。

【中野さん】
だけども、100人に1人はそれを持っていない人が居る。

【久米さん】
持ってない。

【中野さん】
持っていない人が居る。
凶悪犯罪なんかが起こる時に「サイコパス」というのは聞いたことがありますよね。

【久米さん】
サイコパス、はい。

【中野さん】
サイコパス(正常とされる人格から逸脱した人)と呼ばれる人です。
このサイコパスの素質が良い方に向かうと、良い、所謂「バカ」の指揮官として、優れた戦績を残すことができる。

【糸井さん】
居ない人の悪口を言うことになってしまうかもしれないけどスティーブ・ジョブズみたいな話とかって聞くと、いわば、(社内に)アイデアの死体がゴロゴロ転がる訳ですよね、(社員が)色んなことをやった努力を「ダメー!」ってやってる訳じゃないですか。
だから、(アップルは優れたイノベーションが)できたみたいな。
それ、日本ではホント少ないですよね。

【中野さん】
少ないですね。
「一将功成りて万骨枯る」というのをよしとするかしないかの違いですよね。
ジョブスはそれができる人だと思いますね。

「未知かつ奇想天外なアイデアをこよなく愛し、具現のためには寝食を忘れた試行錯誤に加え、失敗や謂れ無き他者評価も何のその、の人」。
本番組の言う「愛すべき『バカ』」とは、こんな人のことだろう。
番組は様々な分野の「バカ」を紹介、賞賛したが、たしかに彼らは社会に必要だ。
もし、エジソンが居なければ、私たちは家で音楽や映画を楽しめなかったであろうし、そもそも安心安全に夜更かし(笑)できなかったであろう。
しかし、我が国日本では、彼らは非常に少ないばかりか、糸井重里さんの指摘する通り、たしかにリーダーやマネージャーのレベルだと皆無に等しい。
なぜ、日本には、選手の「バカ」はかろうじて存在しても、監督の「バカ」は殆ど存在しないのか。

「日本の監督は『良心回路』が高機能過ぎて、選手を犠牲にできないからだ」。
中野信子さんの回答は成る程だ。
キカイダーではなく(笑)人間の「良心回路」を司るのが「内側前頭前野」との脳内領域なのは未知だったが、たしかに、未知かつ奇想天外なアイデアの具現には試行錯誤と失敗が付き物であり、しかも、監督としてチームで具現させるとなると、選手を道連れにし、憂き目に遭わせる確率が、即ち、「選手を犠牲にする」確率が、非常に高い。
監督が、優れモノの良心回路を持つ余り、一般の他者以上に配下の部下を犠牲にできないのは、当然かもしれない。



とはいえ、日本人監督の、否、そもそも日本人の良心回路は、本当に優れモノなのだろうか。
というのも、日本人の良心は基本、とりわけ311後、以下のツイートの如く絶えず馬脚を現しているように、「利己」と「保身(責任&リスク回避)」と「二枚舌」を旨とする偽善だからだ。


良心に基づき善行を選好することは悪くないし、正に善いことだ。
しかし、そもそもの「善」の概念が偽りなら、その具現である善行は本当の善行ではないし、良心は優れモノ足り得ない。
「日本の監督は『保身回路』が高機能過ぎて、挙句に恨みを買い、仕返しされたり、吊るしあげられたりすることを杞憂する余り、選手を犠牲にできないからだ」。
私は、中野さんの主張を完全否定する訳ではないが、本件のより正しい回答をこう考える。

ちなみに、私は、スティーブ・ジョブズが数多の部下を犠牲にできたのは、サイコパスだったから、「良心回路」や「保身回路」が低機能過ぎたから、というより、ただ合理的だったから、だと思う。
プロジェクトに失敗した部下を解雇し、彼らや彼らの家族を路頭に迷わせること、並びに、彼らの恨みを買うことは、より適任の部下や新しい経営者にプロジェクトにあたらせ、イノベーションの成功確率を高めること、ひいては、会社と社会の笑顔を増やすことに比べれば知れていると、保身と情に棹させることなく合理的に判断、独り合点できた、のだと思う。
この推量が正しければ、ジョブズをサイコパス呼ばわりする人こそサイコパスである。



