2013年04月
2013年04月24日
2013年04月23日
【人物】「伊良部秀輝」団野村さん
P179
(伊良部秀輝は通訳の)小島に対し、こんなことをつぶやいたことがあるという。
「人は人にタスキをかけるんだ」
政治家が 選挙活動をするとき、名前を書いたタスキをかけて自分の存在を示すように、人間というものは他人に対して、「この人間はこういう人間だ」というタスキをか けるというのである。あるいは、メディアなどが伝えたイメージを鵜呑みにして、色眼鏡でその人物を見るというわけだ。
「自分の場合はーー」
ヒデキは言った。
「”悪童”というタスキをかけられた。そして、一度タスキをかけられたら、外すことはできないんだ」
「人は人にタスキをかける」。
生前、伊良部秀輝さんが仰った本事項は成る程であり、また、尤もだ。
たしかに、私もそうだが、人は凡そ出遭った人に「こういう人間だ」という「タスキ」をかけてしまう。
なぜか。
自分自身を省みて一番思い当たるのは、「さもなくば不経済だから」だ。
そもそも、私たち人間には間断無く出遭いがあり、しかも、それは対人間だけでなく、対モノ、対情報等々、非常に広範かつ数多だ。
ついては、肯定的であれ否定的であれ、とにかく何らかのタスキをかけて認知を簡潔に留めておかないと、出遭う毎に認知と呼び起こしのコストがかかり、不経済だ。
タスキとインターネットのキャッシュ(インターネット一時ファイル)は、認知と呼び起こしのコストをセーブする意味で通底している。
他にも例えば、「人は第一印象で決まる」と言うが、これは、私たちがいかに対象に悉く速攻タスキをかけてしまうか、いかに認知と呼び起こしのコストを惜しむか、を表しているに違いない。
そして、私たちの手持ちの、ひいては、社会全体のリソースは限られている。
ついては、私たちは、自分がかつてかけたタスキのみならず、他者がかけたタスキをもフル活用し、肯定的であれ否定的であれ、とにかく出遭った人間、モノ、情報等々をフィルタリングしないと、認知と扱いのコストがかかる(→リソースが減る)一方で、自分自身は勿論、社会的にも不経済だ。
タスキと学歴は、認知と扱いのコストをセーブする意味で通底している。
他にも例えば、「一見さんお断り」の店がいまだ根強く在るが、これは、社会がいかにタスキを参考にするか、いかにリソースの無駄遣い、即ち、不経済にシビアか、を表しているのに違いない。
然るに、伊良部さんの代理人の団野村さんが、本書の中で、アメリカのメディアが悉く伊良部さんに否定的なタスキをかけたのは、「その方が売れるから」と仰っているが、私はどうも解せない。
なぜなら、もし理由がそれだけなら、なぜ彼らはイチローには肯定的なタスキをかけたのか、説明がつかないからだ。
たしかに、テレビのワイドショーが依然視聴率を取る様に、妬みとひがみは人間の根本本性であり、私たちは他者の肯定的なタスキより、否定的なタスキを選好する。
しかし、私たちの習性の一つには、自分の役に合理的に立たない、過分な暮らしぶりの他者を社会的に排除するそれが厳然と在るように思えてならない。
多分、それは不経済を社会的に戒めるべき、食料の生産量(→自分の分け前)が限られていた、とうの昔の時代の名残だが、食料が溢れかえり、肥満が国民病と言われるようになった現代でも、私たちは「大飯食らい」、即ち、自分に相応の実利を合理的に供与しない、又は、供与している感が乏しい高収入な他者を強く嫌悪し、否定的なタスキをかけては、排除に一丸となる所が少なくない。
従って、誤りを怖れず妄想すれば、アメリカのメディアが伊良部さんに否定的なタスキをかけ、排除に一丸となったのは、伊良部さんが、自分らしい好プレー、好実績を果たすことばかり合理的に専心する余り、彼らが欲求するメジャーリーガー相応の実利を合理的に供与し損なったから、或いは、自分ではしているつもりでも、彼らにとってはし足りなかったから、ではないか。
この妄想が妥当ならば、アメリカの高収入者の多くが寄付に励む主因は、やはり、社会の残酷さを熟知した上での、自分自身の社会的不経済性の贖罪、並びに、そのポーズなのかもしれない。
ともあれ、伊良部さんの冥福を祈りたい。(敬礼)
2013年04月22日
2013年04月17日
【邦画】「ハンサム★スーツ」(2008)
〔ひと言感想〕
確かに、「大きな幸せ」と「小さな幸せ」はトレードオフで要決断ですが、「他者(ひと)の幸せを見つけておうちに帰ろうゲーム」はやったモン勝ちで要即断。
成る程、人生は自己革命(マイ・レボリューション)が肝な訳です。
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確かに、「大きな幸せ」と「小さな幸せ」はトレードオフで要決断ですが、「他者(ひと)の幸せを見つけておうちに帰ろうゲーム」はやったモン勝ちで要即断。
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