★2015年1月25日放送分
http://www.bs-j.co.jp/nippon100_2015/

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kimio_memo at 07:25|PermalinkComments(0) テレビ 

2015年02月18日

【第64期王将戦/第四局】郷田挑戦者、持ち前の深い読みと手厚さで「蝮のと金」「と金の遅速」を具現し、二勝二敗のタイに

[ひと言感想]
刹那の緩みにとりわけ容赦無い渡辺明王将を、二枚のと金でにじり寄り、見事押し切った郷田真隆挑戦者は天晴でした。
不肖私、「蝮のと金」と「と金の遅速」の何たるかとその効果、及び、プレイヤーの原点能力としての「深い読み」と「手厚さ」の何たるかとその意義、を改めて思い知りました。


★2015年2月16、17日催行
http://mainichi.jp/feature/shougi/ohsho/
http://kifulog.shogi.or.jp/ousho/64_04/
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/77ed52bf54ea1d4e6f21af8fe5d83764



kimio_memo at 08:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 将棋タイトル戦 | -王将戦

2015年02月17日

【邦画】「犬とあなたの物語 いぬのえいが」(2011)

[ひと言感想]
家族の大事に「何かしてあげたい」と思うのは、家族として愛された自覚があれば、人も犬も同じでしょう。
「忠犬」は「忠人」の証明に違いありません。

そして、人が犬を飼うのは、生命の余裕であるべきです。
生き物との共生は、彼らを看取る自信と覚悟が起源であるべきです。


犬とあなたの物語 いぬのえいが
出演:中尾彬、青木裕子、内野聖陽、高畑淳子、大森南朋、松嶋菜々子、北乃きい、芦田愛菜
監督:水落豊、中西尚人、川西純、石井聡一、長崎俊一、江藤尚志
2015-11-15


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kimio_memo at 07:45|PermalinkComments(0) 映画 

2015年02月16日

【マーケティング/マネジメント】「iモードの猛獣使い 会社に20兆円稼がせたスーパー・サラリーマン」榎啓一さん

P87
大企業病

とはいえ、当時の(NTT)ドコモには小姑が少なくて助かりました。

これも私の運のよさです。

ドコモの出身はNTT、NTTの前身は電電公社です。世間一般には、公社は役人の一種で官僚的だと思われているようです。私は電電公社に入って40年、ドコモに来て20年経ちますが、その間いろいろな企業の方とお付き合いしてきた結果、別に公社だから官僚的なのではなくて、成熟した大企業だからだという結論に達しました。

私の経験から言うと、業務量と組織規模の関係だと思います。

iモードの開発を始めた当時のドコモは、今から約20年前ですが、携帯電話が売れまくり、業務量は日々増えていきました。

営業の人間も、技術も、設備投資の担当も、総務も経理も全員が忙しく、自然と権限移譲が行われていました

部長の仕事は課長へ、課長の仕事は係長へ、係長の仕事は平社員へと移っていきました。

権限が大きくなるので社員は仕事が楽しくて仕方ありません。企業の創業期の活力ある職場でした。

また、自分の仕事がとても忙しいのですから、他人の仕事にまで口を出す暇はほとんどありませんすなわち小姑が現れる環境がなかったのです。

業務量が増えると当然組織を増やしていきます。しかし、時間が経つにしたがって仕事の伸びは落ち着いてきます。そして、ある日組織が業務量を追い抜く時が来ます。そうすると小姑が増え、他人の仕事をとやかく言う評論家が増え、ブレーキがかかります

これが大企業病だと思います。すべての企業が通らないといけない道、悩みです。

ところで役人を官僚的と言って非難しますが、150年前の明治維新時は、企業の創業期と同じような時期ですから、役人も自由闊達に仕事をしていたのだと思います。

この世は輪廻転生、大木が倒れて養分になり、若い芽が生まれて木になります。大企業が倒れてベンチャー企業が起こり、彼らもいつかは大木になり倒れる。どれだけ倒れずに大木でいられるかが企業の力の差のようです。成熟した企業の社長さんは大変です。

「『大企業病』の元凶は、生い立ちや規模ではなく、『小姑』を生む、『大企業』もとい『成熟企業』特有の『ヒマ(余力のある労働)』と『やり甲斐の無さ』にある」との、榎啓一さんの「『大企業病』論」は成る程かつ尤もだ。
たしかに、経験的にも、大企業病と無縁の会社には小姑が居ないし、トップからスタッフまで絶えず目の下を黒くし笑顔でテンパっている(笑)からして、小姑の生まれようがない。
よしんば、特別変異で生まれても、「人の足を引っ張るより、引っ張られる方が面白い!」と追随者が皆無で、間もなく自然消滅する。
実際、私生活の本物の小姑を振り返ってみても(笑)、父方の祖母が小姑足る得たのは、彼女が毎日テレビを見、母をイビるほか生き甲斐が無かったからで、母方の祖母が小姑足り得なかったのは彼女が生涯「働き者」だったからであり、小姑の発生に「ヒマ」と「やり甲斐」の多寡が密接に関係しているのは間違いない。

榎さんの「『大企業病』論」から気づかされたことが一つある。
それは「イノベーションのジレンマ」にも通じることで、ひと言で言えば、「確率論に基づく合理主義は、企業に、そして、本人に短期的な成功は約束するが、中長期的な成功は約束しないばかりか、却って『終わりの始まり』を宣告しかねない」、ということだ。

企業の第一命題は「生き残ること」だ。
そのためには、何はともあれ「売れる商品」を製販し、キャッシュフローをプラスにしなければならない。
たとえば、ベンチャー企業が「多産多死」であるのはこのためで、彼らの多くは、動機が純粋な余り「売れる商品」ではなく「売りたい商品」を製販してしまい、マイナスで始まったキャッシュフローをプラスに転じさせられず死に絶えてしまう。
では、幸いにも「売れる商品」が製販でき、キャッシュフローをプラス化できた彼らは、その後どうするか。
勝ち得たキャッシュをテコに、「業容拡大」と「持続的イノベーション」を推進する可能性が高い。
つまり、ヒト・モノ・カネを増やし、売れた商品の「続編」や「スピンオフ」、即ち、高機能化、高性能化、バリエーション展開を図る訳だ。
彼らのこうした経営は正に合理的であり、間違っていない。
しかし、間違っていない合理的な仕事というのは、良くも悪くも「予めマニュアルや成果物の青写真ができている」仕事であり、悪く言えば、「『仕事』と言うより『作業』」、「実体が前例踏襲かつコピペ」、「成果物が凡そ予定調和的かつ想定範囲内」の仕事であり、「売れる商品」を五里霧中かつ死に物狂いで作り、売り歩いていた創業時と比べると、経営者以下スタッフの余力は格段にある。
そして、この合理的かつ楽な環境こそが、榎さんの仰る「小姑が現れる(→「大企業病」を発症せしめる)」それであり、また、「売れる商品」の製販の、ひいては、企業の「終わりの始まり」を決めるそれなのだ。

榎さんから授かったこの気づきから、私は新たに何を思考、行動すべきなのか。
一番は、「『合理の積み上げ』の誘惑を必ず『程々』で断つ」、ということなのだろう。
更には、「『程々』の何たるかと頃合いを見極める」、「積み上げた合理を『程々』でガラポンする勇気と習慣を会得する」、ということなのだろう。
感情を極力排し、ロジックと確率論でぎりぎり成功を勝ち得た途端、今度はその未練(サンクコスト)と誘惑に感情を揺さぶられるとは、企業も人も、終生皮肉かつ楽のできない生命体に違いない。







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2015年02月13日

【第40期棋王戦第一局】渡辺棋王、羽生挑戦者の一瞬の緩みを俗手で咎め、緒戦を制する

〔ひと言感想〕
結局、優劣不明の難局面にて、82手目、羽生善治挑戦者が△3四銀と銀を繰り上げた手が緩くかつ疑わしく、それに▲7六桂と、飛車取りの俗手で渡辺明棋王が厳しくかつ正しく咎めたのが、勝敗を決したようです。
不肖かつ下手の横好きの私(笑)、「一瞬の緩みが命取り」、「俗手の好手」、「『俗手の好手』は読みと決断の逞しさ(※自作・笑)」を再認識しました。


★2015年2月11日催行
http://live.shogi.or.jp/kiou/
http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/40_01/
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/40/kiou201502110101.html
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/b616ba8a0b21cda64958321f768a98bb



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2015年02月10日

【邦画】「そして父になる」(2013)

[ひと言感想]
良多(演:福山雅治さん)が当初血縁を選好したのは、父、良輔(演:夏八木勲さん)が元凶ではないでしょうか。
幼い良多は、なぜ自分は継母に育てられねばいけないのか、なぜ自分には本当の母親が居ないのか、良輔に納得させてもらえず、「所詮、自分にとって良輔は、また、子どもにとっての父親とは、この程度の存在なのだ」と絶望、諦観した。
大人に成った良多は、培った自主自立の精神をエリートビジネスマンまっしぐらで具現し、子どもには自分の二の舞いはさせまいと血縁を与え直したのではないでしょうか。
個人の悪意無き怠慢は、時として負の連鎖を招きます。

そして、オンナコドモが直感、選好するオトコの実力は、資本主義を生き抜くのと真逆の、経済やレバレッジの類と無縁のそれなのでしょう。
壊れたオモチャを直す斎木(演:リリー・フランキーさん)が、すぐ買い換える良多より妻子にモテるのは、そういうことなのでしょう。
資本主義の発展と少子化の拡大は、不可分の関係にあるのかもしれません。


そして父になる
出演:福山雅治、尾野真千子、二宮慶多、リリー・フランキー、真木よう子、黄升炫、夏八木勲、風吹ジュン
監督:是枝裕和
2014-04-23




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2015年02月09日

【洋画】「美しい人/Nine Lives」(2005)

[ひと言感想]
人間の根源欲求は自己肯定なのでしょう。
人生は、生き甲斐の選択と正当化の不断の試みなのでしょう。
「美しい人」は、他者に思われるものではなく、自ら成るものなのでしょう。


美しい人 [DVD]
出演:エリピディア・カリーロ、ロビン・ライト、リサ・ゲイ・ハミルトン、ホリー・ハンター、アマンダ・セイフライド、エイミー・ブレナマン、シシー・スペイセク、キャシー・ベイカー、グレン・クローズ
監督:ロドリゴ・ガルシア




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2015年02月06日

【邦画】「新・男はつらいよ(第4作)」(1970)

[ひと言感想]
おいちゃんとおばちゃんは、寅次郎にとって親も同然です。
彼らの場合は特別ですが(笑)、そもそも親子間の恩返しは容易でありません。
「親の心子知らず」であり、また、「子の心親知らず」であるからです。
やはり、親子間の恩返しを笑顔で終わらせるには、互いが相手の心を好意的に汲むべきなのでしょう。

そして、やはり、人は悲しい、辛い時ほど笑うべきなのでしょう。
また、周囲はそうした人を笑わせてあげるべきなのでしょう。
人は笑うことで救われ、人を笑わせることで自分も、自分たちも救われます。
人は笑いが無ければ生きられません


新・男はつらいよ HDリマスター版(第4作)
出演:渥美清、栗原小巻、津坂匡章、財津一郎
監督:小林俊一
2014-12-17




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2015年02月05日

【邦画】「ザ・マジックアワー」(2008)

[ひと言感想]
よく「人は誰かを演じている」と言われますが、それはなぜなのでしょう。
自分とは異なる「誰か」に成りたいのか。
「誰か」に成るべく努めるプロセス、或いは、自分が好ましいのか。
「誰か」に成り、素の自分ではできないコトや役割がしたい、或いは、そう認められたい、のか。
「誰か」に成り代わり、素の自分を現実から守りたいのか。
勿論、正解は不明ですし、また、人それぞれでしょうが、企業経営に経営計画が要るように、マジックアワーとの邂逅にも、自己実現や後悔の少ない人生にも、「成りたい誰か」という道標が要るのかもしれません。
人が、結果的に「成りたい誰か」とは異なる「誰か」に成り、かつ、それが悪くなかったり、また、悪くなく思えるのは、「成りたい誰か」を懸命かつ究極に追求した自負の賜物です。


ザ・マジックアワー
出演:佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、柳澤愼一、西田敏行
監督:三谷幸喜
2013-11-26


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2015年02月04日

【洋画】「ミスティック・リバー/Mystic River」(2003)

[ひと言感想]
人生に不幸は付き物です。
ジミー(演:ショーン・ペンさん)のように、同朋の不幸を尻目に安堵していると、正に天災の如く、忘れた頃、不条理かつ容赦極まり無く遭遇するものです。
然るに、人生に安堵は大敵なのでしょうが、一番の大敵は、それが紙一重で恵まれたことの後ろめたさと、それゆえの執着かもしれません。
幸運は、お金と同様、結果的に恵まれるもの、天下を回るもの、であり、囲い込もうとすると、離れ去っていくのかもしれません。


ミスティック・リバー (字幕版)
出演:ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコン
監督:クリント・イーストウッド
2013-06-01




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2015年02月03日

【洋画】「彼女を見ればわかること/Things You Can Tell Just by Looking at Her」(2000)

[ひと言感想]
事情は人生に付き物ですが、厄介なのは年を重ねるにつけ多く、複雑になること。
本作品も描くように、最悪自殺願望まで促すからして、本当に厄介です。
しかし、だからこそ、大人は、否、大人こそ、恋をする、恋を欲する、のでしょう。
事情に因る自己嫌悪や絶望に抗うには、恋や他者という拠り所が有効なのでしょう。
社会は、事情の交差と依存の巣窟です。


彼女を見ればわかること [DVD]
出演:グレン・クローズ、ホリー・ハンター、キャシー・ベイカー、キャリスタ・フロックハート、キャメロン・ディアス
監督:ロドリゴ・ガルシア
日活
2002-01-25



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kimio_memo at 07:35|PermalinkComments(0) 映画 

2015年02月02日

【第64期王将戦/第三局】郷田挑戦者、渡辺王将を不思議に負かし、一矢報いる

gouda_64os03[ひと言感想]
実力者の渡辺明王将をして「本局の敗因は現時点では不明」とのことですが、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」です。
実力者はいかに実力を勝ち得るのか。
一つは、「不明な敗因を眠らせない」ことなのでしょう。
やはり、実力者の要件は不断の問題意識、ないし、しつこさ、諦めの悪さなのでしょう。

ともあれ、難局を制して一矢報い、見事罰ゲーム、もとい、勝利記念撮影に遭われた郷田真隆挑戦者に、心から拍手と笑みを送る所存です。(礼・笑)


★2015年1月29、30日催行
http://mainichi.jp/feature/shougi/ohsho/
http://kifulog.shogi.or.jp/ousho/64_03/
https://plus.google.com/photos/104086542955423361492/albums/6110317578248703265?authkey=CLDEyfWZ_OLtZw
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/e64c2e0ca6ee20952921b932cb05afdc



kimio_memo at 06:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 将棋タイトル戦 | -王将戦